■10 武器屋に来た!
とりあえず、また書けたら書きます。
書けたらね。
今日も〈WOL〉にログインした。
最近は毎日のようにログインしている。
明日は千夏ちゃんの応援に行くので、多分今日でソロ活動は終わりだった。
あれから私のレベルもガンガン上げて、今では8にまで上がっている。
スタータスもこんな感じになった。
ネーム:マナ
種族:〈ヒューマン〉
レベル:8
HP:65
MP:36
STR:21
VIT:19
AGI:23
DEX:20
INT:20
LUK:21
装備品
体:〈両面の外套〉
靴:〈雷光の長靴〉
武器
〈麒麟の星雫〉
スキル
【成長補正(平均)】【幸運】【ジャスト回避】
称号
『熊殺し』
てな感じだ。
いつのまにか称号の欄が追加されていて、そこには物騒にも『熊殺し』何て書かれている。
たぶんこの間、ブラックベアーを倒したからだろう。
私のステータスもだいぶ上がって来ていて、随分と頼もしくなって来たのが目に見えてわかるのが嬉しかった。
それで今日やることなのだが、もう決まっていた。
「すみませーん。誰かいませんかー」
「はーい」
そう言って私が入ったのは武器屋だった。
しかもプレイヤーが営んでいるもので、私は簡易的な代理市場にしか行ったことがなかったのでこんな風にしっかりとした店構えを持つところには来たことがなかった。
NPCじゃなくてプレイヤーなのが凄い。
何でかって、プレイヤーが店を持っていることが凄かったらだ。そもそも持てるんだ。
「あら、初めてのお客さんね」
「はい。マナって言います。頼まれていたものを持って来ました」
「ご苦労様」
そう私がここにやって来たのはプレイヤー間でのクエストだ。
クエストの内容は、ここ〈麗人の内輪〉と言うお店の主人である〈エルフ〉の女性、リオナさんに鉄鉱石を届ける仕事だった。
クエストはNPCやもちろんプレイヤーの人が自由に掲示板に貼ることができ、私はそこから手っ取り早くこなせそうなクエストを見つけてはいそいそと達成してきた。そのおかげでお金も結構溜まって来ていて、最初の所持金1000Gが一回150Gまで減ったけど、そこから立て直して今では3000G近く貯まったのだ。
それに鉄鉱石は結構簡単に手に入る。
これも【幸福】のスキルのおかげだった。あの子に感謝しないとね。
「まあこんなに。私が頼んでた分以上だわ。ありがとね、えっと……」
「マナです」
「そう、マナちゃんね。改めて、私はリオナ。一応生産職メインでここの店主をやっているの」
「リオナさんはどんなものを売ってるんですか?」
「色々よ。でも特に取り扱っているのは武具の受注依頼とか、ポーションの販売ね」
「ポーション?」
そう言えばアイテムなんて碌に使ってこなかった。
スノーから投げ渡された聖水を使ったのが最初で最後だった気がする。
「もしかしてご存知ないですか?」
「はい……」
「そんなに落ち込まなくても大丈夫ですよ。私が軽く説明しますから」
優しい人だ。
うっとりするぐらいにこやかな表情で私に一つ一つ教えてくれた。
「ポーションと言うのは色々あります。体力を回復してくれたり、魔力を回復してくれたり。毒や麻痺、眠りを解いてりですね。更には耐性を付与してくれたりする非常に便利な道具なんですよ」
「聖水もですか?」
「はい。ですが聖水はアンデット系のモンスターにしか効果がないアイテムですね」
やっぱり聖水もポーションの一種だったんだ。
また一つ勉強になった。
ふと立ち止まった私。それをリオナさんは振り返り待ってくれる。しかしリオナさんの目が私の持つ“何か”に留まった。
それは私の腰に携える剣に目線が行っているとすぐに分かる。
「綺麗な剣ですね」
「はい。この前手に入れたものです」
「拝見しても?」
「いいですよ」
私は剣を見せた。
すると会釈をしてから受け取ると、リオナさんはまじまじと見つめる。そうして私に尋ねた。
「こちらの剣は?」
「〈麒麟の星雫〉って言うんです。何でもレジェンドレアのアイテムらしいですよ」
「レジェンドアイテムですか!私、初めて見ました」
そう感心して驚きあぐねている。
「もしよろしければ、お譲りいただくことは……」
「ああ、ちょっと無理ですね。ごめんなさい」
「そうですよね。分かっています。それにしても麒麟ですか。また珍しい。それにこの色味、雷ですね」
「珍しいんですか?」
「はい。四神をモチーフにした武具は他の媒体でも有名ですが、麒麟をしかも本来の土属性ではなく雷と表現する例はあまりないですね」
「へぇー」
四神と言う言葉は聞いたことはある。
確か、青龍、朱雀、白虎に、玄武だったはずだ。
如何やら麒麟とはその中心に位置しているらしく、黄龍と呼ばれるものと同じ立ち位置のようなものかもしれない。
その後は色々とリオナさんに教えてもらいながら、私はアイテム。主にポーションについて勉強した。
少しは詳しくなれただろうか。
一応回復系のポーションを幾つか買っておくことにした。
「毎度あり」
「そこはちゃっかりしてるんですね」
リオナさんは営業スマイル全開で私に笑顔を見せてくれると、そのまま私はクエストを終え報酬を貰って帰るのだった。




