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とある男のUKT

作者: パテうめ

 星空が煌々と煌めき流れる場所で、剣士が一人歩いていた。

 剣士はお世辞にも高名とは言い難い。それでも剣士は、己が最強であると自負していた。

 東に魔物被害があれば東へ行き、誰とも知らず巣を潰し。西にダンジョンが出来れば一人で赴き制覇、誰にも告げることなく次へ向かい。南にドラゴンが出れば意気揚々と首を落とし。北に人にとって厳しい地があればそこで鍛錬をした。

 剣士の事を知るものは少ない。だが、人として生きている以上、誰も知らないということはあり得ない。

 剣士の事を知る者曰く、「あれはとんでもなく傲慢だが、世界を知らぬほど愚か者でもない。ただただ強い」と語る。

 剣士は語る。「俺は最強だ。俺こそが最強なのだ」と。

 世の中は広い。それでも最強だと自尊し、誇り、驕り、事実最強であった。ただ、誰もその事実を知らないだけで。

 酒場で笑い物にされた。訓練場で一笑に付された。吟遊詩人には愚かな男の物語として歌われた。

 笑いたくば笑うが良い。真実は一つだ。己が最強だと、自分だけが知っていればいい。

 故に、世の中における「人類最強」は別の男だった。

 どうでもいい。たかが人類における最強など、興味がない。剣士がいるのは、この世界の頂点。

 そうして辿り着いたのがこの場所だ。

 星が地に向かって流れている。星を導くように、揺らぎ、煌めく何かが地に落ちている。東西南北至る所から煌めきは流れ、とある一点に向けって流れ続ける。

「(あぁ、これは魔力だ)」

 尋常ならざる高濃度高密度の魔力。この世の全てを集めたような、視認出来る程の魔力。

 繰り返すが、男は最強である。身体に魔力を満たして身体強化するなどお手の物。僅かな魔力の流れを見極め、相手の動きを先んじて知ることなども容易い。人としては異常なほど魔力を溜めこんでいる。

 それでも思わず手を伸ばしてしまう程度には、その場所は魅力に溢れていた。

 もしもあの全てが満ちる場所で、あの魔力を一身に浴びることが出来たなら。

「(まさに、この世界と言わず、どんな世界の存在にも負けることのない最強になれるやも知れぬ)」

 剣士はそう思い、武者震いする足を懸命に一歩踏み出した。

 まさにその時。

 一筋の閃光が男の後頭部に命中し、鈍い衝撃が空気を震わせた。

 それは誰かが投げた物が当たったなどと言う可愛いものでは無かった。

 衝撃と共に四散し、剣士を中心に放射状に衝撃が広がり、雪を蒸発させ、地を割り、魔力に富んだ岩盤を宙へと舞い上げる。

 まるで音が消滅したようであった。

 着弾から数秒。宙を舞った岩を吹き飛ばした時、ようやく世界に音が蘇ったかのような錯覚すらあった。

 剣士が吹き飛ばされなかったのは、まさに衝撃の中心だったからだろう。その衝撃からすれば人間なぞ粉微塵になりそうなものだが、驚くことに剣士はその形を失うことは無かった。剣士が身に着けていた剣や鎧などまるで熱に溶かされるように蒸発してしまったにも関わらず。

 剣士の視界にチカチカと星が明滅し、意識が暗転する直前、頭に流れていく魔力を感じ、今度は周囲から衝撃があり、今度こそ剣士は吹き飛んだ。

 吹き飛びながら、男は思う。

 流石にここで意識を失えば周囲の化物どもに食われるな、と。

「(……どうにか、安全な場所で……)」

 意識を失った剣士の身に、不思議な事が起こった。

 チカチカと明滅し、姿が薄れ、やがて霧のようにその場から消えてしまったのである。

 剣士に当たったのは、魔力を含んだ星の欠片であった。その欠片に含まれた魔力がその願いに呼応し、剣士の身を転移させたのだ。

 剣士の身に起きたことも、その後の背中から落ちた衝撃も、意識を失った剣士が知ることはなかった。







 ……

 ……

 ギャッギャッという、しわがれた不快な声に、意識が浮上した。

 重い瞼を持ち上げる。頭がズキズキと痛む。目がかすみ、持ち上げた瞼を降ろしたくなる。

 再び意識を落とさなかったのは、何故かは分からないが身体が訴えた危険信号からだ。

 何度か瞬きをし、周囲の風景にぼやけた視界を合わせていく。ぼやけた視界の中映るのは空と木々の緑だけ。

 ギャッギャッ、ゲッゲッ、グギッゲヘッという耳障りな声がする。

「うるさいなぁ、頭に響くから、」

 周囲にピントが合い、声のしたほうに目を向けた。

「やめて、くれ……ない……か……?」

 そこに居たのは化物だった。

 大きさはさほどでもない。精々男の腰程度。

 身体も屈強ではない。痩せ細っており、足も腕もまるで骨のよう。

 耳は僅かに尖っていて、目はギョロリと鋭く、血走っている。

 頭髪はなく、そこには太い血管が浮き上がっている。

 衣服は腰みのだけである。

 そして何より異常なのはその肌だった。

 紫。

 緑。

 赤。

 三体三色の変態がそこに居た。

 唯一赤いのだけは、まるで犬の牙を連ねたような首飾りを付けている。

「……」

 思わず声を失った。

 混乱の局地である。思わず自分の姿を確認した。

 肌は当然ながら肌色である。腕も細くなく、それどころか彼らと違い屈強と言える程鍛えられている。

「(うん、これらの仲間では無いな)」

 男は安心した。

 が、男は目の前の化物共にも劣る場所が一つだけあった。

 男は腰みの一つ装備しておらず、つまり、その、粗末な物をぶら下げた状態の、つまるところ全裸であったのだ。

「変態じゃん!」

 男は失った声を張り上げた。

 その声に驚いたのは化物共。

 ビクリと身体を震わせたかと思うと、緑色の化物が手に持った棍棒を振り上げた。

「……へ?」

 そして振り下ろされた棍棒を必死の思いで避け、情けなく四足でバタバタと逃げ出した。

「ふひ、ふひ、ふひ、な、なんだよぉ、何したってんだよぉ」

 四肢に上手く力が伝わらず、顔から地面に崩れ落ちる。

 涙が溢れてきた。鼻水が流れてきた。全裸の男が這いながらそんな顔をするのだから、如何に無様か分かるだろう。ただ失禁しなかったことだけは褒めてほしい……。男はある意味で現実逃避しながら、周囲を見渡した。

 骨があった。

「ひっ」

 それも人骨だ。あぁ、きっと奴らに食われたのだろう。自分もこうなってしまうのか。

 ……それは嫌だなぁ。

「うぅ……ご、ごめんなさい」

 ゆっくりと追ってくる化物共を見て、謝罪しながらその骨を手に取った。

「うわぁぁぁ」

 投げた。骨は変な回転をしながら、見当違いの場所へ突き刺さる。男は物を投げるのが下手だった。

 男はそんなことを気にせず、手当たり次第に骨を投げた。力を入れて投げるというより、ただただポイポイと放り投げる。「近付かないで!」と言わんばかりである。

 化物の足元に骨が落ちて、化物はほんの少しだけ足を止めたが、それと同時に近くに骨も無くなった。

 手を伸ばし、骨を探す。小指に何かが触れた。

 必死にそれを掴むと、無意識ながらに身体の中心に持ってきた。

 それはボロボロに錆びついていたが、たしかに剣だった。

 男が持っていたのは丁度柄の部分で、両手で柄を握っている。右手と左手の間には拳一つ分の隙間があり、座りながらであるが正中に構える様は素人のそれではなかった。

 ……心持ちだけは素人そのものであったが。

 顔をグシャグシャに歪めながら剣を構えている男を大した脅威と思っていないのか、紫の化物が肩を揺らしながら近付いてくる。

「うううぅぅぅぅ!!」

 男に剣の覚えなどあるはずがなく、ただただ出鱈目に振るった。

 ……はずなのに、その剣は化物の腕を斬り裂き、身体を斜めに寸断し、首を身体から飛ばした。

「ふひゃぁぁぁぁ!!」

 男は自分の放った予想外に鋭い斬撃ではなく、化物の身体から勢いよく血が噴き出しゴロリと転がった様を見て悲鳴を上げた。 

 頭がゴロゴロと転がり、まるで男を睨むかのような位置で止まる。

「ひぃぃぃぃ」

 右手に剣を握ったまま、再び四足になって逃げる。少し移動すると、化物が憤怒の形相で追ってくるではないか!

「んなぁ!? はひ、ちょ、ま、んんんぅぅぅぅぅ」

 化物を四つに分割したとは思えない情けない声が上がる。

 当然、慣れない四足歩行で移動する男よりも化物の方が早く、男は化物に追いつかれてしまう。

 ようやく抜けた腰が戻ったのか、男は立ち上がり、再び剣を正中に構えた。

「し、死んでたまるか……! や、やってやる……、やってやるぞ!」

 声は情けないままだった。

「ギッギッ!」

「ひえっ」

 緑の化物が飛び出し、棍棒を振るう。男は頭を抱えるようにして化物の棍棒を逃れようと右前方へ駆ける。避けられたと安堵すると足を止め、剣を右に構え、コマのように回りながら左へ振るう。

 化物は棍棒を右手に男を探すように首を振っていた。

 剣は棍棒ごと化物の腕、胴体を横一文字に斬り裂き、両断する。

 男の動作は恐れもあり、一つ一つ行動に移すまでの時間は遅い。しかし、その剣筋は恐ろしいほど冴えわたっていた。

 最後の赤い化物はこちらをじろりと観察していて、少し距離がある。

 この赤だけは太い棍棒ではなく、細い棒を持っていた。まるで杖にようだなと男がぼんやりと考えていると、化物がその棒の先端を向け、叫ぶ。

「ギギグ、ゲヘ、グゥゲ」

 虚空から小さな火の玉が生み出され、男に向かって飛んでくるではないか。

 なんと恐ろしい事に、この赤い化物は魔法を使うのだ。やはりあの棒は杖で間違いなかったのだな、と混乱する頭で考えながら、男は上段に剣を構え、そのまま振り下ろした。

「(何故避けるのではなく剣を振っているのだ!?)」

 男は自分の行動に対して疑問を覚えながらも、その結果に驚愕する。

 剣は炎の玉の中心を捉え、そのまま二つに斬り、消滅させたのだ。

「ハァ!?」

「ゲゲッ!?」

 男と化物の声が不協和音として重なった。

 化物はクルリと身体を反転させ、逃げようとする。

 このまま逃げてくれればそれでいい。男もそのまま逃げようと思い足を踏み出し……ふと考える。

「(待てよ。魔法を使えるってことは遠距離から攻撃出来るってことで。遠距離から攻撃出来るってことは視界の外から不意打ち出来るってことで。視界の外から不意打ち出来るってことは俺死ぬわけで)」

 一々考えを纏めるのが遅い男である。

 兎にも角にも「俺死ぬってことは逃がしちゃ駄目じゃん!」と思い立ち、赤い化物も仕留めなくてはと振り返る。

 振り返ると視界が赤かった。

「いやいやいやいや、死ぬじゃん!?」

 目の前に広がる炎。つまり、あの化物は逃げると見せかけて油断を誘い、早々と魔法で追い打ちを仕掛けてきたらしい。

 ぬぬぬ、なんと卑怯な!

 流石に剣を振れるようなタイミングではなく、男は倒れるように身体を反らし……というか実際に倒れながら、右手が勝手に剣を振るう。

 これには男も混乱。「いやいや何してくれてんの俺の右腕ぇ!!!」と思いながらも、やはりというか今回も当然というか、炎を斬り消した。

 男は背中から地面に落ち、しかも丁度鋭めの石が背中に刺さり、痛みと共に肺から空気を吐きだした。

「イッ……!!」

 化物は遠距離では男を殺せないと思ったのか、倒れた男に向かって飛びかかってくる。

 魔法は使えるが身体能力は先の二人に劣るらしく、それでも男の目には脅威に映り、必死に転がって避ける。

 先ほどまで男の居た場所に杖の先端が突き刺さり、冷や汗が背中を伝った。背中は冷や汗と土でとっくの昔にグショグショだ。

「んにゃぁぁぁ!」

 起き上がって剣を振るう。相変わらず間の抜けた声ではあるが、その結果はやはり劇的な物で、男にとって抵抗らしい抵抗も見せずに化物が両断される。

「……脅威は去った……?」

 茫然とし、ハッと気付いたように周囲をキョロキョロと見回し、あの化物が居ないか確認。

 周囲はざあざあと木々が葉を揺らす音が響くだけで、「ギギ」とも「ググ」とも「ゲゲ」とも聞こえない。

 ドクドクと心臓が波打ち、むしろこの心音の所為で周囲の音が聞こえなくなっているのではないかとすら思える。

 暫くして化物が居ないと分かったのか、男はどさりと尻もちをつき、背中を倒し、両手両足を思い切り伸ばす。

「い、いきてるぅぅぅぅぅ!! なんで!? 俺、生きてるの!?」

 素人がいきなり化物と遭遇し、生きていられるはずが無い。

 そこまで来て、ようやく男は自分が一体何者であるのかも知らない事に気が付いた。目覚めてから今まで生きるか死ぬかという状況だったのだ、自分の事を整理している暇などなかった。

 もしかして自分は素人ではないのか? 剣の冴えを思い返せば、そう考えるのが自然なはずである。

 だが男は、そこで右手に持った錆びた剣を見た。

「……うわ剣強い」

 あんな無様にほうほうの体で逃げ惑っていたのだ。自分が素人であることは間違いない。であれば、凄いのは自分ではなく武器なのだ。

 どんな斜め上の発想か、男は錆びた剣を見てそう思った。

「剣って凄い……。錆びてるのに、凄い。ぅゎ剣強い、うわ剣凄い。超凄い。やばい。凄い。強い」

 窮地を脱した直後だったからか、それとも元々その程度だったのか、男の語彙力は壊滅的だ。

 そして錆びた剣を抱きしめ、男は感慨深く呟く。

「剣、格好良い」

 当然、錆びた剣が凄いのではない。身体にしみ込んだ動きと魔力操作がこの結果を産んだのだが、もはや誰が指摘しようが男はそうは思わないだろう。

 こうして男は剣と言う物に魅了された。









 さて、さしあたって一つ、問題がある。

 ……一つ? いや一つどころではなく問題がある。

 だがまぁ、色んなことは放り投げて考える一番の問題と言えば……

「ここはどこ? 私はだあれ?」

 ……口に出した言葉の前者である。

 この際記憶喪失なんて些細なことだ。

 化物が居る森なんて怖くてとてもじゃなく居続けることが出来ない。

 逃げよう。だが、何処に?

 何処に行けば抜けられる? 方角も分からなければこの森が何処まで広いのかも分からない。どこに街があるのか知らなければ街に入るために必要な物が何かも分からない。

 男は粗末な物をブラブラとさせながら、とりあえず太陽の方へ歩いてみた。

 ……

 ……

 ……足が痛くなった。結構石が足の裏に刺さるのだ。泣きたい。

 それはさておき、少しずつ森に岩が混じるようになってきた。地面に石も増えてきた。

 このまま進んでも良いのだろうか。分からない。分からないが、今更戻るのも何か違う気がする。なので、このまま進むことにしよう。

 ……

 ……

 ……木が無くなり、完全に岩場となった。……喉が渇いたが、幸いなことに水場を見つけられたので、休憩だ。

 さてさて、水場があるということはこの下流に街があるかもしれない。街とは言わず、村でも良い。とりあえず下流に向けて歩いてみよう。

 ……

 ……

 ……

「きゃぁぁぁぁ!!!」

 叫び声が周囲に木霊した。すわ何事か! 男が警戒の姿勢を取り、声のした方へ視線を向けた。

 そこには一人の女性がいて、こちらを見て、

「へ、変態ぃぃぃぃ!!」

 と叫んでいた。

「……………………」

 男は自分の周囲を見渡したが、生き物らしい生き物は居ない。

「(つまり変態とは俺のことか)」

 男は改めて自分の姿を確認した。

 汗と土でドロドログシャグシャだった姿は川で洗い流したが、結局のところ男の姿は全裸である。

 全裸で、裸足で、何とは言わないがブラブラさせ、そして右手には錆びた剣が握られている。

「……………………」

 男は左手で自分の目を覆い、嘆く。

「さもありなん」

 だがどうしようもないではないか。幸いなのは、言葉が通じないわけではなさそうだということか。

 男は意を決し、女性に語りかけた。

「あの」

 一歩踏み出せば、女性はジリジリと足を後退させ……

「す」

 続く言葉を聞かず、全力で逃げ出した。

「…………でしょうね」

 状況はともかく、女性は逃げ出した。その逃げ出した方向に、他の誰かが居る、あるいは街や村があるのではないか?

 このまま下流を目指すよりは、その方が街へ着く可能性が高いのでは?

 男はそう思い、女性を追って駆けだした。

「ま、まってぇぇ」

「ひ、ひぃぃぃぃぃ!!!」

 全裸の男が錆びた剣を片手に追い掛けてくるのだ。そりゃ怖いだろう。何とは言わないが、ぺちんぺちんと肌となにかが接触する音まで付属して。

 だが男としてはそんなことを気にしていられない。唯一の手がかりだ。足に石が刺さって痛いが、男も譲れないものがある。

 だが女としてもそんなことを気にしていられない。筋肉隆々で全裸の変態が追いかけてきて、しかも徐々に距離を詰められているのだ。このまま追いつかれたら一体何をされるのか分かったものではない。女にも譲れないものがあるのだ。きっとそれは貞操とか、そういった類の。

 不運とは続くもの。女の前に、あの化物が居た。赤いが、牙の首飾りはしていないし持っている武器も杖ではなく棍棒だ。

「ゴブリン!? こんな時に!?」

 なるほど、あの赤いのはゴブリンというらしい。

 余談であるが、この時女の頭の中に思い浮かんだ言葉は、「前方のゴブリン、後方のオーク」という、主に性的関連で絶望的な状況を示す言葉であった。

 だが男にとって、唯一無二の情報源が赤い化物に殺されそうになっているとしか見えず、女を追っていた進路を変更し、ゴブリンへと向かう。

 ゴブリンを強引に一刀のもとに切り捨て、うわやっぱり剣強いと思いつつ、女性の姿を確認する。

「ひっ」

 女はへたりと座りこんでいた。可哀想に、怖かったのだろう。その原因の一端を買っているとは知らず、男は心配そうに女に近寄る。

 男は全力疾走を続け、わりと無茶な動きをしたためか少しばかり息が上がっていた。

 ハァハァと息を荒げ、女性に駆け寄る全裸の男という構図。とても危ない。相当危ない。危険が危ない。

「なぁにしてやがんだクソ野郎がぁぁぁぁぁぁ!!」

 そんな叫び声と同時に側頭部に石のようなものが当たった衝撃があり、「なんだか似たようなことがあったような……」という思いと共に、男の意識は薄れていった。









 目が覚めると、木に縛り付けられていた。

 ついでに下半身にはなにやらマントのようなものが掛けられていた。ありがたい。

「で?」

 そう声をかけてきたのは、鎧姿のおっさんだった。長い髭に丸い鼻。鍛え上げられた身体。身体の前でハンマーを構え、足元にはツルハシが転がっている。ツルハシに並ぶようにして、男の持っていた錆びた剣が無造作に置かれていた。

 彼の後ろには先ほどの女性の姿。

 はて、これはどんな状況だろう? 男は前後の繋がりが分からず、とりあえず思いついた言葉を放つ。

「頭が痛い」

 側頭部がジンジンと痛む。ついでに後頭部もズキズキと痛む。

「で?」

「で?」

 目覚めと同時に「で?」と言われても、一体何が何だか分からない。そんな当然なことも分からないのかこのおっさんは。……分からないんだろうな。でなければこんな状況にはなっていないはず。

 男は自分の認識が相当ずれていることに気付いていない。

「何か言い残すことは?」

「何の話でしょう?」

 話が見えない。

「てめぇが女を襲ったロクデナシって話をしてるんだよ」

「え」

 話が見えない。そんなことした記憶も無い。

「俺が女を襲ったって? どうしてそんなことを?」

「あぁ分かった。せめて懺悔でもすれば命だけは助けてやろうと思ってたんだが、反省の色無しだ。死んで詫びろ」

「え」

 おっさんがハンマーを振り上げる。

 え、もしかしてこれあれってやつかね。第二回死ぬじゃん。

「ちょ、ちょーーっと待って。話を、話を聞かせて。ほんと、あの、全く、よく分かってないんだけど、なにがどうなってこうなってるの?」

 男は顔を情けなく歪めて問うた。すでに半泣きである。

「てめぇが俺の娘を襲ったって話だ」

「誰が、誰の娘を、襲ったって?」

「俺の目の前にいやがる木に縛られたお前が! 俺の娘を! だ!」

 おっさんはわざわざ一つ一つの言葉に指を連動させて示しながら男を非難した。

「いや待って。襲ってないって。むしろゴブリンから助けた側だから」

「全裸の変態が年頃の娘にハァハァ息を荒げてる状況のどこを見て助けたって!? えぇ!?」

「……なるほど、そう言う風に言われると確かにそう見えなくもない」

 客観的に見たら確かに襲う直前にしか見えない。ここにきてようやく男は自らの認識不足を認めた。

「何がそう見えなくもないだ糞野郎が!」

「だけど待ってほしい。俺の話を聞いてほしい。聞いてください。お願いします」

 思わず敬語でそう懇願して、男は今まであったことを正直におっさんに話した。

 目が覚めたら全裸で森の中に倒れていて三匹のゴブリンに襲われ命辛々倒して記憶が無くてとりあえず太陽に向かって歩いて水辺を見つけて下流に向かって歩いて人を見つけて情報を求めて追い掛けてゴブリンを倒して大丈夫か聞こうとしたら気を失って今木に縛られている。

 つまり目が覚めてからの男の行動を要約するとこんな所だ。

「可哀想に、頭がイカレちまってるんだな」

 男の言葉を聞けば、おっさんでなくともそう思うだろう。

「いやちょっと待って。きちんと記憶を無くしちまったんだなって言い直して」

「頭がイッちまってるんだな」

「酷くなってますよねそれ」

 襲われた側の認識としてはそんなものである。

「相手の言葉を素直にはいそうですかって受け取れるかよ。俺は馬鹿だが、それが嘘か本当か、加害者の言葉だけで判断出来るはずねぇ」

「ですよねー」

「と、いうわけで、今からお前に魔法をかける」

「え? 魔法? 火の玉? 死ぬじゃん」

 脅しだろうか。それってつまり拷問にかけるってことだろうか。

「お前に魔法をかけて、お前の頭を占めていることを内容を吐露してもらう」

「?」

 おっさんはそれがどんなことかを詳しく教えてくれた。……それ事前に教えていいのか? とも思ったが、それを口にしたところで関係ない程度の話なのだろう。

 曰く、普段何を考えているのかってのをひたすら単語で呟くようになるらしい。魔法と言うより催眠術みたいだなと男は思った。

 犯罪を犯した直後の奴なら、罪悪感だとか、ざまぁみろとか、そういった単語を。

 たとえば金儲けばかり考えている奴は金金金金。金儲けに悪事を働く場合は、金、金、陥れる、奪う等。そういった単語からある程度の内容を推測出来るらしい。

 普段思っていても実行に移す度胸がなかったり、実行に移す前の場合、実行に移した後の単語と全く異なるため、あくまでも対処療法的な魔法であるらしい。

 何故このおっさんがそんな魔法を使えるのだろう。

「炭鉱を任される棟梁には国から渡される巻物がある。誰かが金銀を隠して懐に入れてねぇか調べるためにな」

「へぇ」

「それじゃあかけるぞ」

「お願いします」

 ……

 ……

 結論から言えば、俺は無罪放免となった。

 あまりにも俺が同じことを繰り返すらしく、疑うのも馬鹿らしくなったらしい。おっさんの娘も一応納得したらしい。

 何を言っていたのか気になっていると、「あまりにも単語が少なすぎて呆れた」と言いつつ、教えてくれた。

 どうやら俺は虚ろな目をしながら、「剣凄い剣強い剣欲しい剣凄い服欲しい剣強い剣剣剣剣剣剣剣化物怖い剣剣剣剣」とばかり呟いていたらしい。

 お前は鍛冶士か? と聞かれたが、記憶が無いので分からなかった。もしそうなら剣作りたい。あぁ、剣作ろう。そうしよう。鍛冶士になろう。そうしよう。

 数日後、炭鉱に行った男たちは沢山の鉱物を引いて街に戻る。男たちが揃って「剣狂い」と称する男を連れて。










「うわこの剣強い。格好良。超綺麗」

 剣狂いが街に入ってから十年が経った。剣狂いと呼ばれた男はその名にふさわしく、剣だけを造る専門鍛冶士となっている。

 他の鍛冶士と違う所と言えば、剣狂いは造った後、毎日剣に向けて褒め言葉を囁く。ただそれがあまりにも不気味なため、客は少ない。

 ただ剣狂いの打った剣を使った人はその剣をとても褒めてくれるし、継続して剣を買うので、剣の質はとてもいいのだと思う。

 剣狂いの行う鍛冶には、幾つか独特のものがある。

 たとえばある剣を打った時は、火を使わなかった。鉄塊をひたすら打ち続け、徐々に形を整えて造った剣があった。なんでそんな馬鹿げたことをしているんだと剣狂いの師は問うた事がある。

 それに剣狂いは答えた。

 あの鉄塊はこうやってこの姿になることを望んでいた、と。

 ……馬鹿馬鹿しい。単にそうやって造れるかどうか試したかっただけではないか。そのために道具を何本使いつぶしたことか。

 馬鹿みたいな製法で造られた馬鹿みたいな重量をもつ馬鹿みたいな大剣は、これまた馬鹿みたいな体格の馬鹿みたいな力自慢に売られた。

 ある時、師は剣狂いに聞いた。その時は剣狂いも嫌々ながらも他の武器を造っている時だった。

「お前さん、剣を打つ時だけは何かが違うな。他にも同じように籠めればよいだろう」

 剣狂いはこの時初めて、自分が何かを籠めているのだと知った。

 長い時を経て、籠めているものが魔力だと分かった時、剣狂いはさらに剣へ傾倒した。

 魔力を籠めて打てば魔力が宿る。

 魔力を籠めて撫でれば魔力が宿る。

 魔力を籠めて囁けば魔力が宿る。

 剣とはそう言う物だ。剣は生きているのだ。生きている剣は強い。生きている剣は凄い。生きている剣は綺麗。

 例の馬鹿みたいな剣を造ってから、一年後。剣狂いは魔力を自在に操れるようになったが、やはりその対象は剣だけだった。

 他にも独特な製法で造りだした剣は無数にある。

 たとえばある剣を造った時は、削りだして剣の形を造った。それはもはや鍛冶士という枠を超えていた。魔力を籠めて磨けばとても良く浸透するのだと言う。

 凄い、凄いと呟きながら剣を磨く姿は誰が見ても不気味で気が狂っているとしか思えなかった。

 たとえばある剣を打った時は、通常の造り方をした。炉で熱し、叩き、返し、冷やし、刃を造った。ただ、その繰り返し回数が尋常ではなかった。

 たとえばある剣を打った時は、全材料に魔力を流し、全行程に魔力を流して造った。それの製造期間は一年にも及んだが、剣狂いが納得する美しい剣が出来上がった。

 たとえばある剣の調整をした時、その客が剣を大事にしていると思えば全力を持って仕上げ、以前よりも数段良い剣となって客に返された。

 逆に剣を大事にしない客が現れた時、お前には二度と剣を売らんと剣だけ回収して追いだした。ある程度の代替品を買える程度には金を押し付けた。回収した剣は大事に大事に魔力を籠められ、店頭に並んだ。

 たとえばある剣を受け取った時、「これは剣ではない」と一笑に付して突き返した。たしかにそれは剣の形をしていたものの、剣狂いの考えている「剣としての性能」を度外視したものであった。ただ儀礼用に美しいだけ。剣として成り立たぬほど脆く、とてもこれを剣だと誇っていいものではなかった。

 剣狂いが街に入ってから十五年程経つと、剣狂いの元に客が殺到しはじめた。

 曰く、ここの剣は魔剣であると噂になったらしい。

 確かに剣に魔力を籠めたが、それだけで魔剣とはどういうことだろうか、と剣狂いは首を傾げた。

「(剣は剣であって、使い手の好みはあろうが、どれも素晴らしいものだろう?)」

 その剣狂いに、壁に立てかけた剣が鈍く光って答えた。

「うん、今日もお前たちは綺麗だぞ。うん、凄く強い」

 魔力の籠ったその言葉に、剣たちは魔力を刀身に映して七色に反射させた。

 ある時、膨大な魔力を籠めて剣を打っていると、剣を炉にかけた瞬間、炉の熱が全て吸い取られた。

「そうか、君はそうなりたいのか」

 剣狂いは「分かる分かる」と頷いて再び刃を鍛え始めた。ただし、炎ではなく、氷水に浸けてから打つのだ。

 そうして造られた剣は透き通った刀身をしており、見る者の背中を凍えさせるような魅力を伴っていた。

 指を刃になぞらせて、いつものように剣狂いは剣に囁く。

「望み通りの姿になれたかな。君はもっと鋭くなれる。もっと美しくなれる。手入れを欠かさずしてあげよう」

 その剣を買った者は北にある極寒の地へと向かい、その剣は周囲の冷気を吸収したという。

 馬鹿みたいな大男が、馬鹿みたいな大剣で南に潜む竜を狩ったと噂が流れた。その剣は竜の尋常ならざる力で放たれたいかなる攻撃を受けても、折れるどころか刀身が欠けもしなかったという。

 その大男のコンビを務めていた男の剣は、竜のどんな剣も溶かすと言われた熱線を斬り裂いたという。

 どちらも剣狂いが「剣好き仲間」として認める程の男だったらしい。

 そういえば昔剣を雑に扱う馬鹿から回収した剣はどうなっただろう。そう考えた時、二刀流の剣士が「西にあるダンジョンを制覇してきたぞ!」と喜ばしげに駆けこんできた。

「剣狂い殿の剣は誠に素晴らしいな! 流石だな! もう最高に美しいな!」

 そう言って取りだした二本の剣。

 一本は昔から二刀流の剣士が大事にしてきたもので、剣狂いが「大事にされていて良かったな」と囁きながら調整したものだった。

 もう一本は噂をすればなんとやら、例の馬鹿から回収した剣で、二本の剣は当時店にあった時よりも美しく輝いていた。

「うわ、流石、大事にしてくれてありがとう。凄いな。この剣」

 剣狂いが嬉しそうに言うと、剣士もまた嬉しそうに笑った。

 剣狂いの打った剣が次々と現状を知らせてくれるなか、とある英雄が魔物の巣に単身乗り込み、その魔物を駆逐したと噂が流れた。英雄が握っていた剣は魔を断つ剣と呼ばれ、その内省略され、魔剣と呼ばれるようになった。

 噂は所詮噂であって、実際その英雄はパーティらしかったが、どうにもその剣を前にすると魔物は動きを止め、その結果剣を持つ英雄が最も活躍。もうこれお前一人でよかったんじゃね? とからかわれていたらしい。

 東西南北から様々な剣の活躍が届いたのは、剣狂いが街に入ってから二十年経った時だった。

 勿論他の様々な武器の噂も流れてきていたが、剣狂いの耳に止まるのはやはり剣の事だけらしい。

 流石の剣狂いも寄る年波には勝てず、徐々に打つ剣の本数が減っていく。しかしその一本一本は相変わらず凄まじく、それでも数年前に比べて品質の劣化が目立ってくるようになっている。

「ごめんなぁ。君たちの力を引き出せてやれなんだ」

 剣狂いはいつものように魔力を籠めながら、店頭に並ぶ剣たちに囁いた。剣たちは気にするなとばかりに魔力を照り返してくる。

「剣狂い殿! 剣狂い殿!」

 バン! と大きな音を立てて、老いてなお精強な老人が入ってきた。

 以前削りだしで造った剣を売った客である。その剣は一切叩いていないためか、しなやかで温かみのある一本に仕上がったことを覚えている。

「なんだい、そんなに慌てて。一体どうしたってんだい?」

「剣狂い殿にどうしても打っていただきたい材料がある!」

 いつもの飄々とした態度はどこへやら、顔に悪戯心を滲ませて老人が迫る。

「あんたがそんなに興奮するなんて珍しい。それで? どこのどんな材料だ?」

「あぁ、それがなんとも不思議な場所でさぁ」

 老人はまるで吟遊詩人に職を変えたのではないかと錯覚するほど、朗々と語りだした。

 とても美しい白銀の地。白と黒に二分された世界。そこに現れたオーロラはまるで世界各地から流れてくるかのように地表と交わり、その美しさに歳を忘れて魅入ってしまったとのこと。

 不思議と剣狂いにはその老人の語る世界が目の前に広がるような感覚に陥っていた。

「そこでオーロラに沿って流れる星々のなんと美しきことか。一歩間違えればそのまま果ててしまいそうであったわ」

 ガッハッハと、わりと冗談として受け取れない言葉を「そうかそうか」と頷いて流す。

 瞼の裏に広がる想像の中の美しい風景。それを夢に見ていると、随分昔から馴染みである後頭部の頭痛がズキンズキンと存在を主張してくる。

「まるでこの世の美しさ全てを揃えたような場所であったが、一ヶ所……いや、二ヶ所だけその場にふさわしくないクレーターがあった」

 そこだけ雪が無く、地表がガラスのように変わり、時が止まっているようだったと老人は語る。

「そのクレーターの一つに、石が埋まっていての。それがどうにも魔力を含んでいるようで。しかも不思議なことに、その魔力が愛剣と妙に酷似しておる」

 老人が懐に手を入れると、再びズキリと頭痛がした。

「これはもう素材が剣狂い殿を求めているのだと、すわ運命かと思い、剣狂い殿の元へ戻ろうと思うと不思議な事が起きたのだ」

「ほうほう、それは?」

「ついさっきのことよ。わしは何故かこの店の前に居て、あぁやはり素材が剣狂い殿を求めていたのだと妙に納得してしまったわ」

 これがその素材ぞ、と老人は懐から石を取りだした。

「……あぁ、あぁ、きっとそれは違うぞ」

「ん? 何が違うと?」

「石が俺を求めたのではない。あんたが俺のもとに行かねばと思ったから、石が答えたのだ」

 剣狂いがそう答えたのを見て、老人は破顔する。

「ぬはは、そうか、そうかもしれんな。だがしかし、石がわしにそう思わせたということは、きっと石もそれを望んでいたのよ」

「く、くはは。……そうか。そうかもしれんな」

 剣狂いは老人と似たような笑みを浮かべ、似たような言葉を返す。

「承ろう。その素材、この俺が最高の一振りに変えてくれる。そしてその折には」

 剣狂いはギョロリと老人の姿を確認する。

「俺と死合おう」

 いつかどこかに置いてきた記憶が剣狂いにそう言わせた。

「カカカ、何を言うかと思えば」

 老人はそれまでの好々爺とした笑みを凄味のある笑みへと変え、答える。

「さてさて、お主は剣狂いか? それとも傲慢か?」

「剣狂いさ。何処まで行っても、俺は剣に狂っているだけさ」

「違いない違いない。あい分かった。だがなんとなく、オンシと斬りあう未来は見えんのう」

 老人はカッカと笑い、店を後にした。

 はて、あの老人の名はなんと言っただろうか。まぁ、どうでも良いことか。

 剣狂いは笑う。

 あぁ、剣は良い。剣は強い。剣は凄い。

「(故に俺は、剣に生き、剣に死ぬのだ)」





 一人の鍛冶士が世を発った。

 その鍛冶士が鍛えた剣はどの剣も美しく、壮絶な物である。

 中には魔剣と言われるものもあったが、その鍛冶士はどの剣にも銘を込めなかった。

 そんな中、唯一銘が刻まれた剣がある。

 鍛冶士・剣狂いの遺体に寄り添うようにあった剣がそれだ。

 死ぬ直前まで剣を愛した男。剣に狂った男。

 一枚の紙を貫き、まるで墓標のように刺さる剣。刀身に映る魔力の輝きはまるでオーロラのように美しく、時折何かが流れるようにも見える。見る者誰もが魅了される、圧倒的な存在感を放つ剣。


 ――星空の剣を、最強に贈る



 この剣を見た者は、誰もがこう呟く。

 うわ、この剣強い

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