7話 舞踏会で出逢った王子様
新キャラクターの登場です!
今日は待ちに待った舞踏会。
私は着慣れないパーティー用のドレスを纏って文句言ってました。
「えースカートがふわふわしすぎて動きづらいんだけど」
「とてもお似合いですよ、リリアナ様」
メイドさんのメイジさんに綺麗に着付けして貰えましたが、とても動きづらいです
色鮮やかな青色のドレスにフリルが無駄に多く、
オシャレな飾りつけもありますが、
足元が見えない程のロングスカートなのでとりあえず歩きにくいです。
これでダンスを踊るんですか、もう仕方ありませんわね。
着付けが終わるとロイスが部屋に入って迎えに来てくれました。
『リリアナ、着替え終わったらなら行くぞ。時間が押してるからな』
『え? う、うん』
えー女の子がこんなに綺麗なドレスを着ているのに何もいう事なし?そう思っていましたが、ロイスがふいに「そのドレス、似合ってるぞ」
といきなり言ってきたので気恥ずかしくなりました。
もーロイスったらいつも急に言うもんだから心の準備が出来ません。
ロイスと一緒に車に乗り、ベテランの運転手とともに舞踏会の式場まで行きました。
式場でのご馳走はすごく楽しみなのですが、
ダンスが完璧じゃないのでちょっとだけ嫌でした。
不満な顔をしているとロイスに声を掛けられました。
「どうしたんだ、リリアナ」
「うーん、たいしたことじゃないんだけどね。
ダンスが上手くできるか不安なのよね」
そういうとルイスが「ダンスは上手い下手関係なく楽しく踊ればいいんだ」
と言われたので少しだけ安心しました。
「うん、そうするわ」
ロイスと雑談をしながら30分ほど車に乗っているとようやく式場につきました。
車から降りた私は体を伸ばしました。
「うーーん・・・やっと着いたわね」
「リリアナ、他の人が見てるかもしれないから身体を伸ばすのも程ほどにな」
「はーい」
注意されてしまいました。それにしても、ここが式場なのね・・・。
建物の構造は結婚式場に似ていて、
いかにもダンスパーティーが行われそうな感じがしますね。
今日は他の殿下や令嬢もたくさん来るみたいなので、気を引き締めてロイスと一緒に行きました。
建物の中に入ると、高級ホテルに来た気分になりました。
高級感あふれる廊下を渡りメイン会場まで行って中に入るとそれに驚きました。
広くて会場にはいかにも貴族の方で沢山いて、
皆さん高そうなタキシードやドレスを着ていました。
こうやって改めて思うと、本当に令嬢になったんだなぁと思いますね。
この時間帯ではダンスはやらないので会場には沢山のテーブルが並び、
料理が置かれているので立食パーティー中です。
見た感じではやっぱり結婚式と雰囲気が似てますかね?
美味しそうなのが沢山あります。
早く食べてみたかった私はロイスを急かすように食事に誘いました。
「ねえ、ロイス! 一緒に回ろう!」
「すまない、リリアナ。俺はちょっと挨拶で回らないとダメなんだ。先ずは一人で楽しんでくれ」
「えー・・・仕方が無いですわね」
不貞腐りました。仕方がなく1人で楽しむことにしました。
初めは美味しそうなチキンダックやステーキ、
高級なサラダや果物をプレートに盛って食べましたが、なんだか退屈でした。
美味しいけど一人で食べるのは味気ないなー・・・
退屈に思っていると誰かに声をかけれました。
「リリアナ姫ではありませんか、お久しぶりです」
丁寧に対応してくれた方を見ると、どこかで見たことがある超絶イケメンの男性でした。
茶髪の髪をおしゃれに整え、背丈が高く男らしい顔立ちをしています。
えーと頭をフル回転させて考えていると思い出しました
そうです乙女ゲームのパッケージにいたザード様です。
私のことを知っている対応でしたので、私も親しく対応しました。
「ザード様、お久しぶりです」
「ああ。元気そうで何よりだ」
うん、対応は間違っていませんでした。
挨拶を交わすとザード様が私に話しかけ、
「ロイスのやつはどこにいったんだ?」と探す素振りをしていました。
「えと、ロイスは挨拶にまわっているわ」
色々と忙しいみたいと説明すると、ザード様が「相変わらず真面目だな」と笑っていました。
ロイスとも親しそうですね。
ワイングラスをトレイで運んでいるスタッフさんを見つけたザード様は、
ノンアルコールかを確認してから2つのワイングラスを手に取り、私に分けてくれました。
「まぁ、ロイスはいないがとりあえず乾杯するか」
「はいそうですね。乾杯」
優しくワイングラスをつけて音を鳴らし、乾杯してから白ワインを一口飲みました。
うん、美味しいけどノンアルコールのワインってただのジュースだよね?
未成年なのでアルコールが入ると飲めませんが・・・ワイン要素がありません。
あ、せっかくザード様が話しかけてくれたので、私も何かお話をしないと・・・
そう思った私は気になる事があるので話しかけました。
「あの、ザード様」
「なんだい?」
「先ほどロイスのことをあいつと言って親しい感じですが、どんなご関係なんですか?」
そう尋ねるとザード様が不敵に微笑んでました。
「あーロイスとは恋人の関係だ」
「え?」
ザード様とロイスって恋人関係なの!? ボーイズラブじゃない!!
テンションが上がっていると、いつの間にかロイスが来ていてザード様の頭を叩いていました。
「おい、ザード! リリアナに変なことを吹き込むな!!」
「いた! お前いつの間にきたんだ」
「さっきな。輪の中に入ろうとしたらお前が変なことを言っていたから、つい突っ込んでしまったよ」
ロイスがため息を付いて呆れていました。
やっぱり、冗談が言えるほど親しい仲みたいですね
私が2人の会話を聞いて笑っていると、又もや誰かに声を掛けられました。