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トラップハンター  作者: 長井 コレチカ
3/22

怪物ダウン

不定期になりそうですが、頑張らないといけませんよね……

基本的に1週間に1本を目指しています。


--------------------

怪物を倒さなくては帰れない……。その怪物、いったいどんな生き物なのだろうのか……!

海くん気を付けて!



「ス……スート?ダウン???」

俺は何のことだかさっぱり分からなくなっていた。


「そう、私たちサーリ王国を狙う怪物!」

シーアが笑顔でしゃべる。


 (怪物が国を狙う?そんなことがあるのか?だいたい、怪物ってなんだよ)

 俺はそんなもの見たことがない。だから、本当に実在するのかどうか今でも疑心暗鬼(ぎしんあんき)である。


「まあ、そこまで疑うのなら、実際に見た方が早いですね」

マアカが笑顔でしゃべる。


「では、そのスートとやらを見ようじゃないか!」

トムが言う。

「残念ですが、本日はスートは来られません」

「「えぇ!?」」

「本日お()しになる怪物は、ダウンです」

「どっちでもいい、早くそのダウーとやらを見せてくれ」

「ダウンです」

「あ……ああ」


「さあ、みんなこっちだよ!」

シーアが張り切って、公園の奥のほうへ進んだ。

4人はシーアについていく。

俺は子供たちにまじまじと見られたため、少し恥ずかしくなった。





------------------------------------





 森か林か、

 どっちでもいい。

 木で囲まれた、場所。


 公園の奥にあった階段を下ると、そこには小規模な(がけ)となっており、崖の下あたりから道ができている。

 その道は、森へとつながっているように見える。

 (この森から怪物が出てくるというのか!?)


 崖の下に頑張れば飛び降りることができそうだが、やめておく。

「えっと~……どこっすかここ?」俺はシーアに聞いてみた。

「どこって、怪物出現スポットだよ」

「はい?」

「この森から怪物たちがやってくるの。そしてこの崖を通って王国に侵入(しんにゅう)しようとするわけ」

「ははあ……」

「バカな怪物がこの崖の壁面にぶつかって穴をあけてしまうの!ほら、ここ!洞窟(どうくつ)みたいになっているでしょ!」

 シーアが崖の下を指でさした。そこには確かに洞窟らしきものがあった。

「この穴がたくさんの怪物が何度も突進してできた穴なの。お姉ちゃんが言ってた」

(シーアに姉がいるんだ~。)とどうでもいいことを思いつつ、俺はうなずいた。


マアカが作ったパネルをトムが見ていた。

それを不思議そうにマアカとかえでちゃんが見ていた。

「なあ」トムの口が開いた。

「さっきから気になっているのだが、この文字、なんで「漢字」と「カタカナ」で書いているんだ?」

「えっ?」マアカは目を丸くした。そんなに素っ頓狂なことをトムさんがいったわけではないのに。

俺も確認してみると、確かにそうだった。

そういえばさっき住宅街を通った時もそんな風だった。

「マツモトビル」「スーパー安藤」「ゴ飯ガオイシイ!」「ゴ案内」「ゴ自由ニドウゾ。」

しかし、読めるためか、(いぶか)しく思わなかった。

パネルには「サーリ王国ノ護衛隊ニ対スル評価」、「オ問イ合ワセハ……」

……明らかに変であると感じてもおかしくはない。

「そのパネルになにか間違えでも?」

「いや、そうではなく、なぜ『ひらがな』を使わないのかということだ」

「ひ……ひらがな?」

「え!?ひらがな分からないの!?」俺はびっくりしていた。

「すみません……。勉強不足で……。」

「ひらがな!こういうの!知らない!?」

俺は地面に「あ」と書いた。

「「…………」」

シーアとマアカは首をかしげていた。

「「「え~~~!!!」」」

さすがに、かえでちゃんすら声をあげてしまうほどであった。


「あと~、この第9位の第2部隊っていうのは……」トムが再び質問をする。

第9位、つまり最下位。

自分たち第7部隊よりも低い。

「はは、それはね~え、王国に背いたからだって言われてるんだよ~」

シーアが高らかに声を張り上げて言う。すこしうざく感じた。

「でも、実際は今第1位の第1部隊が仕掛(しか)けたとも、噂されているんだけどね~」


「第1部隊」という言葉にすごく強そうなイメージがした。


「まあ、第1部隊は1000人を超す企業みたいなもんだから。ほとんど上位にいる部隊はそのくらいの人数だね」


(……えっ)


「えっ、それじゃあ俺たち、なおさら2位以上になる可能性が少なくなったじゃん!」

「あ、でも3人で第2位になった部隊もあるよ。ひとりひとりが強いんだね」

「おい、俺たちそんなに強いか!?」(トムさんを除いて)

「これからだよ。これから成長するんだよ」

(な~に言ってんだか)(あき)れた俺。心の片隅(かたすみ)で、(あせ)りを感じた。


「さあ、来ますわよ」

マアカが森へと続く道を指す。

すると、ウ~ンウ~ンウ~ンウ~ンとサイレンが鳴った。

「来た来たぁ!」シーアが叫ぶ。


確かに何か来てるような気がした。

(あれが怪物ダウー……ん?ダン?…………名前忘れた。まあいいっか)

「あれがそうか……」トムが言う。

トムは冷静な態度だった。


ドカドカと音が鳴る。

 

怖くなったのか、かえでちゃんはマアカのそばに寄る。

「大丈夫ですよ、かえでちゃん。ここは崖になっていてここまで登れません。たぶんですが、ダウンたちはここに道があるから、通ろうとするのです」

マアカが説明する。

(なんか名言みたい。と、すると、あの怪物たちは知能が低いのだな)


 よく見たら、怪物は某有名恐竜映画や博覧会で見たことがある「ラプトル」にとても似ている。

「ラプトルじゃん」思わず言葉が出てしまった。

「で、この怪物を今からどうやって倒すのだ?」トムさんが尋ねる。やっぱり冷静だった。


「え!?見るだけだけど」

「「は?」」俺も一緒に言う。

「武器は!?何か攻撃するもの!」

「そんなもんないよ」

「なんでだよ!」

「だってお金ないもん」

「は~!?」

「部隊の維持費は国からもらえるのです」マアカが俺たちの話し合いに割り込む。

「じゃあそのお金を使って……」

「それが、さきほど申したとおり、できないのです。私たち第7部隊はワースト2位です。宿泊代と食事代だけで精一杯なのです」

「あんたたちが増えたせいで宿泊代はパーよ!」

「じゃあ呼ぶなよ!」

「だって、こうでもしないと評価上がらないんだもん」

「じゃあ俺らじゃなくてもよかっただろ!近所や町中で呼びかけを行うとか」

「それは……、少しやったもん……。でも……、だめだったの……。だから……グスン……」

よく見たらシーアは涙を浮かべていた。

俺は少し引いた。そして、自分はどうすればいいのか分からなくなってしまった。

「海さんっ!シーアさんをいじめないでくださいっ!」

「……いや、……あの、わざとじゃないんだってば……」


素直に謝ればいいのだが、それができない。シーアから引くことで精一杯だった。

できない自分が少し(なさ)けなく思えた。


シーアは手で涙を拭う。涙が止まらないのだ。


「おい、お前ら!けんかしている場合じゃないぞ!今はあのダウンたちをどうするかが大事だろ!」

トムが悪い空気を切った。(ありがとう!トムさんっ!)


ラプトル……じゃなかった、ダウンはもうすぐそこまで来ていた。

「大丈夫ですよ。ここは壁になっていますから」マアカが周りを落ち着かせる。

「とりあえず、ここまできたら、そこらへんに落ちている石を当てよう」トムさんが提案(ていあん)をする。

みんなはうなずき、怪物が来るのを緊張して待った。




------------------------------------


「今!」

気を取り直したシーアの掛け声とともに、一斉に石を投げつけた。

(といっても男2人だが……)


俺は手ごろな大きさの石を投げた。それでも大変だった。

トムさんは大きな石を見つけて上から落とした。

(さすがトムさん!力持ち!)


それでもあまり効果はないようだった。

せいぜい、トムさんが投げた石に当たった瞬間

「キエェェェー!!!」

みたいな鳴き声をしたぐらいだ。


さすがに、疲れてきた。

怪物たちは崖の下で(たわむ)れている。3~4匹くらいだ。


そのとき、


「あ」


かえでちゃんが上空に向かって指をさした。


そこには、プテラノドンらしきものがいた。

マアカの顔色が変わった。

「え、おかしいです……。確か今日はダウンだけだと……」

「そういえば、サイレン3回じゃなく4回だったよ」

シーアがマアカに呼びかける。

「『危険度』が変わったのかしら……」

2人でおしゃべりが始まった。


「おい、どうするんだよ!これじゃあ崖の意味がないじゃん!余裕(よゆう)で侵入されてしまうよ!」

「でも私たちは武器なんかないじゃん!」

「じゃあどうすればいいんだよ!」

「何もできないよ!」

「何だよそれ!」

「何よ!」


俺たちのけんかにトムさんは呆れたらしい。

俺たちは何もすることができない。

こんなに高いところじゃ、石を当ててみようが当たらない。

俺たちは、評価をあげることもできないのだろうか。

みんなしょげているそのとき、


弓矢(ゆみや)(かま)え!」


たくましい女性の声がした。


(はな)て!!!」


その瞬間、

後ろの方から太陽の光を反射しながら矢が飛んできた。


そして、5本くらい空飛ぶ怪物に突き刺さった。


その怪物は落ちてきた。


何も鳴き声をあげずに……。


「ス……スートを一瞬で倒したの?」

マアカが口をぽっかり開けて、漏らすように喋った。


みんなも同様(どうよう)、口を開けたまま見ているだけであった。




女の子とけんかするのは厄介なことです。

女の子は相手から謝らない限り、許してくれないことが多いです……。

さっさと「ごめんなさい。」の言葉がでるのならいいのですが……。なかなかできませんよね。

悔しいですよね。

女の子に気を使ってほしくないので(男のプライドか?)けんかだけは避けましょう。


女の子に気軽に話せる人ってすごいと思います。


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