図書館です!
「あれから二日は立ったけど……結局、台風は来なかったねー」
「そうですねー。二日とも、全くの快晴でしたからね」
「不思議な子よね、スーシャって。学年は一緒なのかな?」
「はい、同じ一年でクラスが違います」
私達は今、校内で一番広い面積を誇るこの図書室へきている。一番広い面積と言う事もあって、本棚の数も高さも凄く、身長が圧倒的に足りない私は仕方なくこの脚立を利用せざるを得なくなっている。しかも、此処は図書室と言うより図書館に近い。一棟まるまる本で埋め尽くされているのだ。広すぎる。
「良くそんな子と知り合えたよね」
「シエスカさんも、もう少し他のクラスの子と親しみましょうよ」
「んー、また今度ね」
「そう言って早一月。今だって友達らしい友達は私ぐらいじゃあないですか」
「気にしない、気にしない」
そして、一番高い棚からある一冊の本を取り出した。此処はすごい。面積もさることながら品揃えも非常に豊富だ。前世の図書館とは比べ物にならない。
「よっと……取れた、取れた」
「そう言えば何を探しているんですか?」
「んー、もしかしたら……と思ってね。ビンゴだったわ」
私が探していたのは兵器について取り扱っている書物だ。この世界は主に帆船なんかが主力とされているらしいが、私が召喚するのは鉄の塊。戦車や戦闘機を取り扱っている物があれば良いのだけど、この世界はまだそこまで技術が追いついておらず、魔法に関する書物が9割占めている。
「兵器……ですか」
「そうよ。少し気になったの」
「シエスカさん、もしかして大砲と呼ばれる物に興味があるのですか?」
「い、いえ……ちょっと気になっただけよ」
図書室……もとい、図書館のほぼ中央に存在するこの空間は半ば休憩室のような場所で、長机や少し高級感のある大きめのソファーや椅子が完備されている。そして、案の定広い。席は軽く100席は越えているだろう。先が見えない。ある意味、落ち着きのない空間だ。
「凄いです、まるでシエスカさんが召喚しそうな物ばかりが載っています!」
「そりゃあ架空戦記と言うジャンルだからね。載ってないはずがないわ」
だが、意外にもこの手の本は幾つかあって、スタッフに尋ねたところ、その辺に落ちていた物。もしくは空から降ってきた物が大半らしい。もしかしたら私の居た地球から忘れ去られていった本達が意識を持ってこの世界にやって来たのかも知れない。本だって転生するのだ。
「地球、と言う所は空飛ぶ物体や海に浮かぶお城があるんですね! 凄いです!」
恐らく、戦闘機やヘリ、戦艦などの事を指しているのだろう。この子達から見れば、それらはきっとドラゴンのような恐ろしい物に見えているのかも知れない。
「ところで、シエスカさん!」
「ん? 何かしら?」
「この項目にある、氷山空母と言うのは何ですか?」
「ファッ!?」




