電話越しの作戦立案
「大和って……あの?」
『それ意外に何が居るんだ』
電話越しに私は山本長官の案を聞いた。山本長官曰く、戦艦大和とZ部隊の戦艦、プリンス・オブ・ウェールズ及び巡洋戦艦レパルスは殆ど速力が変わらないのだとか。
「それでご自慢の砲撃戦に持ち込める……と?」
『あぁ、そうだ』
史実どおりならば、この二隻の戦艦はマレー沖海戦と言う戦いで日本海軍の航空隊によって沈められている。だが今回は航空機ではなく、あえて戦艦同士の撃ち合いに持ち込もうと言うのだ。
『それに大和の主砲は英国戦艦よりも射程が長い。勿論、大和単身ではなく護衛もつける』
なら確率は郡と上がるはずだ。
今回の作戦は必然的にアウトレンジ戦法が用いられ、それは同時に大和の大きな強みでもある。
『Z部隊は此方に向けて舵を取っているんだろ? なら近くの秘密基地で待機している大和を向かわせようじゃあないか』
何時の間にそんな基地を用意していたんだと言うツッコミは避け、私は承諾した。
今思えば私も艦艇同士の戦闘は見た事がない。
近代に入ると次第にミサイルが主流となり、砲台はもっぱら空の目標に向けて使用された。これは良いデーターが手に入るかも知れない。
そして、異世界なら戦艦同士の戦闘が可能になるのではないだろうか。
「長官! ただいま、先ノ島秘密基地より大和を含めた第二艦隊が出撃いたしましたッ!」
「念のため学園の近くにある浜辺で待機していた重巡鳥海も向かわせました」
「分かった」
日も沈んだ午後20時23分、私も知らない秘密基地から学園に向けて進撃するZ部隊を撃滅するために戦艦大和と第二艦隊に合流した重巡鳥海が加わり、一路Z部隊を目指して南進する。
出撃したのは大和を含めた戦艦三隻、臨時編成の鳥海を含めた重巡3、そして護衛の駆逐5で何れも今回のためだけに編成された特務艦隊である。
対する英国のZ部隊は最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズを筆頭に巡洋戦艦レパルスの二隻。護衛に駆逐艦が四隻ついている。
また、余談ではあるが四隻の駆逐艦の中にオーストラリア海軍の駆逐艦ヴァンパイヤも含まれていたりする。
接触は私も床に着く深夜2時33分とされた。
海戦の様子を是非とも見たい所だが、運悪く明日は魔法の実技試験が待っているため私は渋々、部屋の明かりを消して眠りに着いた。
そして時計の針は接触予定時刻である2時33分を指す。




