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始動

『こちらグレイ・アイ、武装集団は現在、四つの方面に分かれて行動中との事』


 グレイ・アイのオペレーターから無線で連絡が入った。ミナミさんの索敵魔法によれば武装集団は校門、食堂付近、校長室、そして体育館の中だ。しかし……。


「校長室……?」


 一つだけ引っかかる場所があった。何故、態々校長室に武装集団が赴くのか。そもそも、何故武装集団とか言うテロリストが校長室の場所を知っているのか。たまたま突入した部屋が校長室だったのだろうか?


「ねぇ、そこのロングちゃん」

「へっ!? わ、私の事ですか!?」


 控えめな女の子はたった今、ロングちゃんと言う名前に決定した。彼女には現在各無人機の誘導及び操作を任せている。勿論、魔法で。


「5機のうち、2機を校門、食堂付近に向かわせて。他は現場待機で」

「は……はい、分かりました。近くに居る物体に向かわせて見ます」

「勿論、発見次第攻撃開始。先生達の助太刀に行くわよ」

「分かりました」


 同時刻、学園の近くで待機していた5機のうち2機がロングちゃんの繊細な操作によって武装集団に突っ込んだ。当初、先生方の攻撃を受けたプレイヤー3は攻撃してきた方を敵と思い先生達に向かって搭載していたミサイルを1発、ぶちかました。


「な、何だ!? あの速いやつは!?」


 音速で飛翔するミサイルは超至近距離だったため、一瞬で床に着弾した。食堂前の廊下はボロボロになり埃も沢山舞った。その埃は風向きが敵方に吹いていたため、何人かは咳き込んでいる。顔面マスクなどこの世界には無い代物だ。だけど、せめてマスクぐらいはあっても良いと私は思う。


「シエスカさん! 物体が先生方に発砲したんだけど……どうしましょう?」

「とりあえず敵意はない事を示してから武装集団にミサイルをぶちこんで」

「敵意を示さないって……どうやって……」

「バンクだよ」

「……バンク?」


 バンクとは機体を左右に揺らす事で自分は味方である事を示す一種の合図だ。専門用語ではローリングと言うらしい。


「とりあえず左右に機体を揺らしてみて」

「左右に?」


 ロングちゃんの操作によってプレイヤー3はド派手に揺れ今にも墜落しそうな感じだった。いや、墜落するよね、この揺れ方。


「あっ、間違えた」

「……えっ?」


 ロングちゃんの魔法は意外と扱いづらいらしくプレイヤー3は大きく右に旋回し、武装集団に突っ込んだ。


「く、来るな! 来るなーーー!」


 しょぼい攻撃魔法を幾度も繰り出した。数発命中し、翼に火がついたが進路は変わらず、速度は寧ろ向上した。


「うわぁぁぁぁぁぁ!」


 火達磨になったプレイヤー3は勢い良く武装集団に突っ込み、相手に多少の損害を与えた。露出していたミサイルはたちまち誘爆し、近くに居た武装集団の一人は3mほど吹き飛んだ。


「ま、まぁ……いっか。一応もう一機予備あるし……」

「よぉし! 今だ! 突っ込め!」

「うぉぉぉぉぉ!」


 プレイヤー3が突っ込んだ後、先生達は水魔法を上手く使いながら攻勢に転じた。同時刻、校門付近の武装集団にも打撃を与えた。その後、先生達は体育館前へ集結し突入体勢を取った。前の先生達は大きな切り株を数人係で持ち、今、ドアへ向かって走りだした。

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