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夏休みと言えば

 夏休みも終わりかけた今日この頃。そう言えばまだ、私にはある課題が残っている。アメリカ海軍よりも恐ろしい物。それは……宿題だ。そう、夏休みの宿題だ。


「今日は25日かぁ……後6日……ね」


 カレンダーを前にした私は一先ず気合を入れた。が、ただ気合を入れただけである。気がつけばベットと言う名の楽園にただ転がっている状態。机の上には手すら付けられていない主題が山のようにある。


「あー。ベットが暖かいんじゃー……」


 事実ではあるが、そろそろ現実に目を向けた方が良いような気もする。だが、もう昼が来た。宿題より食事だ。っと言うわけで今、私は食堂に来ている。食券を買い美味しく頂いてまた……ベットに戻った。重症である。


 気がついたら寝てしまった。夜の8時ぐらいだろうか。窓から見える景色はもう真っ暗だ。また、一日が終わってしまう。危機感を覚えながらも夜食を忘れない。夜食は勿論、シャールと一緒に頂く。丁度その時、シャールからこんな話題が持ち上がった。


「そう言えば皆さんはもう宿題を終わらせましたか?」

「そっか、もう夏休みも終盤ね」


 皆さんっと言うのは私を含めた4人。この間、海へ旅行に出かけたときの面子だ。話題を振るっと言う事は既にシャールは終わらせていると言う事なのだろうか。緊張が走る。


「私は随分と前に終わったわよ」

「だろうと思ってた。私はつい最近終わったかな……?」

「な、何故疑問系?」


 ステラさんは既に終わらし、ハンスさんも最近ようやく終えたばかりらしい。つまり今は二人ともフリー。ステラさんの場合は夏休みに突入した瞬間から5枚ほど終わらせるっと言った寸法だろう。で、シャールは?


「やっぱりこの次期になると大体の方は終わらせてるんですねー」

「じゃあ、シャールはまだ残っているの!?」


 無駄に目を光らす私。


「いえ、昨日ようやく終わりました」

「グハッ……ッ!」


 そして希望は綺麗に消え去った。まさか、この学園で宿題を残しているのは私ただ一人なのだろうか。シエスカに絶望感が新たに仲間になった!


「大丈夫ですか!? シエスカさん!」

「だいじゅうぶ……」

「大丈夫じゃあないみたいね」


 明日は絶対に手を付けよう。さすがに全くやっていないと言うのは問題なのでせめて3分の2は終わらせたい。だが後6日だ。さらに明日を加えれば後5日だ。


「もしかしてシエスカさん、宿題、終わっていないんですか?」


 ……君のような勘の良いお譲ちゃんは嫌いだよ。……っと言うのはジョークとして、冗談抜きで今のは心に来た。グサッ! っと言うレベルではない。グギッ! っと何かが折れたレベルの衝撃だ。今までシャールとずっと過ごしてきてシャールが机に向かって宿題をしているところなんて実は一回も目にしていなかったりする。何故だ。


「仕方ないわねー、シエスカ? じゃあお姉さんが優しく教えて上げようかー」


 確かに年齢的にはお姉さんだが、言い方が非常にうざかった。まるで勝ち誇ったかのように何かしらのポーズを決めて言う。でもステラさん。一応、学年は一緒だからね? 私、九歳だけど同じ高校一年だからね?


「おっ? どうしたの? そろいも揃って」

「あら、あなたは確か……」

「あっ、タカラ・トミーさん。こんばんわ」

「うん、「け」が抜けてるね、それと「から」はいらないよ」


 名前には突っ込まないのか。


「そんな事より、どうしたの? 何か相談事?」

「そうなのよ、奥さん。実はね、うちのシエスカちゃんったら」


 おい、そこ。何時私がステラの子供になった。


「宿題がまだ終わっていないんですって」

「本当かい。いやはや、実はボクもまだ宿題が終わっていないんだよ」


 なっ、なんだってー!?


「あら、本当ですの?」

「うん、まだ「自由研究」の方が片付いていなくて、お題は「海はどうやって出来たのか」って言う感じなんだけどこれがまた難しくてね」


 何故そっちに向かった。そして自由研究って小学生か。


「そうだ、シエスカ。まだ宿題が終わっていないんなら……」

「結構です」


 そもそも哲学なんて分からないし。


「ではシエスカさん! 今から部屋に戻って一緒に宿題を終わらせましょう! 応援しますよ!」

「ならついでに手伝ってくれないかな」

「どのぐらいの量ですか?」

「ほぼ全部」

「結構です」


 このくだりは五秒で打ち切られた。悲しい。


「あっ、悠馬君、夏休みの宿題少し手伝ってくれないか?」

「具体的に何をすれば良い?」

「自由研究さ、タイトルはズバり! 「海はどうやって出来たのか」だ!」

「丁重にお断りさせて頂きます」

「あっ、ちょ! 悠馬君!?」


 彼が出した答えは即答であった。


「さぁ、さぁ! シエスカさん! あんな哀れな男はほっといて早速部屋に戻って宿題を始めますよ!」

「あっ! 早鷹君。君とボクの仲じゃあないか。さぁ、手伝っ……ッ!」

「悪りぃ、用事思い出したわ」

「早鷹ァーーー!」


 確かに竹富さんは哀れな男であった。……合唱。

 皆さんも夏休みの宿題、最後の日までほったらかしていませんでしたか?

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