表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/193

近道

 凄い名前のモーニングを食べた後。

 私は学園へ向けて帰路に着いた。

 モーニングの感想?

 そうね。

 とりあえず、モーニングと言う名前が着いたランチかしら。


 パンケーキで繊細に作られたワイバーンの羽。

 爪はあれ……多分、砂糖の塊とかじゃあないかしら。

 結構甘かった。

 最初はステーキか何かと勘違いしたほどの大きさよ。

 大食いの人は是非、チャレンジしてみてはいかが?


「誰も居ないわよね?」


 そこそこの距離を歩いた私はタクシーを召喚した。

 人気のない獣道。

 そこからタクシーで学園に向かう。

 ナビによると、これが一番の近道らしい。

 でも、この道、かなり狭くない?


 おまけにアスファルトじゃあなくて土だし。

 道中に堂々と雑草が伸びきっているし。

 決め手はこの薄暗さ。

 ナビさん、信用して大丈夫なんですよね!?

 今、朝方なのにこの薄暗さよ!


「この先、右方向、およそ100メートル先です」


 音声は何時も通りね。

 とっ、言うよりこのナビ。

 何時、異世界のマップに対応できたのかしら。

 私、アップグレードした覚えがないんだけど。

 あれかな。

 きっと、召喚したときにマップが異世界版にグレードアップしたのかな。


 うん、そうに違いない。

 そうじゃあないと説明できない。


「この先、およそ30メートルにコブリンが3体います」


 ……ん?

 ねぇ、ナビ。

 今、何て言ったのかな。

 この先にコブリンが道を検問している?

 へー、コブリンにそんな知能があっただなんて知らなかったなー。


 勿論、コブリンごとき、相手にせず右折なり左折なりしてしっかりとスルー。


「この先、およそ25メートル先、コブリンが5体います」


 いやいやいや!

 そこ、左折できないの!?

 ねぇ!?

 ……あぁ、左折すると斜面になって登れないと。

 ……じゃあ、この先に居るコブリン、どうするのよ。


「この先、コブリンが5体います。「衝撃」に備えてください」


 ちょっ!? ちょっと、ナビさん!

 衝撃に備えてくださいてっ、どう言う事ですか!?

 あ、あぁ! 目の前にコブリンがぁ!

 しかも、3体から2体……2匹? 増えているし!

 がっちりと道を塞いでいるし!

 ちょっと、コブリン、避けてー!


 キーーーー、グシャ!


「障害物を排除しました。この道、1キロ先、右折です」


 名前【タクシー】 分類【自動車】 LV:355

 HP:4.873 MP:1.200

 防御力:4.444

 攻撃力:5.665


 何、この表示。

 ナビの地図の隣に、こんな掲示板が出たんだけど。

 何よ、LV:355てっさ。

 普通にモンスターとかのレベルだよね、それ。

 タクシーなのに、そんなに攻撃力があるの?


 それより、運転席の窓ガラス。

 大変な事になっていますよ。

 どこぞのゲームのように窓が真っ赤ですよ。

 この赤い液体、完全にコブリンの血ですよね?

 ナビさん、急に黙らないで下さい。


 急に黙るとかなり怖いんですけど。


「この先、500メートル先、スライムが一匹います」

「衝撃に備えて下さい」


 だから! そこ! ナビ! ひき逃げしないの!

 それ、日本でやったら完全に犯罪だよ!

 あっ、コブリンとかスライムは法に反しないのか。

 なるほど、納得、納得。

 モンスター相手なら幾ら殺しても犯罪にはならないのね!


 ……てっ、安心できるかー!

 ほらほら! あのブヨブヨ、ネバネバした青い物体が見えてきたよ!

 あれ、完全にスライムだよね!

 某RPGゲームに出てくるスライムだよね!

 残念! メタルスライムではないようだ!


 ベチャッ!


「あのー、ナビさん? 今、タイヤに何か潰したような音が……」

「この先、2キロで左折します」


 怒っている!?

 あの、感情のないはずのナビさんが怒っている!?

 日本の技術はこんなにも進化したのね。

 で、何で怒っているの?

 私、何か問いとめすぎたかしら。


 ……今頃、タイヤにはスライムの粘り気がベタッとついているんだよね。

 ……考えただけで軽くゾッとしてきた。


 はぁ、本当に此処は近道なのかしら。

 コブリンには出くわすし、スライムも前を塞ぐし。

 道も完全に整備されていないしで。


「この先、20メートル前方、急斜面があります。ご注意下さい」


 はいはい、コブリンとスライムの次は急斜面ですか。

 もう慣れっこですよ。

 ……は? 急斜面?

 角度はどれぐらいよ?


「急斜面に入ります、酔いに注意して下さい」


 痛ッ!?

 ちょ、ちょっと! 何、この車内の揺れ!

 これ、ゲームじゃあないんだよ!

 死んだらそこで終りなんだよ!? ねぇ! ナビさん!


「ご注意下さい」


 ひっ!? 今、危なかった。

 真横にタクシーぐらいの巨石が転がっていたんだけど。

 とっ言うより、此処、本当に道なの!?

 道にしては木の根っことかゴロゴロした岩が多すぎやしない!?


「この先、40メートル先、右折です、怪我に注意して下さい」


 今度は怪我ですか!?

 てっ、うわぁ! ちょ、ナビさん!

 急カーブしすぎ! スライディングしないで!

 この車、タクシーなのよ!

 あぁ! タイヤの方から何かが飛び出る音が!


 火花だ!

 タイヤから飛んでもない量の火花が出ているよ!

 ナビ、ストップ!

 終り! ギブッ! ギブアップです!


「この先、10メートル先を右折します」


 もうやめてぇぇぇぇぇぇ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ