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まずは

「この戦は純粋に戦えば必ず負ける」


 ……は?

 この連合艦隊司令長官は何を言ってるんだ?

 と言う心境が今の私にある。

 第一、あんなに装備が遅れている国にだよ?


 ジェット戦闘機や。

 走りながら撃てる最新鋭戦車とか。

 強力な武装を載せた戦闘ヘリコプターとか。

 そして。

 科学の技術をタップリ詰め込んだイージス艦も居るんだよ。


 昔の船も足せばかなりの大戦力。

 この白服の偉そうなおじさんは何を言っているのかしら。


「長官! 我が方には戦艦大和がいます」

「それに武蔵や信濃を含めれば化け物の一匹や二匹」

「恐るるに足りなないのです!」


 私の心境を代弁するかの如く。

 右側の真ん中ら辺に座る同じぐらいの年代のおっちゃんが反論した。

 大和や武蔵は置いておいて。

 少なくとも300年以上先を進んでいる軍隊が。

 相手の国に負けるだって?

 例えばどんな風によ。


「この世界は我々に取ってはあまりにも情報が不足している」

「それに、戦場は太平洋ではないからな」


 広いと言う点では一致していると思うんですが。

 でも、情報不足と言うのは確かに……そうだけどさ。


「こっちには戦艦大和があります! 大和さえあれば!」

「大和や武蔵があっても無意味だよ、参謀長」


 目を瞑ってゆっくりとそう言った。

 戦艦がダメなら空母は?

 戦闘機を飛ばして遠距離から攻撃すれば。


「赤城はどうでしょうか」

「赤城ならアウトレンジも可能ですし技術は進んでいます」

「小沢中将、竜相手にソレが通用するかね?」

「……今の所はまだはっきりとは……」


 じゃあ、結局何なのさ。

 全ての提案を良い具合に却下しちゃって。

 何? 敵地にでも上陸しろとでも言うのかな。

 上陸するための船は私が出せとでも言うのかな。

 

「ともかくだ。情報が少なすぎる」

「俺が思うに、潜水艦による情報収集を先ず行うべきだ」

「その後に空襲なり、艦隊戦なりを練って、実行する」

「先ずはこれだ」


 そう言えば潜水艦だけ私の操作が聞かないんだっけ。

 情報収集なら専門の船が良いんじゃない?

 何でまた態々潜水艦で。


「潜水艦に飛行機を載せているのは確か家だけだったな」

「ハッ! しかし、あれは小型の偵察機です」


 えっ、何?

 ちょっと話が専門過ぎて追いつけないんだけど。

 海に潜る潜水艦に空を飛ぶ飛行機を着けるだって?

 んなアホな。


「爆弾を載せるにはあまりにも……」

「作るんだよ」

「ハ?」

「作れば良いんだよ」

「潜水空母を」


 海に潜る空母ですか?

 あぁー、男の子はロマンがあって良いですねー。

 見てくださいよ、校長先生なんか話についてこれずに髭を弄ってますよ。

 長官。


「シエスカ、やれるか?」

「は……何を……」

「潜水空母の建造を」


 建造。

 私が出来る事と言えば精々召喚程度。

 実際に船や戦車を作った事なんて一切ない。

 多分、無理だろう。


 でもこの眼差し。

 断るわけには……やめろぉ、そんな眼差しで私を見るなぁ!


「そ、その……私の魔法は召喚魔法です」

「物をその場に出す魔法ですので作る魔法では……」

「ないのか、そうか」


 何だ、この重苦しい雰囲気は。

 一気に部屋の温度が十度前後下がったよ。


「シエスカさん、基地を召喚する事は出来ますか?」

「……は?」


 竹富さんは変な事を言い出した。

 基地は無理でも研究所とか造船所を召喚しろと言うのだ。

 建物を召喚しろ?

 そんな事は先ず高層ビルの一件や二件を建ててから言う事じゃあないの。

 造船所と言ったらドックとかクレーンとか召喚しないと行けないんでしょ?

 後土地と。


「空港や港があるじゃあないですか」

「設備が召喚できるのなら建築物だっていけるはずです」

「その気になれば核だって……惑星だって」


 惑星と言う発想はなかった。

 でも、核は考えた事がある。

 一瞬にして一つの町、一つの国を消し去ってしまう最終兵器。

 でも、私はためらった。

 私にだって良心はある。


「作れるのかね? 基地を」


 私は一応、小さく頷いてみた。

 もしかしたら造船所も、軍需工場も。

 その気になれば町だって召喚できるかも知れない

 私の召喚魔法はまだまだ未知数だ。

 しょっとしたら……。


「土地はどうする?」


 一人の軍人さんが疑問にぶち当たった。

 土地。

 そうだ、幾ら異世界でも勝手に作るのはマズいだろう。

 土地がなければ何も出来ない。

 あの港や空港だって一時的に借りて居るような物なんだから。

 ……国から。


「港は飛行場はどうやって作ったのかね?」

「えっと……一時的に国から土地を借りているだけで……その……」

「そうか……借りると来たか」


 もしかして長官、俺の物は俺の物。

 お前の物も俺の物作戦ですか?

 幾らなんでもタチが悪過ぎるんじゃあないかな。


「借りれば此方の物です、長官」

「そうです、借りましょう! 幾つか条件の整った土地を!」

「長官!」


 本気ですか。貴方がた。

 国ですよ。

 異世界だけど、国から土地を沢山借りるのですよ。

 何処にそんな交渉術があると言うんですか。

 チートですか、生まれ持ったチート術ですか。


「よし分かった。俺が悪者になって直接進言を入れて見よう」


 いやいやいや、ちょっと待って下さい!

 国ですよ!? 正気ですか!?

 日本政府から土地が必要だから貸してくれてっ言っているような物だよ!?


「校長先生、此処から首都までどのぐらい掛かりますか?」

「……首都?」


 行く気満々だよ、この長官は!

 しかもちょっかり王都ではなく首都と言う感じが日本人らしい。

 てっ、そうじゃない。

 今、この人はとんでもない事をやろうとしているような気がする。

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