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これじゃあない。

 このクラスの担任。レイカ先生はふわふわ系。私のマナ測定は剣の腕が3。たったの3である。でも、肝心のマナ測定はこの学園じゃあ観測至上初らしい3000を突破。召喚魔法に関しては5000を上回って6000に。さすがにクラスの皆の表情が驚きを通り越して驚愕へ。


 私も心の奥底で期待はしていたけど、まさか1000を越すなんて一切思ってなくて、当の本人が開いた口が塞がらないと言う状況。横で見ていたレイカ先生もこれにはさすがにハイテンション。


「おいおい、マジかよ」

「やべぇ、次やりづれぇ……」

「そこで諦めんなよ! お前! 一番になるてっ言っただろ! 今日からお前は富士山だ!」

「ふ、フジさんてっ誰だよ!?」


 なんか一人、弱気な男子を慰めている熱いテニス選手が居るんだけど。それでその熱いテニス選手の応援を受けた男子がマナの測定をしたんだけど、結果は剣の腕が11、マナが112だった。一応、マナに関してはこれぐらいの数値が妥当らしい。


「では明日は魔法を早速使ってみようと思いますので、各自寮の部屋でゆっくりと休んで下さいねー」


 先生が居なくなった後、皆、思い思い感覚で教室を出た。私もそろそろ出ようかなと思った時、横から同い年ぐらいの女の子が話しかけて来た。


「こんにちわ! えっと、シエスカさん……ですよね」

「えっ、えっと……はい、その通りです」


 元気の良い挨拶が私の耳に飛び込んでくる。

 私は不意をつかれ戸惑い間ながらも小さくその挨拶に応えた。


「えっと、シャールット・エヴァさん……だっけ?」

「はい! よく覚えていますね」


 皆の名前は出来るだけ覚えるのが今の私のモットー見たいなもの。勿論、他の子の名前も5人ほど覚えている……全員女の子だけど。


「えっと、実はシエスカさん、私と同じ部屋なので一緒に行きませんか?」


 同じ部屋割りなら私も拒む理由は一切無い。と言うより、今拒んだりしたら今後、この子との間でかなり気間づくなるだろう。私は思い切ってOKを出すとシャールットは嬉しそうに笑った。


「此処ですね! 楽しみです!」

「ねぇ、この寮部屋てっさ他にも後二人ぐらいお仲間が居たり……」

「えっと、この部屋は私とシエスカさんだけと窺いましたけど?」

「そ、そう」


 確かにシャールットの言う通り部屋のプレートには私とシャールットの名前が刻まれていた。この寮と校舎は少し離れていて食堂もその半分ぐらい。渡り廊下にも普通の廊下で見かけたあの柱が何本も支えている。この学園てっどのぐらいの予算で出来上がったんだろう。


 部屋の中に入った私達は両脇にあるベットに座っり向かい合うような形で色んな談笑をしていた。そんな中、シャールットがこんな事を聞き始めた。


「そう言えばシエスカさんてっ、マナ適正6000越えでしたよね! 私、鑑定スキルを一応持っているので試しに何か召喚してみませんか?」

「そ、そんな……何かてっ言われてもなぁ……」

「何でも良いですから、お願いします!」


 シャールットは興味津々。私は仕方なく何かを召喚してみる事にしてみた。召喚と言う事は魔物とかはたまた食べ物とかをこの場に出すと言う事なのだろうか。とりあえず私はその何かを召喚する事にした。


「召喚!」


 床に魔法陣のような物が出来た。そしてその中から何かが出て来て……。


「何ですか? これ?」

「……えっと……銃……ね」

「銃?」


 剣と魔法の世界に銃が出て来た。普通、武器系とかだと槍とか出てくるかなと思ったんだけど、これはどっからどうみても……銃だった。軍隊とかで使用してそうな銃で、紛れもなく物理的に作られた物だった。


「と、とりあえず鑑定してみますね……」


 シャールットはゆっくりとその銃に手を当てて鑑定と呟いた。すると銃から今度は違う色の魔法陣が出てくる。数秒後、ステータスが書かれた文字列が浮かび上がった。私はそれをみると、やっぱり銃だった。むしろ使い方次第では普通の銃より強い物だった。


 鑑定 名前【バレットM82】 分類【狙撃銃】

 攻撃力:1643


「す、凄いですよ! この銃てっ言うの、普通の剣よりも全然強いです!」

 そりゃあ、銃だもんね。それも狙撃銃だからね。狙撃するために生まれてきたものだからね。

「どうやって魔法を撃つんですかね? この丸いガラスのような物からですかね!?」

 銃口と言うところから魔法じゃあなくて弾丸が撃たれるね。それと、そのガラスのような物、スコープてっ言う奴だからね。発射口じゃあないからね。


「早速魔法を撃ってみましょう! 私、とても気になります!」

「ダメ! 絶対にダメ、こんな所で撃ったら部屋に穴が開くよ!?」

「そんなに凄いんですか!? 私としては、ますます気になります! 試しに一発お願いします!」

「だからダメ何だって! 絶対に学園側から請求書が来るからね!」


 私は必死になって注文を取り下げた。銃、それも狙撃銃だと発砲音も凄そうだし、撃ったら絶対に何か物を壊すからね、そう言う設計になっているからね! いい? 絶対に撃たないでね!


「分かりました……」


 シャールットは凄くテンションを下げて低いトーンで言った。


「シエスカさんがそこまで言うなら我慢します……我慢します……」


 何故だろう。私は今、とんでも無く彼女に悪い事をしたかのような罪悪感を感じている。いや、感じずにはいられない。


「シャールット……」

「シャールでいいです……」

「じゃ、じゃあ、シャール! 折角食堂もあるんだし! そろそろ晩御飯にしない? 一緒に食べましょう!」

「ほ、本当ですか!?」


 こうして私は財布の中身が軽くなってゆくのを感じつつ、シャールと夕飯を一緒に食べた。今月、これだけで乗り切れるかな?

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