表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/193

どちら様ですか?

 私が学園に戻ったのはあれから二日後。

 直ぐに帰れるはずだったんだけど、どうしても。

 もう一泊泊まって欲しいと言われたから……仕方なく。


 住み心地?

 それはもう、この国の中じゃあ一番極楽……かな?

 クッキーも美味しかったし、料理だって負けて居ないし。

 ……あれ、食事しか感想がないや。


 部屋前に召喚されてようやく帰還。

 私は手ぶらで多分シャールが待つ我が家へ。

 あぁ、愛しの我がマイホーム。

 無駄に豪勢な部屋より、やっぱり普通に押さえられたスペースが好ましい。

 ベットや鏡が金ぴかだとやっぱり落ち着きづらいじゃん?


「ただいまー」


 いかにも、私、今ヘトヘトですよーと言うオーラを出して入室。

 これで、あぁ、シエスカさんはきっと疲れたんだな。

 とシャールに思わせる作戦。

 シャールの質問責めには私も頭が下がりますわ。はい。


「疲れたー」


 ドサッと態とらしい演技で自分のベットへログイン。

 無駄に金ぴかな高級感溢れるベットより全然居心地が良い。

 シャールは居ないみたいだけどこのままいっその事、寝てしまおうか。


「おかえり。どうだったよ? 城の居心地は?」


 この軽い感じの声はアイツ以外には居まい。

 竹富の隣によく引っ付いているアイツだ。


「何よ、早鷹、私今とても疲れているんだけど」

「棒読みだぜ。それとアンタにお客様だ」

「どーせ、竹富さんでしょ? 後で行くから」

「いやいや、もう会議室に居らっしゃるんだよ。お前を指名してるぞ」


 は? 私を?

 シャールとアリスちゃん。

 そしてそのお姉ちゃんとコイツら以外に面接があった人……居たかしら?

 校長先生? でも、それだと校長室だしなぁ……。

 もしかして同じクラスの同級生?

 同じ転生者かしら?


「……分かった。会議室ね?」

「おう。俺は此処で待てと竹富に言われたから待機しとくぜ」

「そこ、女子の部屋と言う事を忘れるんじゃあないわよ?」

「分かってるって。任せとけ」


 こう言う奴に限って絶対に何かをしでかすに違いない。

 敏感な警戒レーダーが今、ビンビンに反応している。

 アホ毛の子なら今頃、その毛がフラフラと強く揺れているはずだ。


「じゃ、行って来るわ」

「行ってらー」


 折角人が昼寝をしようとしていた時に来客ですか。

 私がお城に居て疲れきって居る事を承知での指名かしら。

 悪いけど、私は面倒ごとには付き合わないつもり何だけど。


 会議室の前に着いた。

 確か席数はざっと30席ぐらいだったかな。

 机が四角形に並べられている何処にでもありそうなタイプ。

 勿論、机の質は木材です。


「失礼しまーす」


 ノックを二回、そして疲れているよアピールをしつつ入室。

 どうせ相手は校長先生でしょ?

 別に将来に関わる事ではないし態度が悪くだってきっと認めてくれるはずよ。


「シエスカ・エーレット、ただいま王都より帰還しましたー」


 棒読みである。

 どうせ居る面子は部屋に居なかったシャール。

 多少ムカつく竹富。

 老賢者な立派な髭を生やす校長先生。

 と、その付き添いぐらいだろう。


「君がシエスカ・エーレットか」

「君の事はすでに竹富君やシャール君から色々聞いているよ」


 聞いた事のない口調だ。

 何処か優しくて、何処か赴きがあるような感じ。

 校長先生とは全く違った雰囲気。

 間違いなく別人だ。

 私は少しずつ頭を上げながら周囲を窺った。


 一番前の席には知らないおじさま。

 ……おじさま?

 その右側に校長先生とその付き添い人。

 左にももう一人。


 いや、その三人だけではない。

 シャールはもう足を震えながら、半ば半泣き状態で突っ立っている。

 両側に腰を掛ける面々はとてつもないオーラを発している。

 この部屋だけ、異様な威圧感があるのだ。


「えっと……」

「そこに掛けてくれ」

「アッハイ……」


 優しそうな感じだけど、何処か。

 何処か偉人のような雰囲気を感じとった。

 着ている服も皆、統一している。


 真っ白な制服。

 立派なボタン、黒い帽子、帽子の中心にある金色の何か。

 肩の少し固そうな黒い板。

 真ん中の人は星? が三つ着いている。

 他の人は例えば、二つとか一つとか。


 何だ、この威圧感は。

 これならずっと王都のお城に篭っておくんだった。


「観測機から連絡が入った」

「侵攻してくる敵を……艦隊で撃破したようじゃあないか」

「あぁ……はい、そうですね」


 いや、本当にこの人達、誰なんですか!?

 しかも今、観測機と言いましたか!?

 自前で観測機を保有しているんですか!?

 富裕層なんですか!? 富裕層なんですか!?

 あぁ、嫌な汗が手に染みてくるよー。


「名前は聞いた事があるでしょう、シエスカさん」


 竹富の声だ。

 あれ、そんな口調だっけ。

 アンタ。


「70年ほど前、日本海軍を指揮した連合艦隊指令長官」


 指令長官?

 えっと、えっと……名前が思い浮かばない。

 誰だっけ?

 歴史が苦手な私にそんな事を言われても困るよぉ……。


「名前は聞いた事があるかも知れません」

「連合艦隊指令長官……山本五十六……その人です」


 ……はぁ!?

 ……誰だっけ? でも、相当凄い事をしたんだなとは思う。

 だって雰囲気がただ者ではないんだもん。

 素人でも分かるよ、この雰囲気。


「えっと……や……山本五十六さん……?」


 ピクりとも動かない。

 怖いよぉ!? その反応、結構怖いよぉ!?

 何、何!? 山本五十六様とでも言った方が良かったの!?

 あの王様の方がよっぽど気安く話しかけれたよ!


「そ、その……なんで山本五十六さんが私をご、ご指名されたんでしょうか?」


 その瞬間、私の方に視線が殺到した。

 主にその両側に居た同じ軍人さんのような人達から。

 皆同じ格好だ。

 あぁ……部屋に帰りたいよぉ。


「では本題に入ろう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ