シーサーペント来襲
「コンタクト! ターゲットを捕らえた!」
「領土へ到達するまで約40分」
以外と相手の足は遅いようだ。
しかもまだ海上に居る。
此処は海軍で対処した方がいいかも知れない。
「ターゲット、本機との距離約2000m! 此方には気づいていない模様!」
私は先ず軍艦を出航させる。
恐らく水上戦闘になるだろう。
水上戦闘で必要な事は先ず圧倒的な火力。
そして遠くから攻撃できるアウトレンジ戦法。
これらの知識は皆、本から得た物だ。
火力が大事なら私は第二次大戦の物を流用した。
戦艦と重巡洋艦と言う種類を中心とした艦隊。
総数は21隻。
旗艦と言う船の中での隊長は戦艦大和。
名前だけなら誰でも知っているであろう。
「水上部隊まもなく射程圏内に入ります!」
ライブ映像には重巡洋艦の主砲が目標へ向け回転している。
後続の駆逐艦と言う小さな船も魚雷を装填。
間もなく敵が目視で確認出来る。
「此方、重巡鳥海! 目標視認!」
「目標は蛇のような怪物です!」
海の波を割って速度を加速させる胴体。
顔は認識できないけど尾っぽは間違いなく蛇だ。
でも、先端は何処か魚のような雰囲気。
こいつは……?
「シーサーペントか!」
「シーサーペント?」
晩餐会の会場全体がざわつく。
シーサーペント。
はて、何処かで聞いた事のあるような名前だな。
何処だったかな?
「あの海の怪物か!」
突然、軍服の国防大臣が怒鳴り声を上げた。
どうやらこの国の天敵のような存在らしい。
海の怪物なら日本だと海坊主か。
懐かしい名前ね。
「目標キャサリン、速度を加速させてゆきます!」
「間もなく本艦隊と交戦に入ります!」
海の怪物対、史上最強の戦艦。
中々画になりそうな光景だけど、映像は緊迫している。
日、米、英、独、伊を混ぜた連合艦隊。
その全てが強力で制度の高い主砲を有している。
「α、戦艦ペパルスへ接近!」
「戦艦レパルス、砲撃を始めました!」
海上自衛隊のP-3Cからの逐次報告。
戦闘は始まった。
先ず、英国の戦艦レパルスが砲撃を開始。
続けて同国のプリンス・オブ・ウェールズ。
戦艦フッドも攻撃を開始。
ビスマルク、シャルンホルスト、グナイゼナウ砲撃開始。
ヴィットリオヴェネット砲撃開始。
次々と船の名前と先端が開く報告が飛び交う。
海上に砲弾が命中した水柱が高く登る。
「戦艦アイオワ、砲撃を始めました!」
「重巡ノープザントン砲撃開始! 近いぞ!」
一隻のアメリカ重巡洋艦がシーサープトンに接近。
肉薄して仕留めようと言う戦法だ。
でも。
「ノープザントンの船体がエグれた!?」
「轟沈してゆきます! 目標、尚も加速中!」
戦闘が始まってから僅か3分。
アメリカの船が先ずやられた。
シーサープトンは続けて英国のプリンス・オブ・ウェールズへ。
「プリンス・オブ・ウェールズに絡まりついたぞ!」
「船体が持ちそうにない!」
此処にイギリスの最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズは戦闘開始から5分。
異世界の海の底へ消えて行った。
ついでグナイゼナウも被弾。
イタリアの船も損傷を受けた。
どうやら機動性能ではあちらに勝るらしい。
動きの鈍い戦艦は次々とシーサープトンの餌食になってゆく。
「戦艦扶桑、大破! 重巡トリエステ沈没!」
「ターゲット、艦隊を突破しました! 現在アイオワへ向かって直進!」
あれっ、以外と苦戦している。
と言うか機動性が良い駆逐艦何してんの。
こう言うときのための魚雷でしょうが。
シーサーペントはそのまま直進。
アイオワも水平線上に砲撃するが、これを外す。
「アイオワに直撃、来ます!」
P-3Cの無線音からアイオワの被弾音が響く。
同時刻、戦艦アイオワ轟沈。




