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王都のお城へ召喚

 翌日、私は急遽王都に召喚された。

 夏休みが始まったばかりなのに早々遠出。

 忙しい毎日よ。全く。

 何も準備が出来なかった。

 突然、シャールの目の前で床に魔法陣が出現。


 わたわたしている間に王都の大きなお城へ召喚されてしまったわけだ。

 理由は昨日の戦闘結果か報酬か。

 それとも新たな指令か。

 後者であれば私の夏休みは無事、削られてしまう事になる。


 召喚された途端、執事のようなおじさまに誘導されてお城で一番広い広場に案内された。

 そこには王様が座るようなキンピカで大きな椅子。

 どうやらすでにその主が座っているようだ。

 立派な髭と頭の上にあからさまな王冠。


 間違いない。

 この国の王様だ。

 名前は……誰だったけ?


「そなたがシエスカ・エーレットか」

「は、はい。そうです」


 思わず膝をついた。

 王様と言う雰囲気が伝わってくる。

 そしてすでに私のフルネールまで覚えているようだ。

 まぁ、客人? に対しての態度なら当たり前か。

 それに対して私は王様の名前を未だに知らない。


 転生してからもう2ヶ月は立とうと言うのに。

 なんだか少し恥ずかしいような気がしてきた。

 例えるなら日本で一番偉い人の名前をド忘れしていような感じだ。

 日本の場合は……総理大臣かな? それとも天皇陛下かな?

 どの道、私には縁の無い人達だ。


「あ、あの……恐縮ながら本日はどう言ったご用件で……」

「うむ。その件についてだが」


 王都には行く気はまるでなかった。

 でも、こうして半ば強制的に召集できるのであれば、私は従うしかない。

 卒業したら誰にも邪魔されないところで過ごそうかな。


「昨日の戦闘結果を聞かせてもらった。何でも大勝利と言うじゃあないか」

「は、はい。幸いにも相手はドラゴンと帆船だったので勝利する事が出来ました」

「あの数だ。もし我が国がまともに当たれば昨日の三倍の被害は出ておった」

「迎撃、誠に感謝する」


 王様が大きくお礼をする。

 いやいや、国の中で一番偉い貴方に礼をされてはさすがの私も身震いしますよ。


「いえいえ、私はただ単に命令に従ったまでの事です」

「命令とな?」

「はい、私自身が学園から国を守る任を受け持ったので……」


 勿論、この金欠した状況から抜け出すためにでもあるけど。


「そなたに何か礼をしたい。望みはあるか? 何でもいいぞ」

「礼なら先ほど頭を下げられたではありませんか……」

「国を守ってもらったのだ。何か他の形でこれに報いたい」


 お金! と言いたいところだが、私はあえて口を閉ざした。

 まだ私は十歳。

 これが前世ぐらいの年齢だと何かしら望むのかも知れないけど。

 まだまだ幼い私がそんなにガッツリと大金を手にして良いものだろうか。

 ダメだ。


 きっと強盗のような輩が襲ってくるに違いない。

 大金を手にしたところでまだ十歳の私は隠す術がないので直ぐにばれる。

 そもそも使い道がない。


「じゃあ、高校を卒業するまでその報酬は保留にさせて下さい」

「ふむ……そうか。では、そなたが卒業するその時まで保留しておこう」


 これで一応3年間の猶予は出来た。

 で、どうしよう。

 本当に報酬金を貰っちゃおうか。

 それとも土地か?

 軍隊なら土地が必要になってくる。


 まぁ、まだ三年も猶予はある。

 ゆっくりと考えて行こうかな。

 で、話は終わったのかな。そろそろ帰りたいんですけど。


「どうだ。昨日の恩に報いると言う形で今晩は泊まっていったらどうだろう」

「へ?」


 王様の暮らすお城で一泊?

 寝枕も着替えもないですよ? 王様。


「あ、あの……」

「ふむ、安心したまえ。食事も部屋もちゃんと完備させよう」


 どうやらもうすでに予約済みのようだ。

 私はなんだか断るのも勿体無い話だなと思い恐縮ながら了承した。

 日本で言う皇居に一泊するような緊張感。

 泊まった事はないけど。


 もっと分かり易い例え方はそこそこ良い感じのホテルに泊まる前の高揚感。

 国の中で一番偉い人が住むお城。

 なんだかヨーロッパのお城みたいで階段も豪華な事。


「こちらがシエスカ様のお部屋になります」

「えっと……客室……ですか?」

「さようです」


 王様と一旦別れ、執事さんについて行くと大きな分厚い扉。

 廊下の天井にはシャンデリラがジャラジャラと。

 客室も大きな全身用の鏡から顔用の鏡。

 テーブルクロスがかけられた個人用の椅子と机。

 机の素材は木だけど凄いピッカピッカ。


 床はとても高そうな鉱石で出来ていてシャンデリアは勿論完備。

 トイレとお風呂もあって、とても充実している。

 そしてベットはまるでシンデレラに出てきそうなアレだ。

 女の子が憧れそうなデザイン。


 今更ながらテーブルクロスの上には午後のティータイムが出来そうな物がズラり。

 アニメで見た事のあるような道具。

 中にはしっかりとビスケットやパン菓子。

 紅茶の入れ物と上品なカップ。

 ついでに言うと軽いケーキのような物まで入っている。


 合計何円だ?

 とんでもない、お・も・て・な・し、がすでに準備されてあった。

 ……食べても良いのかな。これ。

 王族じゃあきっと普通の光景なんだろうな。


「時間までまだあるか……」


 私は椅子に座って、紅茶を注ぎ軽く一杯。

 とても美味しい。

 私だって女の子だ。

 こんなのを前にされたら、我慢も出来なくなるよ。


 パリッ。


 ……旨い。

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