海岸を要塞にしましょう
あれから三日は立った。
授業も何時も通りに戻って今は魔法の勉強。
最初と比べれば皆魔法が段々強くなって行っている。
私はと言うとまぁ、お察しの通りで。
「次、シエスカさん」
「はい」
魔法はしょぼい。
けど、召喚魔法に移るとその破壊力は絶大。
今日は柱を壊す内容だったけど、その柱は既に粉々。
残っているとしたら精々、柱の根元ぐらいだ。
鑑定【16式機動戦闘車】 分類【装輪装甲車】
攻撃力:6.700
何時も通りですね。
こんな小さな大砲なのに精度は抜群。
きっと優れた射撃装置でもついているのかな。
おまけに機動力も良いと来た。
シャールは相変わらず興奮気味。
私も初めて召喚した奴なので少し興味はある。
こんな小さな車体で6.700。
きっとこの大砲で大半の攻撃力は持っていかれているんだろうな。
後は……体当りか。
「今度は地竜か」
「小型の肉食系モンスターよりは足回りが悪いな」
「ほんと、どうやったらドラゴンを召喚できるんだろう」
私に聞かないでほしい。
聞くなら私を召喚した神様に聞いて。
それと、私聖徳太子じゃあないから、いっぺんに話しかけないでくれるかな。
「ドラゴンも撃退しちゃうし、国は任されちゃうし」
「本当、シエスカさん、この調子ならお金もバンバン増えるかも知れませんよ!」
闘技場から場所変わって今は教室。
次の授業の合間か。
ちょっと待って、シャール。
今なんて言った?
「お金がザックザック!?」
「シエスカさん、なんか効果音変わってますけど」
その手があったか。
私は別に英雄になろうとは思っていない。
けど、今は金欠。
この戦争を上手く使えば一気にお金がザックザック……。
でも、そのためにはきっと沢山殺さないといけないよね。
別に何をとは言わないけど。
「そうね、国を任されると言う事はそれ相応のお金が……」
「シ、シエスカさん?」
よし。決めた。
この戦争。私に参戦する権利がある!
邪道と言われても構わない。
私の参戦理由は金欠から抜け出す事!
なんか、石油がなくなったら侵攻するとか。
食料がないから村を襲うとかと同じような理由だけど。
そんなのは気にしない。
こっちには命がかかっているんだ。
今後の生活費が掛かっているんだ!
そうだよ。
幾ら異世界でも、結局はお金がないと行けないんだよ。
残酷だけど、これ。戦争なのよね。
「決めたわ。シャール」
「はい?」
「私、今日を持って全面的にこの戦争に参戦する事を決意するわ!」
「えぇぇぇぇぇ!?」
参戦決定。
別に会議をしたり、正当な理由がなくても、私は介入する。
金欠。
それが今の私を動かす最大の理由だ。
「で、でもシエスカさん! それってつまり」
「ん?」
「つまり、敵の国の町を……」
「勿論、蹂躙できるわよ」
「あぁ……やっぱり……」
シャールは知らないと思うけど。
私が居た世界にはミサイルだって。
戦艦だって、はたまた核弾頭だってあるんだもの。
国の一つを滅ぼすぐらい動作もない事よ。
でも、大陸間弾頭ミサイルは使っても、中身は核無し。
これは絶対。
大丈夫。
核を使わなくても勝てる要素なんて幾らでもあるんだから。
例えばただ爆撃をするだけでも良いし。
船からの艦砲射撃だけでも良いし。
……後者は湾岸都市限定だけどね。
「で、でもシエスカさん! や、やりすぎは禁物ですよ!」
「分かってる分かってる。大丈夫よ」
そう、全ては金欠を脱出するために!
決意を固めた私は早速、行動を取る事にした。
ただいま一日の授業を終えパネルと睨めっこ中。
このパネルはスマホのような物。
指で簡単に操作が出来るのだ。
超便利。
「さてと」
国からの了承?
良いよ。そんなの。
先制攻撃は危ないてっ昔から言われているけどさ。
準備ぐらいなら別に良いよね。
まだ国から港と空港の了承は来ていない。
よって私は海岸の防衛を手厚くする事で対処する事にした。
まずは、岩のような砦に対空砲。
対空砲の上には葉っぱをかけてカモフラージュ。
勿論、そこに済む人達にもただの岩のように見せる。
続けて同じ手順で迎撃率が確か、90パーセントぐらいのミサイルを設置。
移動式だから何かトラックみたいなのがおまけでついてくる。
後は、適当に戦闘機を飛ばして日夜警戒に当たらせる。
空自と米軍の早期警戒機を徴用。
ついでに中国の物も徴用。
使える物は何でも使うのがシエスカ流。
これで一部の海岸は完全な要塞化に。
出来れば全部の海岸を埋めたいけど、無理だよね。
「何やっているんですか? シエスカさん」
「えっとね。とりあえず海岸を要塞にしてみた」
「よ、要塞ですか!?」
島国なら先ずは海を守らないとね。
かつて戦争ゲームをやっていた知識が思うように蘇る。
見た感じ、この海は完全にビーチだね。
ノルマンディーでもやるのかな、敵さん。
それとも私がする側かな。
でも、一人ノルマンディーは勘弁してね。
「えっと……鑑定します!」
結果は全て攻撃力が5.000を突破。
勿論、プロですから。
ミサイルがパリオットミサイルだって。
日本だとペリットてっ言うのかな。
後、対空砲はボフォースて言う第二次大戦の代物。
戦闘機は日、米、中、韓、露、欧州諸国など。
もう完全に制空権は手にしました。
楽勝です。
勿論、それまでに戦闘経緯は一切ありません。
早期警戒機は米、日、中からパチってきました。
勿論、無料です。
「さぁ、かかってきなさい!」
「もう準備が整ったんですか!?」
そりゃあ……配置はゲーム感覚でやっていたしね。
後は警戒機の速報を待つだけ。
お茶でも……そうだ、この世界。
コーヒーならあるかも知れないけど、お茶はないんだ。




