国を任されそうです
「で、何故また私が此処(校長室)へ呼ばれたのですか?」
「ふむ、そうじゃの。これは多分、シエスカ君しか頼めない事じゃからの」
校長先生は事の経緯を話してくれた。さかのぼる事数十分前。
丁度、戦闘機がドラゴンと交戦し始めたときだった。
先のドラゴンは穏便な性格。普段は人を襲わないらしい。
しかし、今回は人が集中する学園が狙われた。
何故か。
その理由はどうやら、昨日宣戦布告をしたカウスレア連邦帝国の兵器だった。
生物が兵器になるなんて普通はありえないと思う。
でも、どうやら生物をも兵器に替えてしまう魔法がこの世界に存在するらしい。
あのミラクルドラゴンはその魔法で洗脳され、そして攻撃を命令した。
この国を征服するために。
以上が校長先生が出した推測だ。
正直、私には信じがたいが、私が居た世界にはマインドコントロールと言う洗脳術があった。
一番有名なのは某宗教だろう。
もしかして、ドラゴンてっ上手くいけば洗脳できるんじゃ?
「ワシも見ての通りの身体。これでは国の役には立つまい」
「主人公なら、そこは普通「此処はワシに任せろ!」と言う所だと思うんですけど」
「しかしのぉ。幾らワシの魔法がS級だと言っても、もう歳じゃからの」
まさか、近代兵器でこの国を守る主人公! なんて事にはならないよね。
私はごく普通の少女で居たいんだけど……無理かな?
「……私が王都? に行って直接指揮を取ってほしい……と言う事ですか?」
「出来ればそうしてほしいのぉ。何せ、お主はこの学園の中では数値が一番上じゃからの」
私は思い切ってこんな事を進言した。
「お言葉ですが、私が持つドラゴンは長距離でも攻撃が可能です」
「ほう……」
「なので、別に此処からでも国を支える事ぐらいは出来ると思いますが」
「ふむ……」
この学園を根拠地にするなら、態々遠くへ行かなくて済む。
その代わり、授業と魔法と戦争を同時にこなさなきゃあいけないけど。
でもまぁ、一応転生者だし。
ネット小説ならこれが当たり前なのよね。きっと。
「つまり、此処からでも国を守れると?」
「はい。学園は勿論、本気を出せば一つの国を滅亡させる事も出来ますが」
「滅亡……じゃと!?」
おかしくない話だ。証拠に私が居た世界では、大昔だけど多くの国が滅びた。
ローマ帝国、モンゴル帝国、オスマン帝国。
これと言って歴史に強いわけではないけど、思いつく限りならこれだけ出てきた。
大昔だけど、つい最近だとクウェート侵攻とか。
今じゃあミサイルや核弾頭を持つ時代。
簡単に国を一つ滅亡できるほどの装備だ。
下手をすると星を一つ破壊できるかも知れない。
ミサイルは使うかも知れないけど、もっぱら核弾頭については興味がない。
興味がないと言うより出来れば使いたくないのが本音だ。
「しかしのぉ、カウスレア連邦帝国は海を隔てた国。そう上手くいくかのぉ」
「大丈夫です。未来の技術を信用して下さい」
「未来の技術?」
「あっ、いえ、私が召喚するドラゴン達を信用して下さい。きっと上手くいきます」
さしづめ、陸竜軍、海竜軍、空竜軍と言ったところか。
さらにはこれに宇宙竜軍も……あいや、この場合は普通に宇宙でいいかな?
今の技術じゃあミサイルと言う優秀な弓があるし、戦艦と言う足もある。
アニメになれば宇宙戦艦やレーザーとかあるけど、実際はどうなんだろう。
レーザーなら……ワンチャンあるかな?
「分かった。受諾しよう。無理に行かせても可哀想だしのぉ」
「その代わり、幾つか条件。よろしいですか?」
「何かのぉ」
私が出した条件はこうだ。
先ず、幾つかの土地が必要で、海軍なら港。
空軍なら空港のような広い場所。
陸軍はまぁ、海軍に強引に乗せればいいでしょう。
一応、空路もあるわけだし。
よって私は港と空港のような平で広いスペースを条件に突き出した。
莫大なお金が居るかと思ったけど、案外簡単に受け入れてくれた。
後は要求を王様に提出するだけだけど、一応、極秘にしてもらった。
興味本位で異世界人に現代兵器を弄くられても困るしね。
「では、これらの資料を陛下に提出する。返答が来るまで待たれよ」
私は一礼して校長室を後にした。
やっぱり緊張する。
疲れを吹き飛ばすためにいざ、ベットへダイビング!
このふわふわ感はたまらない。
前世の家じゃあこうは行かなかっただろうな。
「あっ、シエスカさん。おかえりなさいです!」
「シャール。ただいま」
「どうでした!?」
「えーと……」
私はとりあえず、若干ながらこの戦争に関わるようになったとだけ伝えた。
シャールは驚きを通りこして驚愕。
何せ友達が戦争に関わるんだからこれは仕方のない反応なのだろう。
にしても十歳で徴兵か。
中々異世界もブラックだね。
そもそもドラゴンを洗脳できる時点で相当ヤバい国だと判断できる。
また、日本みたいに海を隔てている国。
やっぱりこっちが日本のような形をしていてあっちが大陸なのだろうか。
地図がほしい。
国を守るにはやっぱり地図がほしい。
誰か伊能忠敬さんを呼んで来てよ。
多分、引き受けてくれるからさ。
でも、下手したらこの世界の面積とかを求め始めそう。
「そう言えば明日からようやく授業が再開するそうですよ」
「出来れば一生休んでいてもいいけど、学生の身分だしね。分かったわ。しっかりと受けるわよ」
「戦争と授業……とても大変そうですね」
多分、本格的になったら頭がパンクしてしまう自信ならあるわ。
うん。




