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撃退

 黒い煙が立ち登った後、大きな赤いドラゴンは大きく動きが鈍った。これはいける。私はその後も、戦闘機ではなく、集団リンチとも言える空からの攻撃。空爆を繰り返した。昔の言い方で言う絨毯爆撃だろうか。軍事に詳しくない私はあまり深く首を突っ込まない。


 爆撃機と呼ばれる兵器の種類は様々で、第二次大戦の物から、現代の物まで。もう、何でも有りだ。でも、爆撃の方が有効的と分かれば、直ぐに攻撃方法はジョブチェンジする。爆弾が、雨あられのようにドラゴンに降り注ぐ。


 連続した爆撃音。ドラゴンはもう黒い煙に覆われて、よく見えない。大きな羽が少しばかり見える程度だ。正直、オーバーキルかな? とも思ったけど、手を緩めたらこっちに来る以上。激しさは収まらない。逆に増す一方だ。


 ドラゴンに当たらなかった爆弾は、皆、森の方へ吸い込まれて、炸裂。木々は次々となぎ倒されてゆき、次第に火災も頻繁に起こるようになっていった。炎は風で飛ばされて勢いを増すばかり。上は爆撃機の網。真ん中は無慈悲に爆弾を浴びるドラゴン。下は炎の海と化した森林地帯。


 軽い地獄絵図である。心なしか煙の匂いのような香りが微かに鼻を横切る。やっぱりオーバーキルかな。森林にとって。


「なんだ! あの赤紫色の光線は!?」


 ドラゴンは我を忘れたかのように暴れまわった。尻尾や羽の先端。そして目や口から赤紫色のレーザーを空高くに上げて網の目のように飛んでいる爆撃機に対して放った。爆撃機は、満載した爆弾と共に破裂。無差別に飛び交うレーザーで、隊列は大きく乱れ仲間同士で衝突する機体も出て来た。


「マズいわ! 一刻も早く、彼の怒りを静めないと行けない。此処は私に任せて」

「で、でも姉ちゃん!」

「スピアビーム!」


 アリスちゃんと一緒に屋上へ上がってきた少し年上の女性は、手のひらを重ねて、魔法を唱えた。魔法陣が浮かび上がったと思うと、其処から槍のような形の破壊光線。破壊光線はグサッ! と言う鈍い音と一緒にドラゴンの腹部へ見事命中。大量の血を身体から吐き出してドラゴンの意識は朦朧。


 これを逃すまいと、私はさらに爆撃機を徴収してこれに当たらせた。身体から溢れ出る血と、空から降り注ぐ固い爆弾に叩かれて赤いドラゴンは地面へ落ち、そのまま動かなくなった。成功か?


「やったか!?」


 それは、こう言う場面では絶対に言ってはいけない台詞の一つ。これはもうお約束のように、ドラゴンは何か青く光だした。光りだして数秒後。ドラゴンは赤から紫に甲羅の色が変貌し、マジでヤバい奴に進化した。簡単に言えば第二形態と言ったところか。


 これが某怪獣だったら第5形態まで進化するけど、そうはさせない。もし、第5形態以上行くと、私が対応できなくなる。確か、あの怪獣は放射線などを浴びたから誕生した。つまり、この進化するドラゴンにも放射線はヤバいのではないだろうか。


「フレアカーテン!」


 先ほどの女性が両手を上げて魔法を唱えた。今度はドラゴンの上空に魔法陣が浮かび上がって、カーテンのように炎が上から流し込まれた。火山流が上から流れるような感じでドラゴンに注ぎ込まれる。熱さで、甲羅はドロドロに溶けはじめ、最終的にドラゴンは人間で言う素っ裸のような状態に。


 でも、色は青く輝いている。ちなみに、さっきの炎のカーテンで爆撃機も四十機ほど、巻き込まれてドロドロに溶けていたりする。いや、もうあれは炎じゃあなくて溶岩ですね。


「お主ら、下がるんじゃ! 食らえ! ロンギヌス!」


 突然、ドアから老人が飛び出して魔法を唱えた。魔法陣から出た赤い槍は段々大きくなり、やがてドラゴンへ真っ直ぐ突っ込んだ。ドラゴンはやがて、弱まり、再び地面へ。


 森に静けさが帰ってきた。私は、偵察機を幾つか出して様子を確認させたが、間もなくその赤くて巨大なドラゴンは衰弱死した事が分かった。ドラゴンの回りは、漏れた爆弾で出来た大小様々なクレーターが無数に出来上がっていた。


 ……なんか、いい所取りされた感がハンパないんだけど。


「ご苦労じゃった。そなたのお陰でミラクルドラゴンは討伐に成功したのじゃ」

「いや、留めを刺したのは校長先生だと思うんですけど……」

「ともあれ、学園の危機は去った。ご協力してくれた諸君には、感謝を申し上げる」


 校長先生はペコリと頭を下げた。だから留めを刺したのは校長先生だけど。


「あの、ミラクルドラゴンてっ此処数十年は姿を見せていなかった貴重なドラゴン……なんですよね?」

「シャールット君。その通りじゃ。まさか、そんな物がこの学園を狙うとはのぉ」


 それはあまりにも不自然ではないだろうか。ドラゴンならもっとこう、羊とか農村とかを襲うようなイメージがあるのに。あくまで私の勝手なイメージだけど。


「ミラクルドラゴンてっ人を襲う習性があるんですか?」

「いい所に目をつけたのぉ。シエスカ君。実はミラクルドラゴンはとても穏便な性格として知られておる」


 ……え? じゃあ攻撃する必要てっもしかしてなかったんじゃあ……。


「少しいいかのう」


 私は校長先生に誘われてまた、校長室へと任意同行された。だから、何で私なんですか。

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