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空中戦

 要人は二年生の先輩達の活躍によって無事に救出。後は進路先のモンスター達の駆除だ。私はかなり後方で待機している……そうそう。自走砲と言う種類の戦車に攻撃を指示した。と言うより、射程内に入った奴を片っ端から撃っていくような感じだ。私はただ眺めるだけ。


 容赦なく砲弾をモンスターの群れに叩き込む。後ろで控えていた自走砲の数はもう数十台。詳細には数えていない。パネル越しだけど音が凄い。横で見ているシャールは時々遠くを見つめている。耳に来たのだろう。私も正直、そろそろ席を外したいところだけど。画面では森に向けて砲弾の雨が。


「にしても凄い音ですね……現地に行ったらどうなるんでしょうか……」

「間違いなく、耳がいかれるわね」


 画面越しの轟音。もし、イヤホンをしていたらと私は思う。そして大体三時間後。私の召喚魔法のステータスは一気に8000へ上昇。この辺になると、何を召喚出来るのだろうか。魔獣か? それとも建築物か? 仮に建築物を召喚しても何に使うのか?


「先生方が帰ってきました」

「お、作戦成功か!」

「しかし、まだ輸送機が帰ってきていません。まだ成功とはいえないでしょう」

「そ……それもそうだな」


 そう言えば、そんな物も居たな。私は、砲撃を終えた自走砲から、現在進行形の輸送機の映像を引っ張りだした。森の隣に渓谷があるけど、そこは無事。抜けたようだ。後三十分程度でつくだろう。何事もなければ。


「一応何か召喚しておこうかな……」

「召喚すると言っても何を……」

「えっとね、戦闘機と言うのを召喚するわ」

「それって前にも……?」


 確かそんな事もあったけ。私は、上がったレベルを使って一応、最新鋭と呼ばれる戦闘機を召喚した。名前はパネルに乗っている。名前は【F-35 ライトニング II】。何度かニュースで聞いた事があるような……ないような。


 他にも保証として【F-15】? てっ言う戦闘機を六機調達。一機に対してちょっと過敏すぎる装備品だけど、輸送機の中にはたくさんの人が居る。だから、必要だと思うんだ。……そろそろ到着するかな?


「ドラゴンだ!」


 ある一人の男子生徒が空を見上げて叫んだ。頭上を音速で飛ぶ計10機の戦闘機。うち、4機がライトニング。音速のジェット音が学園を包んだ。耳を劈くような大きな音。でも、それは一瞬だ。パネルには10機から見た映像が流れている。


 別の画面では輸送機周辺のレーダー。でも、直ぐに異変が起こった。輸送機の周囲を取り囲むように、ワイバーンが出現した。その数20匹以上。戦闘機の二倍はいる。もう少し召喚しておけばよかったかな? と思う一方、無人だけど、その機体のパイロットにちょっとだけ腕に期待をかけている自分がいる。


 相手は未知の生物。ワイバーン。でも、よく考えれば此方は人類の英知。戦闘機。射程距離や機動力。視界やステルス機能など、普通じゃあ圧倒していてもおかしくはないはず。


 戦闘機10機は輸送機の前で拡散。それぞれで決めた持ち場に着いた。どうやら二匹を一機で相手にするようだ。その様子はリアルタイムで小さなレーダーに映る。一機一機、部隊名とか、名前。コールサインが振られている。


 いよいよ未知の生物対、人類の英知による戦闘が始まった。先ず優勢に着いたのは勿論、戦闘機側。ミサイルや機関銃などと言った武器でワイバーンを圧倒する。戦闘開始から既に三分で六匹を撃墜。と言うよりキル。一方的な空中戦が展開される中で、遠くから見ていた竹富さんが何か違和感を感じとったみたいだ。


「相手の動きが鈍くないですか?」

「でも、生き物だから仕方ないんじゃあないかな? こっちは無人だし」

「ですが……」


 これは孔明の罠だ! とでも言いたいのだろうか。竹富さんは言う事を何故かためらった。戦闘開始から六分が経過。既にワイバーンを追い掛け回す10機。完全に勝敗は見えていた。これはもう勝ったな。と言う慢心が密かに私の心に芽生える。簡単に言えば自動で動く勝ち確のシューティーングゲーム。勿論、この世界にとってはシューティーングゲーム自体もオーパーツ。


「やはり……」

「孔明の罠だ! 的な感じ?」

「其処までは言いません。しかし、幾らなんでも脆すぎるかと」


 戦闘開始からそろそろ10分。ワイバーンの数は僅か6匹。既に二機で追い掛け回すような図に。地球なめんなファンタジーとはまさにこの事なのだろう。すでに輸送機も戦闘地域から離脱し、あとは予定通り、学園のグラウンドへ降り立つのを待つばかり。


 以外とこの学園のグラウンドは広く、小さい飛行場が一つ建てられるほど。軽い不沈空母のような存在。チヌークは既に要人をグラウンドへ降ろして元の世界へ返した。不思議な事だけど、召喚した物はどうやら借りているような感覚で、心のどこかでどれかは必ず返さなきゃと思っていたりする。


 とっ、そろそろ要人を乗せた輸送機が来るかな。遠くだけど、輸送機の音がする。音速だ。と、同時にしつこく追い掛け回すワイバーンを追撃する二機のF-15が見える。二機とも、ミサイルや機関銃を容赦なく叩き込んでいる。あれ、味方に当たったりしないのかなと言うぐらいの距離。私は正直、心配でなりません。


「やっぱりドラゴンだ! ドラゴンがワイバーンを追い掛け回しているぜ!」


 屋上へ上がっていたもう一人の男子が空を指差しながら言った。なんか、ワイバーンが少し可哀想に見えてきたんだけど。


「お、おい! あれを見ろ!」


 さらに別の男子が戦場とは違う方角を見つめた。方角から察するに西の方だろうか。今にも嵐が来そうな黒い雨雲が結構速い速度で近づきつつあり、その中に妙な反応をレーダーはキャッチしていた。


「これって……」


 もしや、とはこの事なのだろうか。私は少し嫌な予感を覚えつつ、そのレーダーに映る、不気味で大きな影を雨雲の様子を窺いながら見つめていた。

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