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異世界にヒーローは必要ですか!?  作者: 白黒サイダー
1/2

ヒーロー 死んで転生する

 ここはとある森、バカでかいシダ植物がもっさりと生い茂っている。王国からはだいぶ離れている魔物たちの巣窟である。

 

 「はぁ、はぁ、はぁ、こ、殺されるこんな所に来るんじゃなかった!」

 

 全力で逃げ惑う少女の顔は、恐怖の色ににじんでいた。やがて体力も無くなりこの化け物に食い殺されるだろう、しかしそんなに簡単に食べられてたまるかと思っていた矢先のこと、あり得ないこけ方をした。

 そりゃもう豪快にズゴーンと、少女は運の悪さを憎んだ。急いで追う必要のなくなった化け物はゆっくりと近づいてくる。


 「い、いや!来ないで!私、美味しくないわよ!」


 必死の言葉も化け物には届くまい。化け物は恐竜のような口で少女を食べようとする。

 少女のほうは涙を流しながらここに来た理由を思い出していた。お父さんを助けたい、しかし、それにはここにしか咲かない幻の薬草が必要で、父親の反対を押し切って一人で来たのである。少女の母は彼女を産んですぐに死んだ。一人っ子なので父親失うのが怖かった、しかしながら、か弱い女の子がそんなことができるはずもなく。生に対しての執着が薄れていく中、死を覚悟したその時。


 「吹き飛べぇ!!!!化け物ぉお!!!」


 食べられていないことに気付いた少女は化け物を素手で殴り飛ばす、化け物じみた自分とあまり歳の差はない少年をみて目を丸くするのだった。


 話は少し前にさかのぼる。

 その時のことを彼はこう語ったそうだ。気付いたら女の子を助けようとして助けたら死んだ。

 まさにヒーローだ。


 「あー、やっちまったよ、俺のヒーローを愛してやまない心がここまでだったとは我ながら感服するぜ」


 死んだことを自覚した割には嬉しそうにだった。なぜかというと、彼はヒーローオタクであり、将来の夢は、もちろんヒーローになる事だ。

 そんな彼は、1人の女の子を助けたかと思うと死んだ悲しみより、自分の行動に泥酔していた。


 「えっと、ここは、地獄?天国?」


その声に答えるように機械じみた声が頭の中に流れてきた。


 「おめでとうございます。貴方は転生ポイントが規定以上なので、記憶、肉体を引き継いだまま異世界に転生が可能になります。さらに、ポイントを使って自身を強化できます。貴方は力を望みますか?もし望むのであれば、異世界に転生し、ひーろー?とやらになれるでしょう。どうなされますか?」


「いや、まて、あんたは誰だここは何処なんだ!」

「諸事情により、私の名前は控えさせて頂きますが、ここは時空の狭間とでも言っておきましょうか。」

「納得しないが仕方ないな、それより、その話は本当なんだろうな!」

「はい、貴方が力を望み、異世界に行きたいというのであれば、僭越ながらお手伝いさせて頂きます。」

「少し、考えさせてくれ」

「はい、しかし決断はお早めに、時間はあまり無いので」


 自分自身、こんなことになって混乱していると思ったが案外そうでもなかった。気持ちは落ち着いていた。死んだのならば前の世界に未練もくそもない。何より、ヒーローになる夢が本当に叶うならこれは彼にとって願ってもないことだった。


 「よし、覚悟を決めたぞ!いくよ異世界にそして、俺はヒーローになる!!」

 「左様ですか、でしたら、ポイントを肉体強化に使います。これで、上位の魔物くらいなら殴り飛ばせるでしょう。」

 「え、それってチートじゃね?」

 「異世界転生なのですからチートくらいが丁度いいのです。」


 ヒーローが好きな、彼だったが、圧倒的ヒーローより努力して強くなるヒーローの方が好きだった。

 そんな事を考えながらも新たに始まる第2の人生に心を弾ませるのだった。

 

 「では、そろそろお別れです。今から転生します。場所は森の中ですが南に向かうと国があります。まずはそこを目指すと良いでしょう。最後に貴方の名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


 最後に名前聞くとかどこぞのRPGのゲームだよ、と思いながら彼は元気に答えた。


 「高見浩たかみひろだ!」

 「ヒロ、いい名前です。」


 その声を聴いた後は森の中にいた。そして、目の前に恐竜のような化け物に食われそうな少女を見つけたのだった。

 







 





 

読んでいただきありがとうございます。不定期に投稿ですが今後ともよろしくお願いいたします。

誤字脱字、日本語の使い方が間違っていることも多々ありますが、暖かく見守っていただけたら幸いです。

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