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俺、すくすく育つ

そしてまた3ヶ月ほどの月日が経った。


俺の家はいつも通り平和だ。

平和って良いよね。


おそらく今はもう喋れるようになるんじゃないかと思うぐらい成長した。

子供の成長はすごい。


いつも通り今日も母親に朝飯を食べさせてもらっている。

なんか暗い顔をしている。なにかあったのだろうか?


しばらくするとその理由が分かった。


今までにないぐらいキッチリした服装で父親は俺たちのいるところに来た。


「フェリ、じゃあ行ってくるからね。留守は頼むよ。」


沈痛な面持ちで俺たちに語りかけていた。


「いつ頃には帰れるの?」


「すまないが分からない。向こうとの戦争が終わるまできっと帰れないかもしれない。」


え、戦争? そんな事になってたのか。

実際俺がいた国は戦争とはほぼ無関係だったのであんまりピンとこない。


「そうなの。。」


そう言って母親は俺を抱えて家の玄関の方に父親と向かっていった。


「じゃあ行ってくるから。シェリルも家を頼むぞ。」


「はい、旦那様。」


綺麗なお辞儀を見せるシェリル。


「クーデリアも元気に育つんだぞー」


俺の頭をワシワシなでてきた。


「あなた、無茶しないで怪我なく元気に帰ってきてね。」


母親の心配している声に


「はは、大丈夫さ。俺は強いし。すぐ終わって帰ってこれるさ。」


そう言って家から出た父親を俺たちは見送る。


しかし戦争か。

こんな事になってるなんて気付かなかったな。

確かに最近村がちょっと慌ただしかったのはこのせいか。

しかし戦争といっても今の俺ではまだ泣くことしかできない。


母親はこれから寂しくなるわと言って俺をいつものベッドに戻そうと玄関から引き返していた。シェリルもその後ろをついてきている。


部屋に行く途中で母親は俺に


「くぅちゃんもいつかお父さんみたいに立派になるのよ〜。」


と話しかけていた。


すまんが、俺は暴力事が嫌いなんで汗かかない方向で立派になりたいです。


そんな気持ちで母親を見つめていたら、


シェリルが


「おや、なんか凛々しい目で奥様見られてますね!これは立派な騎士になるかもですよ!」


「あらあら、ママ嬉しいわ。」


メイドと母親には全然伝わってなかった。


以心伝心できなくて悲しさいっぱいだが結構成長したしもしかしたら喋れるかもしれない。

ちょっと試してみるか。


「ぁー。ぅぁ。マー」


俺ががんばって声を発そうとしているのに母親がちょっと驚いた顔をしている。


「あら、くうちゃん。もしかして、ママよ。マーマ!」


俺はもうちょいがんばってみる。

「まん」


やばいやっぱりまだ無理か?いやでもいけそうだ。


「くうちゃん。マーマ!」


母親も応援なのか俺に出してほしい言葉で呼びかけている。

横見たらシェリルは観察日記を手にぷるぷるしている。


俺は力を振り絞って言った。


「まんま!」


言えた。ちょい噛んでる感じが出たがやっとしゃべることが出来た。


母親はきゃーシェリル聞いた?今の聞いた?ってめっちゃ喜んでいる。

シェリルもシェリルで観察日記に色々書き込んで、

あぁまだちゃんと言えない所がかわいいわぁといいながら興奮している。


「くうちゃんもう一回言って!」


と、母親が言っていたがもう疲れたので俺はとりあえず寝た。


俺が起きてからシェリルが「しぇ。り。る。」とずっと俺にささやいてたが無視した。

シェリルって実は発音しずらいんだよ。


それからまた3ヶ月ほどたった。

俺は長距離はまだ無理だが短い距離なら歩けるようになった。


やっぱり歩けると行動範囲が広がるのでいい。

実は今一番いきたいところがある。


それは書斎だ。

本が読みたい。前の俺なら考えられないかもしれないが、この世界は不思議に満ち溢れている。


俺は若干転びながらも父親の書斎に入り本棚を眺める。

眺めると色々あるのがわかる。


魔法本や剣の指南書、歴史、小説、残念ながらエロ本は見つけられなかった。

まぁあったらあったでリアクションに困るよな。。


とりあえず魔法本を持って母親かシェリルのところに向かう。


俺は廊下でシェリルを見つけたので


「シェリル」


と言って本をぼんぼん叩く。

叩くのは読んで!っていうサインだ。

さすがにまだ全ての文字を覚えてないので読んでもらわないといけない。


シェリルが


「くうちゃん。こんなのどこからとってきたの?」


と言っていたが、なんだかんだで読んでくれる。


本を読んでいくと色々なことが解る。本は偉大だ。


まずこの世界に一般的には 火・水・雷・氷・土・風・治癒 の魔法ががあるらしい。

これは一般的な人で魔法の素質があれば覚えるであろう魔法らしい。


そして、まれに魔法の才能がある子が生まれ、その子達には聖・闇・無 の魔法

が覚えれる可能性がある。と書かれていた。


気になったのは月魔法が無いのでまだ発見されないのか、俺が初めてなのか、良く分からない。


ちなみにMP使い切るとその場に倒れてしまうらしい。


シェリルは


「くうちゃんはもしかしたら旦那様の子供だから魔法覚えられないかもしれないね。でも奥様似だから治癒魔法覚えられるかも」


と言っていた。


すまんメイドよ。既にいろいろヤバイの覚えてるから大丈夫だ。

そういえばシェリルは聖魔法が使えたはずだ。俺も使えるし今度教えてもらおうかな。


だがこの年で使えると解ったらきっと色々面倒なことになりそうだから一人で

練習するしかないだろう。でもまだ使い道ないんだよなぁ。早く魔物とかと闘ってみたい。


とりあえず俺はもっと読んでほしいのがあったので書斎に向かうべく立った。


だけどずっと座ってたせいか足がもつれ前から地面に思いっきり転んだ。ちょっと涙が出た。

後ろ向いたらそれを見てシェリルと何故か後ろにいる母親がニコニコしてた。


は。。。恥ずい。


ちなみに次の日奥様方のお茶会でガイとイリスに会ったが既に2人とも立って歩いていた。

本当に子供は成長が早いな。ガイなんて尻尾がでていた。早くもふりたい。


そう思いながら俺は2人と一緒に遊んだ。


子供と遊ぶなんてめんどいなと思っていたが絵を描いて地味に楽しく過ごせた。


シェリルが書いた絵を欲しいて言ってたので書いた絵をあげたら


「額縁に飾って厳重に保管しないと。触れたやつは全身麻痺ぐらいになるように魔法かけなきゃ」


と言っていた。あげなきゃよかった。。。


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