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俺、状況を把握する。

とりあえず俺は頭をフル回転させて考えてみた。


一体何が起きた?


さっきまで俺は自分の部屋で、楽しみにしていたゲームを始めようとしていたのだ。

そのはずが、何故か今それ程年を重ねてないだろう女性に抱えられている。


しかしこの女性はどうやって俺を抱えているのだろうか。重くないのか?


と思っていたらふと気づいた。


まず俺の腕がとても小さくなっている。

足も小さい。着ている服もなんか幼児が着るような服になっている。


あれ?俺もしかして赤ちゃんになったの?


あまりの出来事に思考が追いつかない。


喋ろうとしてもまだ成長してないからか、

あー、うぁー、ぐらいしか声が出ない。


俺が声をだしてるのに気づいたのかその女性が微笑みかけながら話しかけてきた。


「あらあら、くぅちゃんどうしたんでちゅかー?お腹すいたんでちゅかー?」


まじか、くうちゃんて俺のことなのか?

今まで、クズだの使えない奴だの学校のクラスメイトから言われてた俺には少し恥ずかしい名前が付いていた。

そしてその言葉使いはどうかと思うぞ。


しかし腹はまだ減っていない。

それより情報が欲しい。欲しいがこの状況じゃあ何も出来ない。


取りあえず違うという意味を込めて手足をバタバタさせて やー、やー 言った。


女性は少し困り顔しながらも、俺を幼児用ベットに寝かせて


「お部屋掃除してくるから良い子にしてるんですよー」


と俺の頭を撫でながら、廊下に行ってしまった。


ふぅまず落ち着こう。落ち着け俺。まずは整理だ。


どうやら俺は元いた国から転生したみたいだ。そう転生したのだ。


そして今まで俺を抱えていたのはおそらく母親だろう。

しかし随分若そうだったな。

外見は綺麗な銀髪。整った顔立ち。目の色なんて透き通った水色。

しかもいい匂いもしていた。正直今までで一番可愛いと思えた女性だった。


そしてまず俺は横にごろんとなり周りを見ることにした。


見た感じ文明レベルは俺がいた時代よりはるかに劣っていた。

まず電力がなさそうだった。見上げても電球とかそういう類のものが無いのだ。

部屋の構造もそれこそファンタジーゲームのような造りになっていた。

座るとふかふかしてそうなソファー。壁に飾ってあるでかい絵画。

値段が高そうな剣と盾も飾られてある。


ここからだと外も見えるようになっており、外はどんなものかというと田舎と言えばいいのだろうか。

とても空気の綺麗そうな風景が広がっていた。


ここから察するにどうやら俺は田舎だが割りと裕福な家庭に転生させられたのだと考える。


しかし広いな・・・俺の家の10倍ぐらいの広さじゃないか?

でもネットが無いのはきついな。お気に入りの実況者の動画見ることができないとかきつい。

てかそうだよ。俺の娯楽系がほぼほぼ消えたのか。まじ辛たん。


はぁまじでどうするか。どうしようにも何もできない。

ごろごろするしかできないし、それほどここが危険ってわけでも無い。


だがしかし、これが夢って事も捨てられないな。

とか考えたら眠くなってきたので、

俺は寝ることにした。どうか眠りから起きたら戻ってますようにと願いながら。



ふと気づくと俺は真っ暗な空間にいた。

いや、いると言うのは少し御幣があるかもしれない。俺の意識が真っ暗な空間に飛んでいた。

というのが正しい表現だろうか。これも夢なのだろうか。

俺の意識がその暗闇に寄りかかると突如声が響いてきた。


「私と絆を深めしものよ。自己紹介をしよう。私は世界そのものだ。」


俺は、はぁ?何言ってんだこいつ。頭おかしいんじゃないの? 

とか言おうと思ったが

この空間ではしゃべれないことに気づく。


「急な出来事で困惑したかもしれないが、君は私が連れてきた。しかし、君失礼だね。」


うわこいつ心の中読めるのか?と思ったら


「そうだね。大抵の事は読めてしまうよ。なにせ私は偉いからね。だって世界だしね。敬うといいよ」


とかアホなことをこの世界と言うやつは言ってきた。


だが俺は察してしまっていた。相手が世界と言ってきたときには。

そうかもしかしてここは今日やろうとしていたゲームのシンクレアの中なのか?

それなら世界と対話してるのも不思議ではない。だってパートナーに「世界」と書いたのだから。


「そうだよ君は私とパートナーを組むことになっている。

だが私は世界そのものだ。直接この世界そのものに干渉することはできない。

これはあらゆる世界の掟だからね。だが君個人には多少なりともできるんだ。」


とりあえず俺はなぜこの世界に転生させた?と疑問をぶつけた。


「そうだね。君は前の世界には嫌われていたんだよ。

そして君自身にもその世界を嫌っていたような節があったからね。

だから私がこの世界に転生させた。駄目だったかい?」


いや別にいいんだが、むしろなんかワクワクしてるんだが。

ここがシンクレアというなら

魔法や精霊術、色々な種族を見ることが出来る。それはとても楽しそうだ。


「そうか、それはよかった。おっともう時間がきたようだね。

ちなみに私と話すことはそんなに多くは出来ないからね。だから君には私の加護を授けている。

眠りから戻ったら「メニュー」と心の中で浮かべるといい。そうすると色々はかどるよ。

ちなみにステータス等は君が最初にキャラクリで作ったまんまだよ。見た目以外はね。

さぁ君の新しい人生だ。好きに生きるといい。」


とか言いたいこと言いながら世界というやつは消えた。


すると今まで暗闇だった所から徐々に光が差し込んでいき暗闇が割れた。



そして俺は目を覚ました。横になると窓から夕焼けが見える。どうやら戻ってきたようだ。

俺を見守っていたのだろうか母親だろう人が隣で座りながら寝ていた。


俺はどうしたもんかなぁとか思っていると近くの扉がノックされた。


「奥様。メイドのシェリルです入ってもよろしいですか?」


しかしこの奥様起きる気配が無い。


「よろしいですかー?」


と扉の奥から聞こえてくる。


しかし起きない。結構大声で言ってるはずなのにな。


「入っちゃいますよー。いいですねー」


とか言いながらそのメイドとやらがドアを開けた。


入ってきたメイドはそれこそテンプレメイドだった。


服装はメイド服で違和感等ほとんど無い。

頭にカチューシャを付けて綺麗な黒い髪を後ろにまとめて結んでいる。

年は30ぐらいだろうか。大人のフェロモン的なのもにじんできている。

顔立ちも可愛いというより綺麗が似合いそうだ。


つまり何が言いたいかというと、


いやぁいい仕事してますねー。


だ。俺のドストライクなメイドだった。


「奥様また寝ちゃって。こうなると起きないんだから。」


とかぶつぶつ言いながら俺の元へ来る。俺と目が合うとそのメイドは


「くぅちゃん起きてるのね。あぁ可愛いわ。可愛くて食べちゃいたいわぁ。」


と、恍惚な顔をして言っていた。


とりあえずそれを聞いて俺は思いっきり泣いた。泣きまくった。


だまされるな俺、これは普通のテンプレメイドではない。ヤンデレメイドだ。

そう認識した。

さっき神がステータス通りに転生って言ってたからきっと俺は男だろう。

このメイドには気をつけなければ。やだ!食べられちゃう!


俺の鳴き声で母親は起きたが、

それに気ずかづにまだメイドは頬に両手をあてハァハァしていた。


起きた母親はメイドを見てギョッとしていたが、

用事があったのかメイドと一緒に部屋を出てしまった。


そう言えば世界とやらに「メニュー」と念じればはかどると言ってたなと思い出す。


俺は心の中で「メニュー」と念じるすると目の前に色々と項目がでてくる。


上から、[編成]、[装備]、[アイテム]、[魔法]、[メモ]、[ステータス]


と表示されていた。


説明書で書いてあった通りだ。

まぁ編成はおそらくパーティー組むときに使うのだろう。

装備も剣とか持てばおそらくはちゃんと表示されるだろう。


アイテム欄を開くと[世界級ランダムセット]が置いてあった。


あれ?俺が取ったのは[ランダムセット]だ。

それがなぜか世界級という変な物が頭についている。これはいい事なのか?


まぁまずはそれは置いておいて次は魔法を調べる。

なーーーーーんにも無かった。そう真っ白だった。

どうやらまだ魔法は使えないみたいだ。

え?使えるよね?世界さん。使えるよね?

30歳で条件満たさないと使えないとかないよね?


次はメモを開く。これは思ったこと書き込めるのだろうか?

試しにメモに[現在一番危険なのはメイド]と念じた。

するとメモには念じたことが表示された。


メモを閉じまた開くとそこには、

[現在一番危険なのはメイド]と表示されていた。

なるほどこれは便利だな。これでも結構チートじゃね?テスト100点じゃん。

とか思いながら書いた文章を削除して閉じる。


最後にステータスだ。とりあえず開いてみる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


種族:人間

名前:クーデリア・セシル

性別:男 称号:世界と絆を結んだ人間

ジョブ:絆人

レベル:1


HP:10/10

MP:10/10

STR:10

DEF:10

MAT:10

MDE:10

AGI:10

LUK:10


スキル:世界眼


加護:世界の加護


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


おおう、なんか増えとる。


てか俺の名前クーデリアっていうのか。初めて知ったぞ。

そして加護はあるって聞いたが称号とスキルがある。


称号の内容をみると



[世界と契りを交わした人間]

この世界と契約した人間。ここではない世界に転移すると消える。



称号をみるとやはりここ以外にも世界はあるようだ。

そして一つ一つ世界にも自我があり、

俺はそのうちの1つと絆を結んだと考えるのが妥当だろうか。


スキルの内容はというと



[世界眼]

この眼で見た物のステータス情報を表示できるようになる。

しかし見たくないものも見てしまう可能性があるので注意。

だが訓練次第ではステータス以外の事まで見ることが出来る。

ここではない世界に転移すると消える


きたこれ!いわゆる鑑定だろ。これは便利だ。

しかし訓練次第で見えないのも見えるようになるらしいのでまずは試してみよう。


俺は世界眼を念じながら自分が寝ているベッドを見てみる。



[魔法の幼児用ベッド]

魔法の幼児用ベッド。

エルフ村産地の特殊な木で出来ており

RANK:E以下の魔物は近寄れない。



これ魔法のベッドだったのか。

でもあのメイドさん近づいてきてたぞ。

あれはどう考えても人間の皮を被った魔物じゃないか。

おいベッドちゃんと仕事しろ!


そして俺は最後に残った世界の加護を見る



[世界の加護]

世界と絆を結んだものに与えられる加護


・経験値を決められた値の10倍取得することが出来る。

・レベルアップ時に全てのステータス上昇大。

・この世界の目視出来ないものを目視することが出来る。

・死んでしまう衝撃をもらっても任意で一度耐えることが出来る。

・この世界の言語を自動翻訳させ、多様な言語をしゃべることが出来る。

・所持者の任意で他の加護持ちの効果を無効化出来る


ただしここではない世界に転移すると消える。



いやこんなん勝ち組やん。そら関西弁でるわ。


そしたら母親とメイドが幼児用の食事を持ってきたので、

俺はそっとメニューを閉じてこれからの異世界ライフに心を躍らせた。


その際食事が熱くないか確かめるのにメイドことシェリルが俺のスプーンで味見していたが俺は怖いので見なかったことにした。

忘れよう。うん。自分のスプーン使えよとかは言えない。

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