俺、召還する。
ミンがきてだいぶ月日がたった。
今日もシェリルとミンは訓練をしている。
俺はそれを眺めながら今日は何をしようかと考える。
もう最近は歩くのにもしゃべるのにも不自由しなくなってきた。
そろそろいいかな?
俺は久しぶりにメニューを開いて[世界級]召還獣チケットを取り出す。
もう使っても大丈夫だろうか。もうちょい俺が大きくなったら使ったほうがいいか?
いやでも召還獣だし、獣って書いてあるから何か母親とかシェリルに言われたとしても
拾ったって言えばいいか。
召還獣が強ければ村の外に出て魔物を狩れるかもしれない。
まぁ身の安全は保障できるだろう。
俺は家に戻った。
そして家の庭で召還獣チケットをメニュー欄から開き使うを念じた。
本当に使いますか?とメニュー欄に出たので、はいと念じる。
すると俺の頭に聞いたことのある無機質な声が響く
[どんな召還獣がいいか事前に決められます。]
[1:狼 2:妖狐 3:天使 4:鳥 5:精霊 6:竜]
[7:幻想種 8:サキュバス 9:悪魔 10:死霊]
まじか。選べるのか多いな。
めっちゃ迷う。サキュバス選んだらあれなのか。毎日賢者モードなのだろうか。
世界級って書かれてるぐらいだしすごいのくるだろう。jk
でもシェリルにばれたらきっと殺されるので論外だ。残念だ。
本当に。。。。。。。。。。残念だ。
消去法で行ってみよう。
まず悪魔と死霊はない。だって怖いじゃん。
狐、鳥もないな。弱そう。
と、なると天使、狼、精霊、竜、幻想種の中から選ぶのか。
俺の魔法は超攻撃的って書いてある月魔法だ。
だからそれをカバーできそうな防御系召還獣がいいのだろうか。
ぼくいたいのやだー。
なので俺は防御系に絞ってくれと念じたら、項目から天使、狼、竜が消えた。
すると残りは精霊か幻想種になるのか。
あ、精霊にしようかと考えてたらあのクソ精霊思い出したわ。
はい幻想種っと。
俺が幻想種がいいと念じると、召還しますか?もうやり直せませんよ?と頭に響いたので、
あぁいいぜ。と承諾する。
すると俺の手の中にあった召還獣チケットがなくなり目の前で魔方陣らしきものが展開された。
その魔方陣はきーっと音を立てながら青白く光りくるくる回りながら輝きを増していく。
さすがに眩しすぎて俺も目をぎゅっと閉じる。
そのまままじでなんか強いのでてこいよと俺は祈る。
次第に光りは収まっていき、目を開けるとかろうじて前が見えるぐらいにまでなった。
そのまま俺が目を前に向けるとそこには、
銀色の帯をし、金色の着物を着て、番傘をさしている女性が立っていた。
身長は170cmぐらいだろうか。俺からしたらでかい。
召還の光が収まった時その女性が話しかけてきた。
「もしかして私を召還したのはあなたですか?」
俺はとりあえず、そうだな。と言うと、女性は困ったかのように
そんな。こんな小さい子に召還されるなんてありえない。一体どういうことなの。
とつぶやきはじめた。
「坊や?。いいのよ、嘘つかないで。私を召還した人はどこかしら?」
と聞いてきたので、
両手を脇にやりながら胸を張って
「俺だ!ていうかとりあえずその傘しまおうよ。」
と答えると、その女性は確かにそうね。と答え傘を閉じた。
するとそこから出てきたのはめっちゃ美人だった。
おそらくすれ違ったら100人中100人が振り返るであろう美貌の持ち主だ。
綺麗な黒髪は肩までかかっており、目もぱっちりしていて、まつげも長い。
肌も透き通っていて、俺がいた故郷の顔立ちと良く似ている。
女性は閉じた傘をくるくる回しながら
「本当に?」
とまだ、懐疑的だったので俺は
「そうだ。」
と俺は言う。
すると女性は困った顔をしていたが、自分で納得したようで
「本当なのね。まぁいいわ。私は東の国で崇められてる幻想種の蘭と申しますわ。坊や。
だけどこんなちっちゃい子が私を召還するなんてよほどすごい子なのね。」
と不思議そうに俺の目を覗き込んでくる。
「俺はクーデリアだ。蘭ってよべばいいのか?」
「えぇ良いわよ。私は坊やの事をなんて呼べばいいのかしら?ご主人様?」
なにそのご主人様って響き! いぃ!とてもいぃよ!
「じゃあそれでよろしく、蘭。まぁ別にクーデリアでも良いから呼び名は好きにして。
で、蘭ってすごい奴なのか?」
俺が質問すると蘭は困ったかのような顔をして、
「うーん、、すごいって言うか、私は幻想種の始祖にあたるかしら。全ての幻想種は私に従うわよ。」
まじか。。俺はとてつもない奴を召還してしまっていたのか。
また1つチートに近づいてしまったか。
「なるほど。じゃあこれから俺が死ぬまでよろしくね。」
「分かりましたわ。ご主人様。それと急に呼び出されたもんだから、向こうに置いてきた子達に
事情を話さないといけないの。ちょっと行ってくるわね。」
「あぁ、了解」
俺はそう返すと、蘭はまたね、と言って不思議な光に包まれて消えた。
とりあえずこれからの事について考える。
召還してしまったことはしょうがない。ただ獣だと思っていたので、拾ったって言えば何とかなると思ったが、
人型の召還獣だった。みんなになんて言えばいいんだこれ。
ばれたらまずあのメイドがうるさそうだし、両親も怪訝な顔をするかも知れない。
この前神殿でやったステータスチェックで俺に召還系統の能力が無いと判断しているからだ。
少し軽率だったか?
まぁ悩んでいてもしょうがない。なんとかなるだろう。いざとなったら本当の事いえばいい。
チケット拾って使ったらなんか出た。 と言えば大丈夫だろう。大丈夫なのか?
そんな事を考えていたらもう外は夕焼け空になっていた。
そろそろシェリルとミンの訓練が終わるころだろう。
すると廊下から,くぅちゃ~~んお皿出すお手伝いして~。と聞こえてきたので、
俺は庭からリビングに入って母親のそばまで行き皿を出す手伝いをすることにした。
「母上、今日のご飯はなに?」
と俺はきくと、今日はワーウルフの肉よ。ミンの宮殿から送られてきたの。
と嬉しそうに母親は言っていた。
「ワーウルフってなに?」
「ワーウルフって言うのはとっても強くて怖いのよ。くぅちゃんは近づいちゃ駄目だからね。」
なるほど、強い動物なのか。てか動物っていうか魔物に近いのか?分からん。
でも嬉しそうな顔をみると美味に違いない。確かに今までに無い良い匂いがする。
とりあえずテンションが上がったので、皿を並べた後シェリルとミンが帰るまで、
母親の手伝いをする。
少し時間がたつと2人が帰ってきた。相変わらずミンはボロボロで、お腹すいた~
と言って廊下にへばっていた。
俺はそんなミンを両手で引きずりながらリビングまで運び、その後夕食になった。
ワーウルフの肉はそれはもう、、とろけました。
そして次の朝、屋敷中にぎゃあああああああああああああああああぁぁぁぁぁ
という悲鳴が轟き、俺は何事かと思い身体を起すとそこには、
なんか指差して白く灰になってるシェリルと
その指の先には俺の布団の隣で浴衣姿で寝てる蘭がいた。
とりあえず蘭の寝顔はとてもかわいいなぁと俺は現実逃避した。