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俺、皇女を見直す。

「おねがいします!」


今広場でミンがシェリルを前に訓練の指導前の挨拶をしている。

どうやらそろそろ訓練が始まりそうだ。


「では、お手並みを拝見します」


シェリルもミンを見て綺麗なお辞儀をする。


「まずは全力で私にうちこんできてください。」


シェリルは負けるはずがないみたいな感じで余裕の態度でミンに言葉をかけた。


「でわ行きます!」


ミンは両手に剣を構えてドッっという感じで地面を蹴り上げシェリルに突っ込んだ。

そのままシェリルの手前で飛び上がりシェリルめがけて上から剣を振り下ろす。


おいおい、危なくないか?と思ったが、


シェリルはそれを見て身体を右側に半身ずらし剣をよけ着地したミンの足元を右足で払った。


足を払われたミンはそのまま地面にダイブし、へぎゃっ、っていう皇女らしくない声をあげ倒れた。


「さぁ倒れてる時間なんてありませんよ。どんどん来てください。」


シェリルは地面に倒れてるミンを見てもっとかかってこいと言っている。


それに対しミンは立ち上がり、


「絶対私とソナスちゃんで一発当ててやるんだからー!」


と言って立ち上がりまた剣を構える。


ソナスちゃんって持ってる剣の事?イタイヨーこの皇女イタイヨー。


シェリルもソナスちゃん?と言って首を傾げてるが、その間にもミンはまたシェリルに突っ込んでいく。

ミンは今だ!と言わんばかりに走る速度を高め、今度は切るじゃなく、突く方に方向転換したようだ。


だがそれもシェリルはその突きをすんでのところでかわした。


ミンは勢いつけすぎたのか止まらずに

そのまま、あわわわわ、と言いながら思いっきり広場の花壇に頭を突っ込んだ。


なにちょっとかわいいんだけど。とか思ってしまった俺が嫌だ。


そのような練習が続き夕方にはボロボロのミンが広場で大の字に倒れていた.


俺はお疲れと言いながらミンに水を渡す。

ミンはそれを受け取った後勢い良く飲み干し、


「いやー、やっぱりシェリル先生強いねっ!」


さっきまでボロボロにされたにもかかわらず、めっちゃ笑顔で俺に言って来た。


「あぁ、そうだな」


俺もさっきの模擬戦を見てたので素直にうなずくことが出来た。


「とりあえずシェリルも水」


と言ってシェリルに水を渡そうとするとどこからかストローを2本取り出し、


「せっかくだから一緒に飲みましょう。くぅちゃん。」


と言ってきたので俺は渡そうとした水を飲み干した。

ふぅ今日もいい仕事したぜ。


「あぁ私、今現在進行形でくぅちゃんにいじめられてますわぁ~。これはこれでイイ!」


そんな言葉が聞こえた。何お前嫌がらせされて興奮してるの?変態なの?

あぁよく考えたら変態でした。


後ろにいるミンを見たら、


「ソナスちゃん。今日は私がふがいなせいでこんなに汚しちゃってごめんね。もっともっと強くなって、

ソナスちゃんをもっと扱えるようにするからね。あぁ早く汚れ落として綺麗にしたいわ。

帰ったら隅々まで洗ってあげるからね。」


こっちにも剣の変態がいました。はっ!。変態に挟まれただと。。。


ちょうどいい所にガイとイリスが歩道を歩いてるのが見えたので、


あ、ガイだぁ!で指差したら、

え?どこどこ?って言ってミンがすっ飛んで行きました。

ガイまじ優秀。


めんどくさそうなのを押し付けた後俺はシェリルに


「家に帰ろうか。」


と伝えると手を強制的につながされ家まで戻ることになりました。


少し立つとミンが帰ってきて母親が作った飯をみんなで囲むことになった。


ミンとシェリルは運動したからか良く食べる。

もうこれでご飯のおかわり3杯目だ。


「とってもおいしいです!フェリ!王宮じゃこんな庶民的なの食べれませんから!」


とか言ってディスってんのかディスってないのか良く分からない言葉を発している。

おい、米飛んでるぞ。


俺は飯ついでにミンに聞きたいことを聞くことにした。


「ねぇ。なんでミンはどうして強くなろうとしてるの?

今日見てて充分だったと思うけど?」


ミンは俺の質問を聞いた後、優しい顔で微笑み


「私はおじい様みたいになりたいのです。

おじい様はとても立派な国王で、一番に民を守り、戦場となれば一番に戦場に駆けられる。

そんな風になりたいと思っています。」


そう言いながら箸を置き両手を胸に当て


「そして私の事をおじい様はとてもかわいがってくれました。

剣を授かるときもおじい様からは「優しくて強い子になりなさい」と、そう言われました。

だから私は今のうちに強くなって立派になりたいのです。」


俺は絶句していた。ただの剣の変態だと思っていたがそうで無かったのか。。

俺は今までミンを勘違いしていた。


ミンは皇女としてもう立派なものを持っている。

これから先尊敬に値する人物になるかもしれない。


俺はそう思って、


「まぁ応援するから、がんばれよ」


とミンに言った。


ミンは驚いた顔をして、


「大体この話するとそれは男の領分だとか女性ならもっと静かに過ごしなさいとか言われて

笑われるから、そう応援されるのは初めてだよ。」


とミンは少し恥ずかしそうにしていた。


いやいや恥ずかしがらないでくれ。なんかこっちも恥ずかしい。

何これラブコメなの?とうとう意識しないまま俺の時代きちゃった?


「でも皇女様。くぅちゃんは渡しませんからね。」


デザートを切っていたシェリルがナイフ持ちながら

放った一言でこのリビングのラブコメ雰囲気が消し飛んだ。

なんでこっち見ながらデザート切ってんの?ちゃんとデザートの方見ようよ。


なんだか気のせいかうっすら寒気もする。


あぁ渡りたい。今すぐ暖かそうなミンの胸に飛び込みたい。

あ、でもまだ3歳ぐらいだから大丈夫か。少々のお茶目は許されるはずだ!

いける!今逃げるんだ!


ぐへへ、お嬢さんの胸に飛び込んじゃうぜ。


俺はミンの胸に飛び込もうとジャンプしたら俺とミンの間にナイフがヒュッっと音をして通り過ぎ

家の柱に突き刺さった。


ひぃ!ってミンから声が聞こえ、


「く ぅ ち ゃ ん ?」


とシェリルからはとても怖い満面の笑みを浮かべていた。


俺は汗をだらだらかきながらシェリルにうなずく事しか出来なかった。

シェリルの前でバカはやめよう。そう心に誓った。


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