表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/17

杉田くんとお話

「へぇーじゃあ郁ちゃんの方から告ったのかぁ」


「…え、えぇまぁ」


目の前でにこにこと笑うのはつい最近出会ったばかりの杉田くん。


なぜ…こんなことに



さて、まずは今日のお昼まで遡ってみましょうか。





お昼休み、いつものようにりんちゃんとお昼を食べているところに藤咲くんが訪ねてきました


「ごめん、今日一緒に帰れない」


「え」


「委員会、先帰ってて」


藤咲くんはあの宣言通り、なにも用事がないときは一緒に帰ってくれます。そして用事がある時はこのように言いにきてくれます…正直、まだ慣れてないので、て、照れる


…って、照れてる場合じゃない、今日は言おうと思っていた事があるんだった


「あ、あの…その、終わるまで、待ってても良いですか?」


「なんで?」


「…その、い……一緒に、帰りたくて」


「…?」


…委員会とか職員室とか割とすぐに終わる用事もあったりするから、それくらいだったら待っていたいなぁ、なんて考えたものだから言ってみたんだけどこの、理解し難いという表情は…


だめかぁ…やっぱり


というかよく考えたら藤咲くんそんな私と一緒に帰りたくないかもしれないし…ゔ、考えたくないけど


「……あ、あの、変なこといってすいません。やっぱりいいで…」


「なーに言ってんだ藤くんは!」


「痛っ、何すんの杉田」


「あ、こんにちは、杉田くん」


「どーも郁ちゃん!」


後ろからヒョイッと現れて突然藤咲くんをはたいたのは(自称)藤咲くんの友達の杉田くんだ。文句を言う藤咲くんを、も、もう一回叩いたっっ?!


「アホか藤くんは!せーっかくこんな可愛い彼女が帰り待ってたいなんて可愛いこと言ってるんだぞ、喜んで待っててもらえ!」


「いや、用がないなら帰った方が良いでしょ…待ってる必要なんて」


「はぁーわかってない!お前は乙女心を全然わかってない!」


「い、いやあの杉田くん。私は別に良いので…」


「ほらぁ!藤くんがそんな風に言うから郁ちゃんがショック受けてるだろ!郁ちゃんと帰るの嫌なのか?!」


「…別にそうじゃないけど」


なんか、完全に置いてけぼりにされた感があるんだけど。…というか、嫌ではないのか良かった

一応ホッとしていると杉田くんが、よし!と手を叩いた


「決まりな!じゃあ今日はこいつを待っている間俺と話そうか郁ちゃん」


………え?


「なんでそうなるの、それお前がただ話したかっただけだろ」


「なんだよー藤くん妬いてるのか??」


「は?!違うから、好きにすればいいだろ……じゃあ、先にいくから」


そういうとスタスタと藤咲くんは教室を出て行ってしまった。


「あーあぁ、すねちゃったな」


あはは、と笑う杉田くん


「…。」


すねた…というか単に見当違いなことを言われすぎて怒ったんじゃ…


「ごめんな郁ちゃん、じゃ、放課後ここで」


「あ、え、はい」


と、杉田くんもササーッと教室を出て行ってしまった。


それをみて、はあぁーーっと思いっきり息を吐く


…つ、疲れた!!!なんだろうこの疲労感


「…郁、あんた濃い知り合いが出来たね」


「あ、ごめんりんちゃん、ほったらかしにして」


「あーいいよ、みてるだけで充分。なんか、改めて彼氏をみて郁が普段苦労してるのがわかったわ」


「…りんちゃん面白がってない?」


なんか、にやにやしてるよ?楽しそうだよ、りんちゃん??


「まさか。…あ、今日の事、後で報告してね、待ってるから」


「りんちゃんやっぱり楽しんでるよね?!」



と、まぁこんな会話をして


気づいたら放課後。つまり



「郁ちゃん何て言って告った?」


「え?!い、言いませんよそれは!」


冒頭へと戻るというわけです。


放課後、教室で座っていたら支度が終わったらしい杉田くんがすぐにここに来て気づいたらもう既におじゃべりがはじまっていたという…


杉田くん、恐るべしコミュ力…!!


「はー…本当に面白い郁ちゃん。あ、そうそう」


「?」


「郁ちゃんって同い年だろ?せっかく話せたんだし敬語をとって欲しいなーって…無理?」


「え?!はい、っじゃなくて…うん!」


杉田くんはニコニコしながらどんどん話題をふってきてくれるので、とても話しやすい。自分から話すのって苦手なんだよね


「じゃあさ、ついでに俺のこと名前で呼んでもらおうかなぁ」


「え、えぇ?!」


「いやもうタメ口のついでだと思ってさ、俺普段杉田くんって呼ばれないからなんだか変な感じで…」


「え、と、わかった。…純平くんでいい?」


「お!いいねそれ、ありがとう!」


「ど、どういたしまして…?」


杉…じゃない純平くんは本当に社交的だよなぁ。私もこれくらい話せたら藤咲くんともっと話せるのかな


「それにしても、藤くんの変わりようには驚いた。どんな子が彼女になったのか本当に気になってんだよなー」


「え…?そんなに変わりましたか藤咲くん」


「変わったよ?!すごく、なんていうかなぁ…こう、人間らしくなった」


「なんですかそれ」


しまったつい笑ってしまった。


「郁ちゃん?笑ってるけどこれが一番良い例えなんだぞ。ほら、表情とか柔らかくなったし、気とかもなぁ、なんっか間違ってるけど使うようになった!」


「気?」


「そうそう、気!今日だって郁ちゃんが待ってるって言ったの断ったのだってあいつなりに気を使ってのことで……あ、」


「…?どうしたんですか」


「終わった、帰るよ」


「あ、藤咲くん」


「おー終わったか藤くーん。いやぁそれにしても良いタイミングで…」


「…余計な事、言わなくていいから杉田。ほら、はやく帰るよ」


「えっ!ちょっ、藤咲くっ?!」


「おーおー、また明日なぁ二人とも」


ぐいぐいーっと私を引っ張る藤咲くんに驚きながらもなんとか純平くんに手を振る。純平くんはとても楽しそうに笑っていた



それにしても、めっちゃ歩くの早いですよ藤咲くん。

それに…手っ、手が掴まれているんですが!!そこに関してはスルーですか、あの、私が持たないんですが!!あのおお?!


なんだか更新が遅くなりましたー

今回は杉田くんとのお話です。彼が今だつかめませんが良いやつではありますね

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ