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大罪と美徳 短編集  作者: 秋雨
カップリング
8/31

来島アキと北郷正輝の対面

裕樹と怜奈のカップリング、まだ終わってないけど

何となく執筆が進んだので掲載します。


何となく、アキと正輝の対面ってこんな感じになるかな?

って

「――初めまして、と言うべきか? 来島アキ」

「ええ。初めまして、北郷さん」

「……わかってはいた事だったが、やはりショックはあるな」


来島アキは自分の親が住んでいると言う街へと、赴いていた。

その帰りに1人の男――正義の契約者、北郷正輝と対面。


記憶はないが、彼とは幼馴染だったらしいと言う情報を思い出し――正輝のぎこちなさも、納得していた。


「知識としては知ってますよ。ただ、記憶としては……」

「いや、忘れてくれた方がいいさ。ただ、話をしたい――ちょっと来てくれないか?」

「構いませんが、いいのですか? 貴方は……」

「――出来れば我も、気持ちの整理をつけたいのでな……出来る事なら、この手で救いだしたかった位だ」

「そうですか」

「淡々と返してくれるな――まあ、どうなったかは知っているから、文句はないが」


そう言って、正輝は苦笑する。


「それに、私も貴方と話をしてみたい――そう思ってましたから」

「――何が聞きたい?」

「“欲望を斬り捨てた正しき世界”――貴方の正義が目指す世界について」

「……」

「――貴方達が何を見て、何を感じてそう思ったのか等、その場に居合わせていない私が言っていい事ではないかもしれませんが……」

「――人には欲望が必要で、まだ限界ではないと、本心からそう言えているのか……とてもそうは思えんな。寧ろ欲望など必要ない、限界は存在しなければならない」


――人とは機能しさえすれば、それだけでいい。


「――人は機械か何か、見たいな発言ですね」

「これが間違っているならば、もっと違う未来があったろう? 志など存在しないままに、只管に他人を踏み躙り、否定し、殺す事を求める……それで成長などある訳がない」

「――だから貴方も殺し、否定するのですか? まだ契約者社会は始まったばかりで、変化の余地がない訳ではないのに」

「ならばまず、“互いに”遺恨を残さない方法の考案から、始めて貰いたい物だな――総取りしか頭にないなら、こちらとて譲歩も出来ん。死なねば納得しないと言うなら、こちらとて黙れはせん――踏み超えてしまった以上、退く訳にも行かん」

「……それがこちらの願いでもあるんですけどね。それより……」


アキはそこで、以前ひばり、綾香と共に赴いたあの人工島――北郷正輝と一条宇宙が、美徳の盟主の座と、方針の決定権を懸けた決闘を行った場所を思い出す。


「一条さんに勝利した事を、重く受け止めている様ですね?」

「――我のせめてもの人としての部分だ。“斬り捨てる事こそが最善”……それが正しさだと突きつけられたとしても、これだけはな」


そこで初めて、正輝が表情を曇らせ――自身の両の拳を見据える。


「――斬り捨てられるほど、軽々しい物ではない――そう思っている事こそ、貴方がまだ人である証ではないのですか?」

「やめてくれ、そう言われたら人を憎みたくなる――我の行動原理は、あくまで正義であり憎しみであってはならない」


それを聞いて、アキは頷き――


「――望む事は悪い事ですか?」

「悪い事だ」

「――それを否定される時が来たとしたら?

「あり得ないが、そうだな――もしそうだったら、子供が思い浮かべる空想を現実の物にしようとする事か?」

「子供が――ですか」

「色々とあるだろう? 雲の上の楽園、天空に浮かぶ城――漫画や絵本にしか存在しないそれを笑うのではなく、他人の否定からは絶対に生まれない物を生みだす事に、意味を見出したその時だ」

「――参考にさせて貰いますよ。私は少なくとも、笑う側ではないので」


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