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大罪と美徳 短編集  作者: 秋雨
大罪美徳親善企画集
31/31

季節企画話 『月見』

本日は十五夜

そんな日のある場所で……


「……ソバの手打ちなんて、初めてだ」


一条宇宙はソバを打ち……


「俺は、手製のつゆ作りってか、本格料理が初めてだ」


朝霧裕樹が、そのそばに使うつゆを作っていた。

勿論、今回の友好企画である“十五夜”の準備の為に、2人は月見そばを作っている


「……それはいいがなあ」

「……この量は流石に」


そう言う2人の顔は、げんなりしていた。

何せ荒川公人、鳴神王牙と3mの巨漢だけでも大変なのに、人億倍は食べる明治我夢が居るのだから、食事の準備も大変となる、

余談だが、王牙と公人はまるで鍋位はある特注ドンブリに対し、我夢のは風呂桶かとも言わんばかりの物である。


「「……はぁ」」

「どうした? ため息など……すまん、失言だったな」


配ぜんを手伝いに来た御影凪が、苦笑しながら謝った。



そして完成し……


「はっ!」

「よいしょっ!」

「はっ!」

「よいしょっ!」


「……なあ宇宙、凪、何やってんだあれ?」

「餅つき、じゃないか?」

「宇宙、朝霧が言いたいのは、何故王牙と我夢がそんなことしてるのかだと思うが」


「…………月見、だからじゃないか?」

「…………そうとしか、言えないだろうね」

「……めんどくせえ」


ビッグサイズの臼を囲い、鳴神王牙が杵を振るい、明治我夢が臼の餅をこねる


その様子を、月見ソバを持ってきた宇宙と裕樹。

そして、月見団子を作ってきた北郷正輝と天草昴、それを運ぶ荒川公人がそれを見て、呆気にとられていた。


「へえっ、団子うまそうだな」

「そうか? 褒められて悪い気はせんな」

「……って、北郷が作ったのかよ!?」

「茶菓子は茶の様に上手くはないがな」

「そうかな? 手際は良かったし……」


昴がげんなりとした表情で、正輝が運んでいる団子――1個でバスケットボールサイズの物と、その倍はありそうな団子に目を向ける。


「我夢君達の分まで準備するのも、手間があまりかからなかった位だったからね」

「……そうだな」


「何をやっている? 既に準備は整っているぞ」

「楽っちゃ楽でいいがな」


場を整えていた大神白夜と武田シバが、退屈そうに声を懸ける。


「ああっ、悪い悪い」

「……って、あれ? また女性陣が――」

「女性陣が、何?」

「ってなんだ、居たの……」


宇宙はそこで言葉が詰まった。


「「お・ま・た・せ♪」」


宇宙の目の前――そこには確かに、女性陣が勢ぞろいしていた。

しかし花柳月、アスカ・ホークアイがノリノリで、怜奈が恥ずかしそうにバニーガールの格好をしていて、宇宙は度肝を抜かれていた。


「……何やってるんだ?」

「何って、バニーガールだけど?」

「月と言えばウサギだからね」

「……おいおい――ってえ!?」


裕樹は2人の後ろ……身体を隠す様に縮こまってる、同じくバニーガールの恰好をしてる水鏡怜奈をみつけ、ぎょっとした。

さらに言えば、月が網タイツ、アスカが黒のストッキングを穿いてるのに対して、怜奈は素足で、雪のように白い肌を晒している。


「……はっ……恥ずかしい、ですよ。せめて、ストッキング位……」

「……おーいアスカに月」

「大丈夫よ。こんな真っ白できれいな肌、どこも恥ずかしい事はないから」

「そうそう、怜奈ちゃんだけに雪うさぎってね」

「…………(むっすうっ!)」

「あっ、詠……は、なんできぐるみ!?」


その横で、ムスっとした詠は、ウサギのきぐるみだった。


『……ふざけるな! こんな恥ずかしい上に、このおっぱいオバケどもと比較される様な恰好できる訳がない!!』

「ちょっ、おっぱいオバケは酷いでしょ?」

「そうだよ。オバケはないよ、せめて巨乳ちゃんとか……」

「――アスカさん、火に油です。それに恥ずかしさではさして変わりませんよ」


「さてと、ソバも並べたことだし、ユウはほっといてさっさと食おうぜ」

「オイコラシバ!! 何気に俺を生贄っぽい立ち位置にするな!!」


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