表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大罪と美徳 短編集  作者: 秋雨
日常ストーリー
3/31

慈愛 上級系譜のほのぼのシーン

「――はい、注文の品は全部入ってます」

「……では、これを」


慈愛の邸宅の生活必需品の搬入。

つぐみがチェックを入れ、蓮華が了承のサインを渡し、配達業者は帰って行く。


「……さて、仕事に戻ろう」

「はい」


蓮華がつぐみを促し、邸宅へと向かい……


『ないない♪』

「あっ、つぐぴょん」


その途中、手伝いの為に出したつぐみの思念獣、つぐぴょんが蓮華に飛びついた。


「っとと……コラ、悪戯してはだめだろう」

『みゅ~……』

「うっ……いきなり飛びついてはダメだ。まず、了承を得てからなら怒らない」

『ない! ないない!』

「わかった? よしよし、いい子」


叱られてしょんぼりのつぐぴょんに注意し、わかったと言わんばかりに両手を挙げたポーズをとるつぐぴょんに、蓮華は頭を撫でてやる。


『ないない♪ ――みゅー! ないない! ないない!』

「? どうした?」

『みゅ~! ないない! ないない!』


突然何かひらめいた、と言わんばかりにつぐぴょんは蓮華に、身振り手振りで何かを訴え始める。


「? つぐみ、何を言ってるのかわかるか?」

「うーん……多分、蓮華さんにお友達を創ってほしいんじゃないかと?」

『ないない!』

「お友達……別に構わないが」


正直躊躇はあった。


眼の前の垂れたウサ耳にうさぎのしっぽがあり、ゴスロリ衣装の思念獣。

これに並んで立っても違和感ない思念獣の作成等、自分に出来るのかどうか。


『ない!』


ピコっ!


「いたっ!」

『みゅー! ないない! ないない!』


つぐぴょんがピコピコハンマーを手に、蓮華に抗議。


「……わかった。やってみてあげるから」

『ないない~♪』


そう言って、つぐぴょんの前に手を差し出し――

蓮華は深呼吸し、精神を集中させ――差し出した掌に、思念結晶体クリアが姿を現す。


「蓮華さんまた早くなりましたね」

「これ位はな――さて」


次にイメージ――投影するは、自身の姿。

それをデフォルメし……


ポンっ!


『ふぅ~!』


頭にピンとたったウサ耳に、ウサギの尻尾を生やし、執事服を着ている蓮華の思念獣。


「…………」

『みゅー?』

『ふぅー?』

「……こっちでもか」

「?」


――蓮華の視線が、つぐぴょんと自身の思念獣の胸部に向いていた事は割愛。


『みゅ~♪ ないない! ないない!』

『ふぅ~……かう』


それはさておき、つぐぴょんは初めてのお友達の手を取り、一緒に万歳


『ふぅー! かう! かうかう!』

『ない? ――みゅ~』

『かう!? かうかう! かうかう!』

『みゅ~? ないない! ないない!』


「――こっちでも、蓮華さんがお姉さん的なの変わらないんですね」

「みたいね」

「あーあ……あたしも蓮華さんみたいな、頼れる女性になりたいな」

「私は寧ろ、怜奈様やつぐみみたいに、女性らしく可愛いや綺麗という褒め言葉を言われたい」

「じゃあ執事服じゃなくて、もっとかわいい服きましょうよ--っと、いけない。お仕事! つぐぴょん、おいで!」

「えーっと……そうだ! れんれん、行くぞ!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ