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大罪と美徳 短編集  作者: 秋雨
大罪美徳親善企画集
28/31

大罪美徳親善企画その2  “正負の演奏会“

「――さて、今回は……」

「演奏会、だそうだ」


ハーモニカを持った裕樹、オカリナを持った宇宙が、渋顔をする。


「…………」


眼の前では“嫉妬”の陽炎詠が、パイプオルガンを慣らしの為に、簡単な曲を弾いていた。


「~♪」


その隣では、ハープを奏でる“色欲”の花柳月。


「演奏会だなんて、緊張しますね」

「楽しみだなあ。ボク、こういうの大好きだから」


そういいながら、“慈愛”の水鏡怜奈はフルートを。

そして“友情”のアスカ・ホークアイが、エレキギターとアンプを手に、それぞれ裕樹と宇宙の隣に立っていた。


「――もちっと気の利いた楽器、用意すべきだったかな?」

「ああ……なんか場違いな気がしてきた」

「くだらん事言っていないで準備しろ」


そう言ったのは、4つのティンパニーを並べ、軽く叩いている“正義”の北郷正輝。

打楽器を使っている事にらしいなと思いつつ、2人は苦笑。


「よしっと」


更にその後ろでは、大きな和太鼓が据えられていて、その近くに“希望”の王牙が立っている事に、納得していた。


「……人に披露する、と言えるほど上手くはないのだがな」

「それは僕も同じだよ」


そして、ヴァイオリン――それも、年代物のストラディバリウスを手にした“誠実”の御影凪。

そして、クラリネットを持った“知識”の天草昴


「へえっ、意外なチョイスだな。大神」

「……」


無愛想にそう返す“傲慢”の大神白夜は、トランペットを。

そして“強欲”の武田シバはアコースティックギター。


「――大神の奴は、元が美男子なだけに流石に絵になるな」

「俺もそう言うチョイスするべきだったかな?」

「自覚あんのかよ……で、大罪の巨漢どもは」


「……めんどくせえ」


まず眼に入ったのが、“怠惰”の荒川公人。

その手には、特注サイズのシンバルがあった。


「ふーむ……」


そして、“暴食”の明治我夢。

彼はスーザフォンと言う楽器を持っていた。


「……」

「……」


2人は自身の楽器と周囲を見比べ……


「……見劣りしないか? 俺達」

「……そもそもジャンルバラバラなんだし、仲間内なんだから。気にしない方向で」

「……そうだな」

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