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大罪と美徳 短編集  作者: 秋雨
大罪美徳親善企画集
27/31

大罪美徳親善企画その1  “最強のサッカー王!“

場所は政府直轄区画、特設スポーツスタジアム。


「さあ政府主催、大罪美徳交友プロジェクト・スポーツ部門――親善サッカー第1試合は、いよいよPK戦に突入です! さて、実況を務めますは憤怒の上級系譜、久遠光一。そしてゲストとして……」

「政府首相、井上弥生です」

「では参りましょう。PKに挑むのは、やはりプレイヤー、ゴールキーパー共に、大罪美徳共に最強格となります」


・大罪チーム

朝霧裕樹、武田シバ、明治我夢、荒川公人、大神白夜

GK 明治我夢


・美徳チーム

一条宇宙、御影凪、天草昴、鳴神王牙、北郷正輝。

GK 北郷正輝


「首相、この布陣についてはどうお考えでしょうか?」

「――大罪側は、契約者で最も身体が丈夫な我夢君を置いてるのは、まず良い判断だと思います。美徳側も、北郷君なら当たり負けをする事はまずない……どちらも、そう簡単には抜けないでしょうね」

「さあ、勝負はまだ始まったばかり! さて、観客席では……」


「……アスカさん、スカートの丈が短すぎます」

「良いの良いの、怜奈ちゃんとボクなら、鼻血必須の応援だから」

「――応援が鼻血必須じゃ駄目ですよ」


「……美徳勢応援席では、水鏡怜奈さん、アスカ・ホークアイさんによるチアリーディングが行われている様ですね。何というか、男性陣の大半の鼻の下が伸びてるのが眼に見えます」

「怜奈ちゃんの美貌は、私でも羨ましいと思う事があるからね。それにアスカちゃんも、活発で明るいイメージはぴったりだと思うけど……あの恰好はちょっと」

「あれは十中八九アスカさんの用意した物と見て、間違いないでしょう。では、試合を……」

「? 久遠君、大罪側は?」


「…………」

「ほーら、詠ちゃん。しっかり応援しないと、別にいやらしい格好させてる訳じゃないんだから。ほら、フレー! フレー! た・い・ざ・い!」

「…………(だったら妾の横に立つな!! そのうざったい胸を揺らして踊るな!!)」


「……なんか試合会場がメチャクチャになりそうだから、やめましょう」

「……そうね。えっと……まずは大罪側、朝霧君ね」


「うおおおおおおおおおおっ!! ヴォルケーノ・シュート!!」


「おおっと、朝霧選手右足にマグマを展開した!」

「あら、爆発させて勢いを加速させたわね」


「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


「対する北郷選手、そのシュートに拳をぶつけたあっ!!」

「流石に契約者最強の攻撃力――朝霧君のマグマにも引けを取ってないわ」

「あーっと、朝霧選手失敗です! ――そして、美徳勢一番手は一条宇宙さん!」


「……」


「軽やかなダッシュです。そして、滑らかな動きで風を利用しての弾丸の様なシュート!」

「流石、風を操る能力者らしいわ」


「――ふっ」


「対する我夢選手、ボールを待ち受ける! ――が、ボールが曲がって、我夢選手飛びついたっ!! ゴオォォォォオオオル!!」

「――惜しかったわね」

「さあ、いきなり美徳一歩リード! しかしまだまだ勝負の行方はわからない! 果たして大罪チーム、最強の鉄壁をやぶるのは誰だ!!?」


「オレだあっ!!」


「おっと、そう宣言したのは強欲の武田シバ選手です!」

「シバ君負けず嫌いだから、いきり立つのも無理もないわね」

「では、まずは武田選手! おっと、シュートを打つ足に砂を纏わせ、砂漠の薔薇でコーティングしたぞ!?」

「シバ君の砂は、ああ見えて重いからね」

「さあ、シュートが撃たれた!! ――が、やはり北郷正輝の壁は、それ以上に固かったあっ!! さあ次は美徳側は、御影凪選手! 思念獣麒麟と融合し、駆けだし――シュート!!」

「今度はとれたわね」

「ダメです失敗! さあ、まだまだ勝負の行方は分からない――さあ次は、我夢選手の番だぞっ!!?」


「――小生の失態は、この足で取り返しましょう」


「さあ、3mに1tはあるその巨体に似合わぬスピードで、駆けだし――シュート!」

「――ダメだったわね」

「ああっと、残念! さあ美徳は、天草昴選手! 軽く駆け、足に光を纏わせ――光速キックによるシュートだ!!」

「昴君は契約者最速――速さは、重さにもなるから」

「ああっとダメだ、我夢選手に止められたあっ!! しかしすごい攻防戦、これは決まるか決まらないかが完全にわからない!」

「――普通止められない物ばかりだからね」

「さあて4番手! 契約者最強の怪力、荒川公人選手! のっそりとした動きで、いざシュート!! 対する北郷選手、やはりパンチで弾きかえ――」


ズンッ!


「いや、これは斥力場だ! ボールに斥力場と重力場を纏わせ、撃ちだしていた!」

「となると、パンチをはじく斥力、体にのしかかる重力と、二重攻撃ね」


「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


「ああっと、それでもやはりダメだ! 北郷選手、気合で弾き飛ばしたあっ!!」

「流石、秩序の要はダテではないわね」

「さあ、ここでとれば美徳の勝利は決まったも同然! さあ、鳴神王牙選手、決められるか!? さあ獣の、それも王者の風格を持ったそれの咆哮を思わせる声をあげ、爆あはつ力を生かしてのシュート……ああっ、ダメだ。通らない!」

「――我夢君も必死だわ」

「さあ、これでラスト! 最後は大神選手!」


「……ふっ」


「胸糞悪い不敵な笑みを浮かべ、駆けだし――シュート!」

「久遠君、私情は控えなさい」

「さ、北郷選手がパンチで――」


ぐにゃっ!


「いや、違う! シュートを繰り出す足で空間を引き裂き、その引き裂かれた空間の影響で、ボールの軌道とと北郷選手の位置が変わった! ――ゴオオオオオォォォォォル!!」

「流石に、空間の歪曲相手では、北郷君も万全――とはいかなかった様ね」

「さあこれで1対1、ラストは北郷選手――さあここが一番の見せ場でしょう!!」。

「最強の矛と盾――契約者社会の矛盾は、どちらに軍配が上がるのか?」


「――我が正義の鉄槌に砕けぬ物なし!」

「ぬかしなさいな。小生の鉄壁、そう簡単に砕けると思わぬ事です」


「おおっと、いきなり白熱だあっ! さあ、北郷選手駆けだして――シュート! そしてその渾身の一撃は、我夢選手の真正面!」

「――これは、サドンデスに……?」


ズンッ!


「なっ、何だ!? 我夢選手の足が、陥没したぞ!?」

「まだ、終わってない様ね」


「ぬっ、ぐっ……ううぅぅぅうおおおおおおっ!!」


「対する我夢選手、粘る粘る! どうだ、通るか!? 通らないか!? ――ああっ、ダメだ。地面が耐えきれず我夢選手を押し出し――ゴオオオォォオオル! 決まったあ、親善サッカー第1試合は、美徳の勝利です!!」

「まずは、美徳の勝利ね――でも、まだこれで決まりと言う訳ではないから、焦らない様にね」

「では、ここで皆さんへのお知らせです。この親善スポーツ、これがみたいと言うのがあったら、是非リクエストを! 以上、政府特設スタジアムからお送りしました」


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