表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大罪と美徳 短編集  作者: 秋雨
シリアス系
24/31

支倉ひばり強化計画

大神白夜と朝霧裕樹の戦いの後。

傷と疲れを癒したひばりは1人、武道場で備え付けの鏡と対峙していた。


「――あたしには、決め手と言える様な武器がない」


大神白夜がやって見せた、最強格たちのが持つ才能とも言える技能の再現。

一条宇宙の動きとスピード、北郷正輝の拳打、水鏡怜奈の受け流し、明治我夢の防御。

荒川公人の“超重隕石ギガメテオ”、鳴神王牙の“金剛爆斧アックスボンバー”、朝霧裕樹の剣戟を組みあわせた、独自の乾坤一擲とも言える一撃。


大神白夜はそれらを、オリジナルに劣るとはいえ再現して見せた。


「だけど――見つけた」


幸い自分は白夜と同じ万能型で、突出した力がないが苦手と言える物はない。

だったら、やり方次第では自分にも同じとまではいかなくても、相応の事は出来る筈。


ひばりは愛用の双剣を抜いて、構えをとる。

ただし、いつも自身がやっている構えではなく、朝霧裕樹が二刀流をやる際に取る構えをとって、朝霧裕樹の剣戟と動きをイメージし――。


「……鈍い」


剣を振るうが、鏡を通してみた自分の動きは、イメージとはかけ離れている。

ひばりは深呼吸をして、朝霧裕樹の動きをイメージし、自らと重ね合わせる様にして、もう一度――


「……鈍い」


振るうも、やはりイメージとはかけ離れている。

ひばりは剣を納めて、鏡の自分と向き合い――。


「――体格の差、能力の差……同じ最強格でも、差は出来る。大神さんは、それを克服して、オリジナルを連想させる程の完成度を見せてた……でも、どうやって?」


そこでふと、ひばりは思い出す。

大神白夜は、この力を“最強の眼”によるものだと言っていた


「――最強の眼……そうだ!」


ひばりはそこで目を瞑って、裕樹と白夜の戦いを思い出す。

――正確には。


「思い出すんだ……あの時のユウさんの動き、感覚、思考」


あの時、直接対峙していた裕樹とのブレイカーを介しての同調シンクロで感じ取っていた、彼の感覚。

それに身体を委ねる様に、ひばりはその感覚に従い――踏み込んで、剣戟を振るう。


「……違う」


手ごたえが感じられなかった。

と言うより、感覚が馴染まなかった。


「もっとよく、思い出さなきゃ。あたしには、最強の眼なんてない……友達を信じて、通じ合って、理解して、それから出来るって信じるしかない」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ