Ⅸ
ちょっと前回切るところを失敗して
今回短いです(´・ω・`)
「おはよう、イリア」
なんて悪い目覚めなのだろう。
朝から彼の笑顔と対面した。
「お、はよう…」
「俺これから出かけるから」
「あ、うん」
「絶対に外に出ちゃダメだよ?」
「え…」
彼はぽんぽんと私の頭を撫でた。
「帰ってきてからいっぱい甘えさせてあげるから、いい子で待っててね?」
「ど、どうして?」
「ん? 何が?」
「どうして、外に出ちゃいけないの?」
私の問いかけを聞くや否や、彼の表情は一気に冷めたものへと変わっていった。
「どうして外に出たいの? 俺以外に誰か会いたい人でもいるの? それともどこか行きたい場所でもあるの? 言ってごらん、怒らないから」
もう怒ってるじゃない。そんなことは決して言えなくて、私は力なく首を横に振った。
「なんだ、てっきりいるのかと思った。会いたい人が」
わざと言葉を強めてる。遠まわしに私を責めている。自分の思い通りにならない私に苛立ってるんだ。
「あ、でも会いたい人がいるなんて言われても、絶対に嫌だからね。言っても無駄だよ?その代わり、どこか行きたい場所があったら教えて? 連れてってあげるから」
デートだからね、なんて言う彼は、いつもの無感情とは一変して、とても嬉しそうな表情をする。
「それじゃあ行ってくるから。朝ごはんテーブルにあるから食べるんだよ?」
子供に言い聞かせるように言う彼におずおずと頷くと、彼はにっこりと笑って部屋を出ていった。同時に、ふっと身体中の力が抜けていく。怖かった…。
もう一度寝てしまいたいと思いつつ、朝ごはんを食べておかないと彼に怒られてしまう気がして、私は憂鬱な気分のまま着替えを始めた。