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今回も短いです(´・ω・`)
次回こそ・・・次回こそは・・・
「ねぇねぇシアン。またイリアちゃんと会わせてよ」
「嫌だ」
こんなことになるなら、こいつを家に呼ばなければよかった。
「イリアちゃんとってもいい子だったから、また話しでもしたいんだけどなぁ」
「別にイリアは話したくなんかないよ。もういいかな、帰りたい」
「だめ」
俺はそのふざけた態度に苛ついて、じっとレインを睨みつけた。
レインは王子だ。だけどそんなこと、俺には関係ない。
「鬱陶しい。帰る」
「だめだよ、シアン。最近おかしいよ」
レインは知ったような言い方で続ける。
「イリアちゃんに会って、シアンは本当に自分というものを確立できたね。それはとっても嬉しいことだ。でもね、人を大切にすることと束縛することは、似ているようで全然違う」
「うるさい。俺のことなんて何もわかってないくせに…」
「あ……、うん…」
レインの表情が悲しげに曇る。
「ごめんね?」
「ただいま」
俺の声に、イリアがびくっと反応する。
「…お、おかえりなさい…」
「あ、イリアちゃんと食べたんだね。偉いえらい」
俺が笑顔で言ってるのに、イリアの目は不安を映したまま泳ぎ続ける。
おかしいな。笑顔だけは完璧だって、いつも言われるのに。不自然だろうか? 似合わないのだろうか? イリアは何が気に食わないんだろう?
「昼は何がいい?」
「あ、あの…。なんでも…いいよ」
そんな風に、たどたどしくしなくたっていいのに。
なんて言えば笑ってくれるんだろう?
そう思ってもわからない。俺は大切なものが欠けているから。




