国持ちへ
「アクティブスキル【伝長船倫光】」
忠次に変わり今度は直政が信長に切りかかった。
「焦るな、直政 【金陀美守護結界】!」
元康は少し遅れてスキルを発動。
自身は5分間無敵状態になり、家臣たちはDEF50%アップした。
レベル40の直政に対して信長のレベルは80
直政の斬撃を簡単にいなし逆に刀傷をもらってしまった。
「つ、強い・・・強すぎる」
一瞬にして松平家の重臣達を力でねじ伏せた信長は
元康に歩み寄った。
「久しいな竹千代
今はもう転生して昔の記憶などないだろうが・・・
どうだ?史実通り我と同盟を結ぶというのは」
信長から同盟の提案をされた。
清州同盟
桶狭間の戦い後に今川家から離反し家康が
信長の居城である清洲城を訪問して締結されたことから清洲同盟と呼ばれている。
元康は考えた。
松平家が束になってかかっても信長一人にも勝てない
今川義元も信長によって討ち取られた。
今この状況で自分たちが助かる道はなんなのか。
「信長様ーー!藤吉郎参りましたー!」
「信長様、今川軍は敗走
追い討ちをし死者は5千から6千、まだ増える見込みです」
元康が黙って考えていると他の戦場を片付けてきた
木下藤吉郎、丹羽長秀、そして柴田勝家の姿が見えた。
絶体絶命
百戦錬磨の織田家の重臣達も集まり
元康達が敵対し生きて帰れる可能性がなくなった。
「わかりました、同盟を受け入れます」
元康がそう言うと満足そうな顔を見せた信長は
藤吉郎に指示を出した。
「猿、捕らえてきたのであろう
奴をここに連れてこい」
「はっ!」
藤吉郎はそばにいた兵に指示を出すと
後方から織田の兵に腕を掴まれた状態の氏真が現れた。
「う、氏真様・・・」
「元康!貴様この今川を、この僕を裏切るのか!
さっさと信長の首を落とせ!」
捕らえられた氏真は半狂乱で暴れ狂っていた。
その姿を横目に信長は元康にある指示を出した。
「記念すべき織田徳川、いやまだ松平か
織田松平の軍事同盟だ
今川から決別する証としてこの今川氏真の首を切れ、元康」
「お、俺がですか!」
信長の指示に元康はもちろんそれを聞いていた氏真も
更に暴れ逃げようとしていた。
「元康!お前が僕を切るわけないよな!?
こんな田舎大名に従って今川と松平の関係をここで終わらすというのか!」
「さあ、斬れ」
織田兵に押さえつけられ跪いている氏真の前で
信長に急かされ元康はゆっくりと刀を手に取った。
「元康ううう!
僕ではなく信長を斬れ!元康聞いているのかーー!!」
元康は氏真の言葉を無視し
刀を振り上げた。
「申し訳ありません氏真様・・・
全ては松平家の家臣を守るため・・・」
元康は叫びながら振り上げた刀を勢いよく振り下ろした。
「うおおおおお」
「し、死にたくない!元康うううううう!」
その瞬間一筋の矢が元康の刀の切っ先より先に
氏真の頭を貫いた。
「貴様か余計なことを・・・」
信長は矢が飛んできた方を睨みつけた。
「遅参失礼
敵将が見えたため先制攻撃を仕掛けました」
少し離れた木々の間から一矢が姿を現した。
「お前、一矢か
今川に捕まったあと牢から姿を消したと聞いていたがどこにいたんだ」
松平方で唯一、一矢の事を知っている直政が口を開いた。
「直政殿、久しぶりです
俺は牢から脱獄した後信長様に拾われ
今は織田家家臣だ」
「そうか・・・光義の仇はとれたか?」
「ええ、今川軍師太源雪斎は俺が討ち取った」
一矢の言葉にその場いた者たちが驚いた。
「あの今川義元の右腕の太源雪斎を討ち取っただと」
「織田家臣にあんな者いたか」
「誰だあいつは」
ざわめく兵達の言葉を遮るように信長が口を開いた。
「岩森一矢、大義
貴様に遠江一国くれてやる」
信長の言葉に次は織田家重臣たちも驚いた。
「新参のあやつに遠江一国だと」
「一気に国持ち大名じゃと」
「信長様!何故新参の岩森殿に国を授けるのですか」
その中で勝家が一番に信長に物申した。
それに続き長秀、藤吉郎なども続いて信長に詰め寄った。
「儂の決定が不服と申すのか」
次の瞬間信長が発した覇気に気圧されて
屈強な織田家重臣たちは一瞬で静まってしまった。
「ありがたき幸せ
この岩森一矢、身命を賭してあなた様にお仕え申す」
一矢はこの一戦で遠江国の大名へ成りあがった。




