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light of The hope

作者:オザト
『light of the hope』

---

プロローグ――世界に灯った、ひとつの光

その日、世界は変わった。

人間の学力を飛躍的に引き上げるはずだった脳科学実験。
だが、その副産物として生まれたのは、知識でも理性でもなく――力だった。

「脳力(のうりょく)」と呼ばれるその能力は、やがて思考と感情を起点に発現する新たなエネルギーとなった。
その力は、超常の域に達し、神話に語られる奇跡や絵本の夢物語をも現実に引き寄せた。

世界で最初に脳力を覚醒させた者は、神に等しい存在と称された。
そんな時、その力を研究する者がいた。
彼女の名は――天貝 未琴(あまがい みこと)。

その少女が開いた扉を、人々は「希望」と呼んだ。

そして、その希望を、右手に宿した少年がいた。


---

第一章 ──右手に希望を(ライト・オブ・ザ・ホープ)

「……嘘だろ。姉ちゃん……生きてる……?」

夏の終わり。

汗が額を伝い落ちるほどの暑さの中、天貝 晋太郎(あまがい しんたろう)は、埃の被った段ボール箱の中から一枚の写真を取り出した。

そこに映っていたのは、かつて“天才”と呼ばれた姉、未琴。

そして、彼女の背後にそびえる建物。看板にはこう記されていた。

「天宮脳力研究都市開発庁」――通称、“天宮町”。

「……姉ちゃんが、最後にいた場所だ」

右腕が、うずいた。

人工の神格者の右腕。それは晋太郎の“希望”であり、“呪い”でもある。

6歳のあの日。両親を失い、瀕死の自分に未琴が移植したという伝説の腕。

それ以来、右腕だけが他の部位と違い、雷を宿すようになった。

力は強大であればあるほど、それを持つ者は孤独になる。
だからこそ、彼は知りたいのだ――

「姉ちゃん、あんたは何を知ってて、俺に何を託したんだ……?」

写真を胸にしまい、少年は天宮町へと向かう決意を固めた。

これは、“希望”を宿した右手を持つ少年が、
失われた絆を追い求め、世界の真実に触れる物語。

その手に宿るのは、雷の咆哮。

その想いは、――希望の光(light of the hope)。

◆第18章「爆熱と気功」
2025/07/18 17:00
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