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短編集

想像力

作者: 豆苗4

想像力の欠落が我々を我々たらしめるのだと思うと何とも言えない気分になる。オウム。対岸の火事。他山の石。


安直なイデオロギーに呑み込まれてはならない。蝕まれるのは一時のことではない。それらは不可逆的に起こるのだ。それらはあまりにも強すぎる。器を徹底的に破壊し尽くした後に、何事もなかったかのようにこう囁くのだ。「さて、次はどうする?」と。


確かにその通り。言っていること、やっていることもひょっとしたらそうなのかもしれない。しかし、それは……。二の句が告げなくなる。枯渇。変身。怠惰。渇望。熱にうなされた身体にかける言葉なんてないのだ。待つしかない。ただただ待つのだ。茫然と眺めながら。


結局こちらとあちらの境界なんてありはしないのだ。区別なんて必要ないのだ。どちらも同じこと。潤沢な想像力さえあればそれはすぐに分かるだろうに。残念なことにそれらは有限である。どんなことも勢いよく溢れ出る温泉のようにはなっていないのだ。途切れ途切れの膨大な記憶が決壊した川の如く流れ込んでくる。頭が割れるように痛い。過不足なし。そうに決まっている。そうじゃなきゃあまりにも浮かばれないではないか。灰色の水平線。我々は彼らを映す鏡。彼らは我々を映す鏡。


ウイルスの夢。夢の鏡。鏡のウイルス。

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