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サバイバルゲーム  作者: こんぺーとー
サバイバルゲーム〜始まる行方を大調査!〜
3/13

知らない場所での夜【千代side】

 よし!


 宿題も終わったし、明日の準備もした。


 今日やらないといけないことは終わったし、パソコンのシューティングゲームでもやろ〜。


〈アップデートするので、このボタンを押してください〉


 これはアップデートしないと遊べないゲームなのかな?


 それならボタン押そっ!


 でも、なんか手が震えてる。


 押さない方がいい気もしてきた。


 体が拒否するなんて、よっぽどのことがない限りないよ。


 だけど、ゲームで遊びたいっ!


 私は気持ちの高鳴りを抑えきれず、ボタンをクリックした。


 その瞬間、急な睡魔に襲われた。


 不思議と体を預けてしまう、そんな感じの睡魔に。


 このままずっと眠っていたい。


〈“正直者アリノママ”の習得……成功しました〉


 不思議な声を最後に、私は眠りについた。


 争いたいと、そんな気持ちを持たずに。




***




  ……


 「えっ……」


 私はびっくりしすぎて、目を見開いた。


 自分がいる場所は少し古臭いベッドの上。


 窓の目の前には木製の机があり、ランプとペンが置かれている。


 左手には本棚。


 これは高く売れそう。


 縁が純粋な金で出来てるからね。


 売ってもいいかな?


 けどホコリ被ってるし結構汚れてるから、あんまり値段は付かないかな。


 時間が余ったら、掃除でもしよう。


 それにしても、私以外の人間はいるのかな?


 逆に、いなかったらどうすればいいの?


 ココでどうすればいいのかも分からないし、ココがどこなのかも分からないし……。


 んー……悩んでも仕方ない。


 ちょっと辺りを探索してみよう!


 考えることを放棄した私は、まず部屋から調べることにした。


 「えっと、これは説明書?」


 机の上に置いてある、未開封の手紙を手に取る。


 中には少し古そうな〈説明書〉と書かれている紙があった。


 「どれどれ、なんて書いてあるのかな?」


 四つ折りにしてある紙をそっと開くと、多少見えないけど文字が書かれていた。


 書かれていた文字は日本語で、ひらがなのところがカタカナになっていた。


 なぜこんな風に書いたかは分からないけど、私はひとまず読んでみることにした。


〈説明書〉

⒈ドコカニ地球ニ戻レル魔法ノ杖ガアリマス。ソシテ6人ノ中ニ、“ウラギリモノ”ガイマス。

⒉杖ヲ使ウニ時ニ、ミンナデ帰ルカ、一人デ帰ルカ、見ツケタ人ガ選ベマス。

⒊二ヶ月以内ニ杖ヲ見ツケナケレバ、全員■■■シマイマス。

⒋ココデ暮ラシタイノナラ、素材ヲ集メテゲートヲ作ッテクダサイ。

⒌“ウラギリモノ”ガ杖ヲ見ツケルト、“ウラギリモノ”以外ノ全員ガ死ンデシマイマス。

⒍ゲームマスターニ“ウラギリモノ”ヲ報告スルト、ゲームガ終了シマス。

⒎“■■■■■■”ダトオモッタ対象者ヲ■■■■ト、指定者ト対象者モ■■■ヲ持ッタママ■■ノ■ニ飛バサレ、ソノ■■ハ■キ■リ■レ■■ーシカ見■■■■。

⒏家、服、ゴ飯ハ用意シマス。

⒐「クリスタルニ支配サレタ洋館」ハ一階ガロビー、二階ニソレゾレ部屋ガアリマス。

10.起キタラ着テイタ服ハ、変更可能デス。

11.仲間ト協力シナクテモイイデス。

12.ドームノ中ニハ、魔物ガイマス。

13.魔物ヲ倒ストアイテムヤ素材ヲ落トシ、消エマス。

14.プレイヤーノ最初ノランクハ全員Gデス。

15.ランクハ魔物ヤ経験値アップルパイ、ランクラムネデ昇格可能デス。

16.MISSIONヲクリアスルト、ゲームマスターノ特徴ヤ攻略ノヒントガ得ラレマス。

17.ログインボーナスデ、各自武器ヲ選べマス。

18.クラフトハクリエイターニ任セマショウ。

19.プレイヤーノ合計人数ハ6人デス。

20.武器ハ全部デ双剣、斧、槍、弓、杖、盾デス。

21.武器ニハ性格ガ違ウ人間型AIガ付イテイマス。

22.職業ハ、クリエイター、テイマー、スナイパー、サバイバルマスター、魔法使イ、格闘家デス。

23.クリエイターハ大キナ物ガ作レマセン。

24.命ノ保証ハシマセン。

25.最後マデ生キ残ッタラ願イヲ1ツ、デキルカギリデ叶エマス。


 ……これ、どういうこと?


 まるでゲームの説明書みたい。


 そもそも私、ゲームの世界にいないよね?


 だって、さっきまで部屋にいたじゃん。


 いきなりこんなところに来るなんて、現実離れしてるよね?


  コンコンコン


 「失礼。急で申し訳ないのですが、こちらに“人”はいますか?」


 ドアの方から男の人の声がした。


 “人”ってどういうこと?


 逆に言うと、“人”以外の生物がいるってこと?


 私はそんなことを思いながら、ドアを開けた。


 「……私は“人”だけど、何かあったの〜?」


 できるだけのんびりした性格を出しつつ、私は問いに答えた。


 一緒にゆっくりドアを開けると、そこには“人”が4人いた。


 そして私の目の前にいたのは、絵本の中から出てきたような王子様だった。


 「よかった。ココには“人”がいたんですね」


 緊張が解けたように、目の前の王子様がほっと手を下ろした。


 手にはランプを持っている。


 現代には無い、おしゃれな感じだ。


 確か、施設の廊下のランプがそれに似た感じだったような……。


 「おい、早くホールに行くぞ」


 ……不良だ。


 王子様の話を待つことができなかったみたい。


 姿を見た瞬間、私は体全体が固まった。


 そして全身が震え出した。


 「そうですね。君も僕らについてきてください」


 手がブルブル震えていた。


 顔の熱はだんだんと冷めていき、温度を感じさせない。


 体が正常じゃない私は、王子様と不良くんの会話を聞いていた。


 「大丈夫ですか?」


 王子様が私に近づいてくる。


 本当に心配している顔だ。


 できるだけ心配はかけたくないのに……。


 「大丈夫だよ〜!すぐに行くから、先に行ってて〜」


 勇気を振り絞って言った言葉はあまりにも小さく、そしてか弱かった。


 そんな声なのに、王子様には聞こえてたみたいだ。


 「分かった、すぐ来てね」


 庶民の私にすら意識を向けてくれる、それだけで嬉しかった。


 私はココに存在するんだと、証明してくれてるみたいで。


 鼻がツンとなり、目にゴミが入った気がした。


 だけど、泣いてはいけない。


 私は誰にも、喜怒哀楽を見せてはいけないんだ。


 「ごめんなさい、ごめんなさい……」


 私は頭の中に人物の顔を浮かべ、目に涙を浮かべながら誤った。


 罪悪感に襲われながら、私はホールへ行く準備をした。

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