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サバイバルゲーム  作者: こんぺーとー
サバイバルゲーム〜ついに始まった遊戯〜
11/13

URLについて【彩優side】

 晩ご飯を食べたことは覚えている。


 次からは和食を食べようと決意したのも覚えている。


 その後が思い出せない。


 「主様、おはようございます!昨日は相当な数を殺めていらっしゃったので、力の一部が解放されていると思います。今日のご予定はどういたしますか?」


 眠い。


 このまま二度寝してもいいだろうか。


 たぶんここに、義務は存在していない。


 寝ても、問題はない。


 「寝る。お前も今日は休め」


 「えっ!?いやでも」


  ピコンピコン♪


 「……あの女、狙って送ってきてないか?」


 「そんなことはないと思います」


 二度寝しようとした時に邪魔が入ったが、今回も害はない。


 前回みたいに楽しいやつの情報があったら後で後悔するから、今のうちに見ておくか。


『あの後会議室で情報交換会を行うことが決定されました。ウラギリモノとしては参加して欲しい会なので、義務で出席してください。途中で抜け出すのはやめてください。それでは、良い一日を』


『〈服についてのお知らせ〉みなさんと彩優さんで服が違いますが、それは戦闘服か制服かの違いです。彩優さんが今のプレイヤーの中で一番実力が高く差が大きすぎてウラギリモノだと勘づかれる可能性があります。その差を少しでも縮める為に、彩優さんの戦闘服にはデバフをつけさせていただきました。内容は下のURLにあるので、詳しくはそちらをお読みください』


 「ベアー、URLって何だ?」


 分からないことはベアーに聞くのが一番だ。


 ここでは一応、信用できる存在だ。


 「資源の位置を統一的方式で識別する書式ですね。その光ってる部分をタップすれば問題は解決します」


 「やってみろ」


 他者がやっても通用するのか試してみたい。


 機密性があるのか調べたい。


 「分かりました。どのような手順でお調べ致しましょうか」


 「手袋ありなしでまずは調べろ。あと双剣の右と左、聞いてるか」


〈もちのろんだよマスター!さっきから白夜が沈黙魔法使ってきてウザかったけど、マスターが求めてくれたから魔法が解けたぜ!ありがとよ!〉


〈愚兄がマスターのお耳を汚してしまい、申し訳ありません。昨夜の戦闘中に少々頭のネジが外れてしまったみたいで。直ぐに黙らせますから、どうか魂だけはご容赦願います〉


 酒を飲んだ後のような左と、自分の身の安全が最優先な右。


 媒体は同じなのに性格がまったく違うのが面白い。


 暇だったら解体して調べてみるのも一興かもしれない。


〈今なんか、脊椎がゾクッてした〉


〈僕たちの体は脊椎動物の構造ではないけど、何か分かる〉


 生存本能は健在そうだな。


 殴ったら鈍るか?


 「調査終了しました。害は見受けられず、安全かと思われます。中身は開けませんでしたので、主様に反応すると思われます。開ける際には、何卒ご注意を」


〈おっ?デジタルのやつなら俺らで侵入できるぜ?〉


〈やめろ。弾かれて何か仕掛けが発動するかもしれない。それに巻き込まれるのはごめんだね〉


 「そうですね。できるだけ安全な解決策を求めます。」


 1vs2で勢力が変わった。


 酒酔いはこれにどう返すか。


 人格の思考回路の例として参考にしよう。


〈……はい。次からはなるべく気をつけます〉


 完全なる諦め。


 案外根性無しだな。


 勝負時に生き残れる確率は、たぶん低い。


 「とにかく寄越せ。静かにしてろ」


『〈彩優さん弱体化計画〜その1〜〉服のデバフは全能力の50%減少です。できれば70%までいきたかったですが、逆に怪しまれる可能性もあるのでここで留まらせていただきました。ちなみにこの計画中は青のカウンターからもらった料理やアイテムなどもデバフになるのでお願いします。もし他のプレイヤー達が強くなってきたらデバフもだんだん消えていくので心配はいらないと思います』


 つまり、本来の力で活動されるとウラギリモノがバレる可能性があるから弱体化する効果をかけたということだろう。


 野生の獣に錘や鎖をつけたようなものだ。


〈なぁ極夜、なんでマスターを弱体化しなきゃいけないんだ?他のやつを殺せばいいだけの話だろ?〉


〈確かにそれも一理ある〉


 「主様、美来さんにお電話の許可を。問いただして理由を白状させます」


 口々にURLの内容について言う。


 誰も意見をまとめようとせず、言いたいことだけを言っている。


 「黙って聞いていれば、お前らは騒ぐことしかできないのか?次からは僕の許可の後に発言しろ」


 「ぎ、御意」


〈〈はっ!〉〉


 反射神経は双剣の方が上だな。


 まあ、ぬいぐるみにスピードを求めても仕方がないか。


 「僕は会議室へ情報収集に行く。口出しするなよ」


 念には念を押して、会議室に転移する。




***




 そこには研究員みたいな女を除いて、全員いた。


 「やぁサユくん。まずは僕たちを助けてくれてたことについて礼を言う。ありがとう」


 「サンキュ」


 「礼を言いますわ」


 「あっ、ありがとうございますっ!」


 三者三様とはこのことだ。


 前と違って脅迫からのスタートじゃないことは評価しよう。


 だが険悪ムードなのは減点だ。


 「で、なんだ?何が望みだ?」


 「察しが良くて助かるよ。僕たちは君がウラギリモノじゃないかと睨んでいる。」


 「それは、なぜ?」


 あいつはカバーしなかったのか?


 いや、する必要がないな。


 僕がいなくなっても、別の人に頼ればいい。


 結論で言えば、そういうことなのだろう。


 ウラギリモノが、僕よりも向いている可能性がある。


 部屋へ帰ったら、ベアーに電話してもらおう。


 「急にサバイバルゲームをやれって言われて、すぐに対応できていたのが君だ。しかも魔法らしきものが魔法使いでもないのに使えるなんて、元の世界では考えられない。僕を含めて君以外の人たちは何もできずに気絶していたのに、君だけ生き残って……しかも僕たちを移動させる力まで残ってたんだよ?これを疑わない訳がない」


 「そうだ。夜の仕事をしている俺だってこのザマだ。疑うしかない」


 「一人だけ生き残れるなんて、おかしくなくって?不正でもしてるんじゃないかと、普通疑いますわ」


 「ええっと……確かにサユさんを疑う気持ちはありますけどっ!でも説明書をよく見てみてくださいっ。もしこれで間違っていたら、私たちどうなるか分かりませんよっ!?」


 「ねぇリンちゃん。説明書にはそんなこと書かれてなかったけど?」


 あたりのやつらが一瞬、王子以外が固まった。


 ここにきて新たなウラギリモノ候補発見か。


 ちゃんと会議してたのか?


 「あっ!失礼しましたっ。説明書にはきちんと記されていませんでしたけど、たぶん7は“ウラギリモノ”が入ると思うんですっ。文字数と強調部分が合ってるし、警戒するのに越したことはないかとっ!」


 「一理あるね。けれど、どうして分かったんだい?」


 「可能性は高いが、なぜ今言った?」


 「リン。あなたまだそんなことやってたの?いい加減、変な特技はやめたほうが身のためですわよ」


 「ごっ、ごめんなさいっ!」


 「そろそろいいか?」


 外野の一声で、注目がお化けから僕に移る。

今まさに存在を思い出しましたって顔をしている人が大半だ。


 それと同時に気まずい雰囲気になる。


 別に僕はどうも思ってないけど。


 「人を勝手にウラギリモノ扱いして放っておくって、お前たちは一体何がしたいんだ?」


 侮辱された、勝手が過ぎる、仲間ハズレだ……他にも色々な風に捉えられる。


 ここが学校だったら、教師にイジメとして報告できる。


 大袈裟だと言われてから注意喚起で終わる程度だろうが。


 「ごめん、話に白熱しすぎたね。これは事前にちゃんと話し合いをしていなかった僕たちの責任だ」


 「すまない」


 「ごっ、ごめんなさいっ!全ては私が発言していなかったからですっ!責任は私にありますっ!」


 三人の言葉を聞きながら、四人の顔を見る。


 王子はきっちり45度の角度で頭を下げており、目も閉じている。


 僕が何かするのではないかと疑っているのか?


 筋肉は僕を見ている。


 純粋ではない、混沌とした感情が見える目で。


 まだまだ半人前だな。


 姫は謝罪をしないまま、ただリンをずっと見ていた。


 何か怪しい点があったのか?


 幽霊は体がプルプル震えながらも、しっかり90度の位置で頭を下げている。


 震えてなかったら、社会人の謝罪の模範だと思えただろう。


 「いい。ところで、研究員はいないのか?」


 僕が来てから十分くらい経ったのに、会議室に来ていない。


 「研究員?……ああ、チヨちゃんのことか。彼女はまだ来てないよ。心配だから様子を見に行こうか。サユくんも一緒に来てくれないかい?」


 ここで断ったら、研究員の動向が分からなくなる可能性が高い。


 他にもウラギリモノ候補になったり、信頼できるプレイヤーから脱落する可能性もある。


 最初の頃はチームの連帯行動に付き合った方がいいだろう。


 その方が面白くなりそうだしな。


 裏切られたと分かった瞬間に歪む顔が楽しみだな。


 「いいが、僕に掴まれ。歩くのは嫌だから、転移で部屋の前まで行く。研究員の部屋に行ったことがあるやつは?」


 「僕とマモルだけだね」


 〈記憶を頼りにここのマップを展開できるか?右か左〉


 念話で思念伝達をして、頭の中に文章を書くであろう二つの存在に聞く。


 〈極夜なら大丈夫だぜ!俺は細かいことできないけど、攻撃とかだったら得意だぜ!〉


 〈細かいやつはできるだけ僕に命令してください。得意分野で仕事か任務はやりたいです。お願いします!〉


 「分かったから早くやれ」


 呆れ気味に僕が言うと、すぐに情報が頭の中に入ってきた。


 転移に必要な条件はクリアした。


 あとは他のやつらが掴まるだけだが……。


 「何をしている?」


 「服に掴まるのは迷惑だと思ったから、手を繋ごうと思って。これでも大丈夫かな?」


 「はぁ、好きにしろ。」


 左に王子、右に筋肉で研究員の部屋の前への転移を開始する。


 重量のせいでいつもよりも多く魔力が持っていかれるが、たぶん気絶はしないだろう。


 一人の時よりも吸収された魔力を実感し、僕は少し達観しそうになった。

***


 「ほ、本当に部屋の前に来た」


 「すごいな。侵入する時に役立つぞ」


 「頭が痛いですわ……」


 「もしかしたら私、酔ったかもしれませんっ」


 魔力慣れしてないやつらが体調不良を訴えるのは当然だが、二人だけなのは気になるな。


 王子は多少は大丈夫とは言え、筋肉が大丈夫なのはおかしい。


 魔法使いじゃないし、前回の獲物は魔法系じゃなかった。


 耐性がついたとは考えにくい。


 もしくは、最初からあった?


 交流はやっておいた方が良さそうだ。


 コンコンコン


 「おい研究員、いるか?」


 返事がない。


 死んだか?


 いや、その可能性は低い。


 洋館内は比較的安全なはずだ。


 確認のためにも、研究員が一番信頼していそうなやつにやらせるか。


「王子、研究員を呼べ」


「分かりました。チヨちゃんいるかな?返事して」


 王子が呼んでも、研究員の反応はなかった。

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