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ボクの初恋のひと 出会いそして最初の失恋  作者: 明けの明星


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27/28

冬から春~春の気配

3月になった。

もうすぐこの学年も終わりだ。


6年生の卒業式はボクたちの終業式の数日前に行われるそうだ。

式には5年生が出席する。


他の学年は休みになるのだが、ボクたちのように学堂クラブに通っている子は、

学校に行く。


卒業式の日、ボクとまいかはいつも通り登校した。


校門には「卒業式」と書かた立て看板が置かれていて、

その横で何組も親子が写真を撮ったりしていた。


6年生たちは普段の姿よりきれいな格好をしていて、

みんな大人になったように見えた。


ボクはあのお別れ会の日、あすかにカードを渡して以来、

あすかと話をしていない。

登校班で歩いている姿を遠目で見たくらいだ。


それでも、ボクはあすかを守る、という使命感にかられていた。

そして、ボクもあすかが合格したというT学院に入る。

そうすればまた1年生と6年生になれる。


そう心に決めていた。


ボクたち学堂クラブに来ている子は、いつも過ごす部屋にいたけど、

卒業式が終わって、6年生が校庭に出てくるころ、

ボクたちも見送るために校庭に行っていいことになった。


卒業式のこの日は快晴に恵まれ、心地よい気温だった。

式を終え、クラスに戻って小学生として最後のホームルームをおえた

6年生が、校庭に出てきた。


5年生とボクたちでアーチを作り、6年生を出迎える。

みんな、手に卒業証書の入った筒をもって胸には小さな花飾りを付けていた。


校庭をぐるっと1周すると、6年生たちは思いもいに写真を撮ったり、

話をしたりしていた。

泣いている子もたくさんいた。

そんな姿をみている6年生の保護者たちも泣いていた。


保護者の中に、あすかのお母さんがいた。その隣にはお寿司屋さんでみかけた

あすかのお父さんの姿があった。

あすかのお母さん、今日はにこやかに笑っている。


ボクはあすかを探した。

友達に囲まれて笑っていた。

その姿を見ただけで充分だと思った。


学堂クラブが終わって帰ろうとしたとき、

校門にあすかがいた。


6年生はまだ校内に残っていたから、おかしくはないんだけど。


ボクに近付くと、

胸に付けていた花飾りをボクにくれた。

「この前のカードのお礼」

そう言って。


ボクは無言で受け取った。

何を言ったらいいかわからない。


あすかが先に話し出す。

「けいた、あのカード、ほんと?」

ボクが言う

「あすかの夢をかなえてほしい、ボクが守る」


あすかは少し笑って言った。

「夢を応援してくれるのはうれしいけど、

守って、

くれなくてもいいかな」


ボクは守らせてもらえないんだ。

黙っていると、

「けいた、どうせしばらくしたら私のことなんか忘れてるよ。

だってまだ1年生でしょ」


え、なんで、あすかのこと、忘れるわけないのに。


「幼稚園で初めて話した子の名前、覚えてる?」

考えてみたけど、幼稚園に入った頃のこと、

あんまり覚えてない。


「けいたはまだ小さいんだよ。

私のことなんんかすぐ忘れちゃうって」


これから、忘れるとか忘れない、とかじゃなくて、

あすこのことを今、守りたい、そういう気持ちなんだけど、

あすかは違うようだ。


ボクはあすかを守らせてもらえない。

それが真実だった。


「ボクもT学院に行ったらまた1年生と6年生になれる?」

もう一つの夢を伝えた。

ボクは忘れないよって心の声と共に。


「あ、私さ、T学院は辞退してA女子学園に行くことにしたの」

名前を聞いただけでわかった。


そのA女子学園は女子校だ。

おんなのこしか行けない学校なんだ。

そういえば、あすかのお母さんはT学院に乗り気じゃなかったんだ。


ボクの目標が消えて行ってしまった。


その時、やっぱりボクはあすかのことが好きなんだと思った。

守らせてもらえない、

同じ学校に行く可能性もなくなった。

その二つの事実で心がぎゅんと痛くなったから。


あすかはボクの両手を握って、

「優しくて強い子になるんだよ、けいた」

そう言った。

おばあちゃんがいつも言ってた言葉だった。


あのボクを抱きしめてくれた校門の前、同じ場所で

ボクとあすかは手と取り合い立っていた。


春の香りを乗せた風がボクとあすかの横を通りすぎていった。

そうして、あすかと6年生は卒業していった。


卒業式が終わっても3学期は続いていた。

もうあすかがこの校舎にいることはない。






あすかはけいたのことを異性とは見ていません。けいたも異性として好きというよりもお母さん?お姉さんとして好きといった感じなのかもしれません。

けいたの気持ちもあすかはわすれちゃうから、と受け入れませんでした。

女の子の気持ちも複雑ですね。

次回で最終話です。

応援していただけると感激します。

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