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ボクの初恋のひと 出会いそして最初の失恋  作者: 明けの明星


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24/28

冬~灰色の季節

3学期が始まった。

新学期がはじまってすぐに書初め大会があり、

廊下にはり出されたりしていた。


ボクたち1年生はまだ習字をならっていなかったので、

フェルトペンでの書初めだった。


お題は「きぼうのひかり」

冬休み中、家で何度も練習をして、書初め大会に臨んだ。

ボクの書いた書初めには銀色の折り紙でつくったメダルのようなものが

付いていた。


良くできた作品に贈られる賞らしい。

ボクの書初めは良くかけていたんだ。

あすか、これを見てくれるかな。

そう思ったけど、3学期になってあすかをみかけることはなかった。


塾には来てるのかな、まいかに聞いてみよう。

そう思ったがボクから聞くより前にまいかが話し始めた。

「もう少ししたら、6年生の壮行会があるよ、あすかちゃんが代表して話するんだって」

壮行会?何のことか分からなかったけど、塾には行ってるんだ。

それだけで十分だ。


そのころ、スーパーなんかでは「合格」とか「必勝」なんて文字の入った

品物が目に付くようになっていた。

なんか、もやしの袋にまで桜模様とともに「合格」って書いてあった。


ママの買い物に、まいかと一緒について行った。

するとまいかが

「壮行会の日に6年生にあげたいから」

とお菓子をせがんだ。

小袋に入ったそのお菓子ひとつひとつにメッセージが書いてあった。

「きっと大丈夫」とか

「リラックスして」とか。


メッセージ入りのお菓子をかってもらったまいかは

家に帰ると、何個かずつラッピングしてプレゼントのようにしていた。

それを受験頑張ってね、と6年生に渡すのだそうだ。


するとまいかが何故かボクにもその一つをくれた。

食べたそうにしていたから、だそうだ。


ボクもあすかにこれを渡したい。

ボクは思った。


その数日後、塾の壮行会の日、

まいかが張り切っていろいろと話すものだから、開始の時間もわかっていた。


ボクはこっそり塾の入り口にいった。

出入りする人たちをじっと見ていると、

あすかが来るのがわかった。

ボクをみつけると、驚いていたけど笑った。

「なんでここにいるの?」

元気そうだった。


「あすかちゃんに、これ」

そういって自分の好きなシールを貼ってすこし豪華にした

まいかからもらったお菓子を渡した。


「じゅけんなんでしょ、がんばってね」

そういいながら。


あすかはお菓子を受け取ってくれて、

「ありがとう。これ必勝お菓子だ、よくこんなの知ってたね」

と言った。

「ま、とりあえず頑張るから」

そういうと、塾の中に入っていった。


その日の夜、塾の下級生として壮行会に参加したまいかから、

「あすかちゃんに、お菓子渡したんだ」

と言われた。

あすかが話したのか、だれかに見られていたのかわからないけど、

まいかに知られてしまった。


「けいた、よくあすかちゃんのこと話すよね」

ボクはドキッとした。

そしてまいかの方をみられずにいた。


「けいたさ、あすかちゃんのこと好きなの?」

あ、聞かれちゃった、どうしよう、なんて答えればいいの。

「あすかちゃんは、おっきいさんだし」

やっとそう答えた。


まいかはそれ以上何も言ってこなかったけど、

それから、まいかがなんだかボクをみては意味深に笑っているような気がしてならなかった。


「あすかが好き」

嫌いじゃないのは確かだ。

でも好きとかいうことを誰かからいわれたくなかった。

誰にも触れてほしくなかった。


それ以来、まいかの前でも他の誰の前でも、あすかのことは話さないことにした。

まいかもしばらくすると、ボクとあすかのことはどうでもよくなっていたらしい。

まいかの方から、わざとらしくあすかについて話してくることも無くなっていた。


でもそれは、ボクがあすこのことを知る唯一のすべを無くしたということだった。


その冬、何度目かの雪がちらついた日、

その日は私立中学の受験日だ、とテレビのニュースで流れていた。




いよいよ受験本番になりました。

中学受験は大変ですね。

応援していただけると感激します。

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