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ボクの初恋のひと 出会いそして最初の失恋  作者: 明けの明星


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21/28

冬~寒い季節がやってきた

おばあちゃんの葬儀のため、

3日間ほど学校を休んだ後、ボクたちは再び普通に登校した。


今までと違うのは、ボクは「学童クラブ」に入ることになった。

学童クラブというのは、親が働いていたりして、

学校から帰っても家に誰もいない子が、

学校内で夕方まで過ごす、というものだ。


夏休みの間だけ、入っていたけど、

普通の日も、ほぼ毎日学童クラブに行くことになった。


まいかも一緒だ。

学童クラブは3年生までだから、まいかはあと少ししかいられない。

というかそもそも、まいかはこれが気に食わないらしい。


「けいたならわかるけど、私は一人でお留守番だってできるのに」

こう言って反発していたが、

「まいかがいないとけいたが心細いでしょ」

とママに言われてしぶしぶ了解した。


ボクはまいかがいなくても大丈夫なのに。

これでまたまいかに大きな顔されるんだ。

「弟が一人じゃ泣いちゃうから私も学童クラブに行くことにしたの」

友達にこんなことを言ってる姿が目に浮かんだ。


それから、まいかは4年生から行くことにしていた塾にも通うことになった。

夏期講習をうけたあの塾だ。

週に2回、塾にに行くのでその日はボク一人で学童クラブに行く。


学堂クラブでは、校庭で遊んだり部屋で宿題をやったり好きに過ごすことができた。

そろそろ外で遊ぶには寒くなっていて、もともと外遊びが好きではないボクは

たいてい、教室で工作をしていたり、図書室で本を読んだりしていた。


風がすっかり冷たくなり、外に出る時にはな中綿が詰まったジャケットを着ないと

寒くて震えるようになった頃、

おばあちゃんの納骨があった。


何度か連れてこられたことのある、

ボクの家のお墓。

ボクが生まれた時にはなくなっていたおじいちゃんもそこに入っている。


お坊さんがきていてお経を唱えてくれた。

そして、お線香をあげてお墓の上から水をかけたりした。

帰るときに、心の中で「また来るね」とつぶやいた。

ボクのおばちゃんはここにいるんだ。

なんだかそう思った。


それからしばらくして、

いつものように学童クラブに行ったその帰り道、

その日はまいかが塾の日だったから、一人で帰ろうとしていた。


校門をでたところにあすかがいた。

会うのは久しぶりだった。

「けいたのおばあちゃん、亡くなったんだってね」

あすかの家はおばあちゃんの家と同じ町内なので、回覧板に書いてあったそうだ。

「おばあちゃんがいなくなって寂しい?」

と聞かれた。


「寂しいというより、おばあちゃんとさいごに会ったときにバイバイが言えなかった」

おばあちゃんがボクたちがアニメを見ている間にいなくなった時のことを話した。


「けいたはあの時がさいごだって思ってたの?」

考えてみると、なんだか心のどこかで分かっていた気がする。

あの時おばあちゃんとの一瞬のすべてを大切にしたいと思っていたから。


それなのに、なんでアニメに夢中になったんだろう。

周りをよくみていれば、おばあちゃんがいなくなるのがわかったはずなのに。

まったく気が付かないくらい、夢中でアニメを見ていたあの時のボクに

たまらなく腹がたった。

それと同時に、おばあちゃんが死んで初めて悲しいとを思った。


「おばあちゃんは、けいたに悲しいと思ってほしくないからバイバイしないで行っちゃったんだね。

でもさ、悲しいかったほうがいいよね。バイバイできないで別れちゃうより。


私のおとうさんも私が知らない間にいなくなったんだよ。けいたと同じ1年生の時。

前の日、楽しく遊んで次の日になったらいなくなってた。


家も引っ越しして何が起きたのかもわからなかったけど、

お母さんからこれからは二人で暮らすっていわれた」


あすかが自分のことを話し始めた。

あすかの両親はあすかが1年生の頃離婚して、あすかはお母さんに引き取られたのだそうだ。


あすかもお父さんにお別れもいえないまま離れることになった。

その後、あすかがお父さんに会えたのは3年生になってからだったそうだ。


「大人ってさ、不都合なことはこどもに隠すよね。傷つけたくないとか言って。

私はそうじゃないと思う。ちゃんと説明してほしかった。こどもなりに受け止める覚悟はできてたんだから」


ボクがおばあちゃんの生前さいごにお別れできなかったこと。

あすかのお父さんにお別れが言えなかったこと。


ボクとあすかは同じ思いをしたんだ。

なんだかボクとあすかだけの秘密ができた気がした。


あすかも同じように思ったらしい。

「わたしとけいた、同じ経験をしたんだ」


そういうとあすかがボクを抱き寄せた。

ランドセルをしょった1年生の男の子がが6年生の女の子に

抱きしめられている。

「仲間だね、わたしたち」

あすかはそう言った。


あすかは寂しかったんだ。

自分の思いを共有できるだれかが欲しかったんだ。

その時はそんなことは分からなかったけど、

あすかにとって、この先悲しいことが起こりませんように。

とだけ考えていた。


ボクたちの上に、その年初めての雪が降り始めた。

もう暗くなっていた校門のまえで、

周りが白くかすんていくなか、ボクたちはただじっとしていた。









上手く表現するのは難しいですねーー

読んでいただけると嬉しいです。

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