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ボクの初恋のひと 出会いそして最初の失恋  作者: 明けの明星


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13/28

初夏から夏~夏休み

今日は1学期最後の日、終業式だ。

学校に着くと、すぐに校庭の隅に置いてある、ミニトマトの鉢植えを持ってきた。

1か月くらい前から、一人一鉢ずつミニトマトを育てている。

夏休みには家に持ち帰ってお世話をするのが宿題のひとつだ。


終業式は体育館で行われ、校長先生が何か話した。

それから、表彰状を貰う子なんかもいた。


ボクたち1年生はそういうのには関係なく、だんだんと退屈した子たちがもそもそし始めて

先生から注意されていた。


教室に戻ると、一人ずつ先生から成績表をもらった。

成績表は勉強した教科に3段階で評価が付いている。

ボクはほとんどが「よくできる」だった。


あとは先生からの言葉が書かれていた。

「お友達のことを思いやれる優しい子です」と書いてあった。

優しいという言葉が嬉しかった。


ボクのおばあちゃんはいつも「やさしくて強い子になるんですよ」っていうから、

優しいと書いてもえたっておばあちゃんに言ったらよろこぶだろう。


その後、先生が夏休みの過ごし方や宿題についていろいろと話した。

夏休み中、学校に来る日が1日だけあった。


そして帰りの会となり、みんなとバイバイして家路についた。


この日はいつもは学校に置いてある、防災頭巾や上履き、体育館履き、お道具箱なんかを

持ち帰ったので、いつもよりはるかに大荷物になった。

なによりも厄介なのがミニトマトの鉢植えだった。


下駄箱の前で靴を履き替えて、荷物を抱えて歩こうとしたら、

バランスを崩して鉢植えを落としてしまった。


プラスティックの容器だから割れることはなかったけど、

土がこぼれて茎が少しゆがんでしまった。


「やっぱし、落としたんだ。キミは絶対にやっちゃうと思ったんだよなー」

といいながら、容器に土を戻し、鉢を拾い上げてくれたのはあすかだった。


やっぱしってなんだよ。と思ったがそうは言えない。

また、大荷物を抱えてよたよたしていると、

「これに入れて」

とレジ袋を取り出し、ミニトマトの鉢植えをそこに入れてくれた。

「これなら持ちやすいでしょ」

確かに、鉢をそのまま持とうとするよりずっといい。

「あのさ、鉢持って帰るのに、レジ袋持ってこいってお知らせにあったはずだよ」

そうなんだ。ママのやつ持たせるの忘れたんだ。


あすかが鉢を渡してくれて、他の荷物ももたせてくれているところに、

他の6年生の女子がきた。


「この子、1組だよね、なんで構ってやるの、1組にまかせればいいじゃん」

その6年生は、3組のあすかが1組のボクの面倒をみていることが疑問のようだった。

「だって困ってるんだから、1組でも3組でも関係ないでしょ、ほっといたら泣いちゃいそうだし」

あすかがそういうと、

「あすか、おねえさんだね」

と納得した様子で去っていったが、

ボクはそんなことじゃ泣かないもんとすこしムッとした。

でも助けてもらったんだから、大きな心にならないと、と言い聞かせた。


ボクが荷物を持って校門を出ると、そこまで一緒にきてくれたあすかが

「じゃ、夏期講習もあるけど夏休み楽しんでね」

と言ってボクと逆方向に行こうとした。

「あの、おっきいさんもなつやすみたのしんでね」

あすかと呼ぶのは気がひけたので、おっきいさんと言った。

「あー私は楽しめるかな。毎日塾だよ」

と言いながら、手を振りあすかは帰っていった。


家に帰って、ママにすぐに文句を言った。

レジ袋のこと。

すると、そんなお知らせ、見てない。と言われて

ランドセルを確認すると、底の方からくしゃくしゃになった

プリントが1枚出てきた。

そこには「夏休みにあたって」という見出しでレジ袋を持参するように、とも書いてあった。


夕食の時、

「明日からの夏休み、またおばあちゃんちに行くのでいいんでしょ」

と聞いてみた。

ママが仕事のこときはおばあちゃんの家に行くことが多いから。

するとママがふーんと少し考えて、

「明日から、1週間は夏期講習でしょ、まいかと一緒にここから通って、

帰りは学校の放課後教室にいってきて」


おばあちゃんちに行くんじゃないんだ。

そんなことは初めてだった。

すこし疑問に思ったけど、明日から夏期講習ということのほうが重大だった。

塾であすかに会える。

明日が待ち遠しくなった。



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