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 あれからと言うもの、風音が起こした人質事件から1週間が経過した。一鉄は職務で忙しいので、とある聴取をするべく南美が『緑川みどりかわ探偵事務所』を尋ねる事になる。

 おやつ代と称したお駄賃2000円分がピンク色の財布に入っており、桜のシールがいっぱい貼られたメモ帳が小ぢんまりした肩から下げるバッグに入っている。まるで初めてのおつかい。

 道中、金髪の男子高校生に話しかけられる。全体的に黒を基調としたフードを着ており、何故かドロテアが持っていたような大きな魔法使いの杖を背負っていた。


「やあ南美、さん。一鉄さんとか元気してる、かな」

「うん! と言っても、疲れてエナジードリンク飲むの多くなっちゃった」

「まあ仕方ないな。今度お詫びの差し入れ持っていこう」


 一鉄に差し入れを考える彼は猩々緋怜しょうじょうひれいと言う。訳ありで以前はホームレスの少年だったが、今は普通に学生生活を楽しんでいる。また、風音の2つ下の弟だ。


「ところで、お菓子いるかな。せんべい正直飽きたでしょ」

「飽きた!」


 目を輝かせて、職務そっちのけでおやつの寄り道へ。緑川探偵事務所は商店街に中にあり、様々な売り物が今日も出されている。チェーン店ではない個人運営のコンビニに入り、南美は様々なお菓子をお客専用の入れ物に放り込む。総計でまあまあの金額にはなるが、怜の奢りで全て支払う。パンパンに膨れたレジ袋を持ち、嬉しそうにお菓子を頬張る南美を見てほっこり。


「ところで、ここに何の用事?」

「あ! 忘れてた! 緑川さんのとこ行くの」

「それは大変だ。ぼくも同行するよ」


 コンビニから割と近い距離、今となってはただの一軒家でつまりは探偵業を行っていないが、看板を撤去する予算がないのでそのまま探偵事務所という字面だけが残っている。

 無邪気にも南美はインターホンを押す。錆びた木こり人形のような高い音と共に扉は開かれた。銀髪で緑眼の女の子? がTシャツ一枚と下着だけで出てきた。その光景に南美も怜も目を丸くしてしまった。


「あら、こんな時間からおはようございます…ふわぁ」

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