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魂タックル

 苦笑いな表情で風音は背後にいるドロピアを指す。その光景はまるで小物の悪党であった。

 そのまるで小物の悪党にも、一鉄とドロテアは人質がいるので迂闊に手出しが出来ない。


「うちには人質がいるんだよ! 君達、どうする?」

「もちろん助ける。それが俺の仕事だからね」

「私もだ!」


 軽く煽り合うもお互い動けず、人質の体力が消耗する一方のまま硬直する。頭上で止まっている飛行船が、風音に対して追い風になるように強風を起こしていた。

 追い風と言っても背を向けて逃げれば向かい風、瞬間移動の超能力も使えるが|なぜか(''')使用出来ない。

 魔法杖を片手に、空いてる方でドロテアが小学生がよく使う筆箱ぐらいの灰色の機械を取り出す。


「焦って持ってきたので効果は限定的だが、あって良かった。P・Bサイコキネシス・ブロッカーをな」


 悪魔でもサイコキネシスの発動を妨害する物でありドロテアは魔法、一鉄は妖力を主軸として異能を発動しているので、この場面で能力の弱体化を受けているのは風音のみであった。だが、最低限対抗出来るだけのエネルギーが残っているので、人質という場面を生んでしまったとも言う。

 この場面の中、風音以外は上空から接近する存在に気づいていた。一か八か、その存在が戦況を変えると思い、敢えて視線を向けず話題にも出さない。風音は他の人間を読心したり経歴を透視出来る、いわゆる「謎かない魔法」も使え、本来は近づく存在を索敵出来るのだが、その存在は人間ではなかった。

 飛行船アズールの強風を追い風にしながら「たましいくん」が風音の頬に全力でタックル。思わず炎の鞭がほどかれ、すかさず一鉄がドロピアを保護。


「とりあえず俺はここを離れます! あとはドロテアさん頼みました!」

「任せろ!」


体勢を崩した風音にドロテアが一発光の魔法で作った魔神の拳で一発攻撃を与えた。

 一鉄は人質にされていたドロピアを背負いながら場を離れる。背後で置いていかれないようついてくるたましいくんは、かなり疲弊していた。

 遠のいていく戦闘の景色を気にしながらも、今は安全の確保を考え、とにかく走る。

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