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転生猫は、第二の生を謳歌したい。  作者: 禄星命


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第四十六話

「――という訳だ」

「そう……。けど、連れてきて良かったの? もしかしたら、この子が新城さんを眠らせた犯人かもしれないのに」

「だとしても、だ。……どういう経緯であの場に居たのかも分からんが、いずれにせよ放っておけなくてな」


 猫を見つけた数時間後。俺は琴音の部屋で、二階堂に事の経緯を報告していた。いや――報告()()()()()()()。猫を背負って柳を抜けたところを、二階堂に見られていたからだ。


『琴音の母が帰宅していなければ、強引にでも撒いたのだが』


 レイが喜んだだけ良しとしよう。焼き魚も食べ終えたところで、ちゃっかり手製のオムライスを得た彼女に問いかける。


「それにしても、よく俺があの場にいるのが分かったな」

「ヨスガの性格を知ってたから。……あなたは、この前の結果に納得していなさそうだった。だからきっと、天気や気温が穏やかな時に、独りで行くはずと思って」

「……ほう。まるで軍師のようだな」


 本当か? 仮にある程度の推測は出来たとしても、正確な時間まで当てられるだろうか。


『鎌を掛けてみるか?』


 ふと浮かび上がった懐疑心。それは()()()()なのか、俺は熟考する前に口火を切っていた。


「……二階堂。お前は昔から、良いタイミングで現れるな」

「良いタイミング?」

「そうだ。猫モのときや、俺が学校に潜入したとき。そして、花火大会のとき。大小様々あれど、お前が現れるのは、決まって俺や琴音が窮地に立たされた時だった」

「……」

「これまでお前には、幾度となく助けられてきた。だが――、あえて訊かせてほしい」


 ここまで言えば、次の言葉が読み取れるだろう。その証拠に二階堂は、食事の手を止め冷ややかな眼差しを向けてきた。しかし俺は、彼女の目を見つめたまま問い掛ける。


「二階堂。まさかお前が、琴音を眠らせた犯人なのか?」

「――」

 

 直後に返事は無く、耳には沈黙が流れる。よくある推理作品では、追い詰められた犯人は、必死な形相で自己弁護に励むだろう。


 だが彼女はあろうことか、静かに微笑み頷いた。


「うん、正解。私はあの()を眠らせ……そして、貴方達を転生させた存在。“スティエラ”って言えば分かる?」

「な――」


 “スティエラ”。それは、生前魚を捧げた女神の名前だった。

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