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第15話Part.2~見送りは盛大に~

 今日遂に家を離れることになった。順調に行けばもう10年はこちらにほとんど帰って来ないということになる。一人暮らしは東亜の頃にしていたし、向こうは寮暮らしになるのでそこまで不安はないのだが少し寂しくなるなとは思った。


「ファンデン、シェーベリー戦闘大学校で立派な将軍となるのだぞ。」

「でも帰って来れる時はちゃんと帰ってきてくださいね。」


 両親が巣立つ俺に言う。母は少し涙ぐんでいるような気がする。父は一見しただけならいつも通りな様子に見えるが少し声が震えている気がする。必要な事とは分かっているが、まだ12歳の俺と離れるのはやはり寂しさと不安があるのだろうと思う。

 まあ子どもを持ったことが無い俺の推測なのでもしかしたら別の理由なのかもしれないが。


「兄上!これを……僕たちからのメッセージです。」

「お前ら……何かコソコソしてるとは思ってたが、こんなものを用意していたのか。」


 俺が渡されたのは弟妹からの寄せ書きだった。最近弟たちが集まって何かしていて、そして俺が行くと一斉に散ってしまって何かおかしいなとは思っていたがまさかそんなものを渡されるとは。勉強と鍛練と実戦であまり構ってやれなかったが、弟たちはしっかり俺を慕ってくれていたようだ。


「ありがとう。額縁に入れて毎日見れるよう飾っておこう。」

「い、いや……そこまでしていただくても……。」

「いいや、絶対飾っておく。2年後を楽しみにしておけ。」


 俺が額縁に入れて飾っておくと言うと、ノースデンはそこまでしなくてもと答えた。彼もシェーベリー戦闘大学校を受験する予定になっているので、2年後の彼の入学の年、合格して俺の部屋に見に来いよと笑った。


 近くまで来ているのはファンデンの血縁者のみだが、少し離れたところには使用人や騎士たちがこちらを見ている。彼らも俺の見送りに来てくれたのだろう。

 中庭を抜けて外に待機させた馬車に乗ることになるがその前に彼らにも挨拶しておこう。


「皆、見送り感謝する。私はこれより学園都市シェーベリーに赴く!ロートリース家の立派な後継者となる為尽力することを約束する。ではそれまで父と母、そして我が兄弟たちを頼んだ。」


 俺は扉の前で大声で叫んだ。クリアな声とは言い難いがおそらく皆の耳に届いたと思う。その声を聞いた騎士たちは右手を突き上げて歓声を上げた。そして「ファンデン様万歳。」と叫ぶ者が現れてそれの大合唱だ。

 こんな見送り方をされるのは人生を通して初めてなので少し圧倒されてしまったが、俺は右腕を突き上げてから扉を抜けて待たせていた馬車に乗り込んだ。

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