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第14話Part.3~嗚呼懐かしきあの香り~

 フィオーニ家の邸宅まで馬車を進めて、使用人にペティに取り次いでもらってから彼女を待つ。少々早めの到着となったが遅れてしまうよりは良い。俺はまだ準備が終わっていない彼女を馬車の中で待つことにし、馬車を操る御者と言葉を交わしながら時間を潰していた。


 御者は俺の為にフィオーニ家の門の方を何度か確認してくれ、ペティが出てきそうなタイミングを見てくれていた。その御者から邸宅の様子が動いていると告げられ、俺は馬車を降りた。御者の言った通り、俺が馬車を降りたすぐ後に邸宅の門が開かれて中からペティが出てきた。

 フォーマルなパーティなのでペティも当然おしゃれにしてきている。きゅっとしたウエストラインからふわりとしたスカートが広く拡がったゴージャスなドレスだ。布は薄い桃色をベースに金色の装飾をあしらったシックでありながらもあまくかわいらしくもある、俺が彼女に抱いた印象ぴったりといった感じの装いだった。

 そして彼女の年齢離れしたスタイルがまた映える。顔を見ればまだ少女だと誰もが分かるが、もしこのペイツが仮面舞踏会のような方式であったら、彼女がまだ12歳であると見抜けるものはおそらく少ないだろう。少なくとも俺は絶対に見抜けない。


「ロートリース様。お迎えありがとうございます。」

「どういたしまして。それじゃあ、行こうか。」


 ペティはまずは挨拶と迎えに来たことに対する感謝の言葉を言う。俺はニコリと笑顔を見せてそれに答えてから会場に行こうと言う。その時には御者が馬車に乗るための踏み台を用意していた。俺は馬車のドアを開けて「どうぞ。」と言って促した。ペティは「ありがとうございます。」と答えてゆっくりと馬車に乗り込んでいった。

 俺はペティが馬車に乗ったことを確認してから優しくドアを閉めて、自分はそのドアとは逆のドアを開けて馬車に乗り込み、彼女とは隣同士に座った。馬車は多少大きめのものなのだが、それでも広々と言えるものではなく、自然と彼女との距離は近くなる。


 彼女の隣に座ると甘い香りが漂ってくる。決してハスハスと香りを嗅いだわけではないが自然と鼻腔に入ってきたのだ。それは偽りなく良い香りと言え、俺が中学生くらいの頃に感じた(女の子ってどうしてこんなに良い香りがするんだろう。)という気持ちを思い出した。

 そんなちょっと危ないおっさんになりかけ……いやもうなってるかなどと思っている内に御者が踏み台を元に戻してから元の席に着いて馬車の手綱を握り「出発します。」と俺たちに伝えてから馬車を走らせ始めた。

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