第14話~卒業式~
俺は6年間お世話になったリール・ア・リーフ初等学校を卒業する。ここでは様々な事があったし、今までならせいぜいできて2人か3人だった友人もそれなりにたくさんできた。
そしてその友人たちのほとんどが俺と同じ中等学校に進学するのもありがたい。自分から友人ではない相手に声を掛けるのが苦手な自分にとっては新しい学校で知らない人間に声を掛けるのはハードルが高い。
この学校でできた友人だってほとんどがセリオスに声を掛けられて彼と友人となり、彼を介して友人となったという流れだ。しかし知っている人が最初から居るというのは心強い。
卒業式は親と全校生徒に見送られるのは俺が知っている卒業式と同じ。名前を呼ばれて壇上に上がるのも同じなのだが、粛々とした雰囲気というよりは人気のある生徒の名が呼ばれ、壇上に上がった際は歓声が上がったり、指笛が鳴らさられたりと陽気な雰囲気だった。
俺が壇上に上がった際はそこそこ歓声が起こったが、セリオスに比べれば大したことは無かった。どうもセリオスは同級生だけではなく下級生にも人気なようで非常に盛大に声が上がっていた。
次に卒業生代表、つまり俺たちの代の代表の挨拶。当然俺は代表ではない。仮に頼まれても絶対に断っている。代表はラーク・ヴァレンス。リール・ア・リーフ領主であるヴァレンス家の三男だ。あまり彼とは話したことは無いが、非常に優秀な少年でアメリアと同じシェーベリー学術学校への進学が決まっている。
さすが領主様の子というべきか、つつがなくすらすらと挨拶をする。聞き取りやすい声と声量。この世界には拡声器のようなものは無いので彼の地声だけだがそれでもすっと耳に入ってくる。そういった話し方や声の発し方のコツのようなものがあるのかもしれない。
俺は東亜として日本語を話していた時も、この世界に来てこの世界の言語で話している時も聞き返されたりすることが結構ある。そういうこともあって少し羨ましい。
代表の挨拶が終われば学校長の挨拶が入って、式は終了となる。リール・ア・リーフ初等学校の現学校長は非常に挨拶が長いと生徒はおろか教員にすら思われている人だ。当然生徒たちの新しい門出ともなれば学校長は張り切る。
15メラーもの時間をかけて超大作を読み上げた学校長は満足そうな笑みを見せていた。俺たちはもうほとんど聞き流していたが。そうとはいえ15メラー分もの話をよく考えてきたなと感心もする。やっぱりほとんど聞き流したが。
それからしばらくすれば新しい生徒が入ってくる入学式。ドキドキとワクワクを持って入ってきた新入生は彼の洗礼を受けることになるだろう。それを思い俺は被ることのない後輩たちの為に心から祈った。なるべく手短になることを。
学校長の超大作を聞いた後は俺たち卒業生は退場する。これで卒業式は終わり。あとは夜に行われるペイツ。俺はペティを家にまで迎えに行くことになっている。別に会場で合流すれば良いのではないかと思ったが、父と母にそれはそういうものだと言われて両親がそう言うならそうなのだろうということで彼女を迎えに行くことになった。




