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第7話Part.10~破剣公バルトルメス動く~

ホルトはバルトルメスに迎えられ、最前線に赴くことになった。前線から魔族たちの軍勢を見るとおびただしい数の魔物がひしめいている。

こんな数の魔物は見たことが無い、すると自然と彼の身体は震えた。恐れか怯えか武者震いか、彼はその時の気持ちについては分からないと残しているが、ともかく彼の中で一言では言い表せない気持ちが渦巻いていた。


最初は両者大きな動きはなく、グレイティス王国軍と魔族軍団は矢を放って牽制を行う。ホルトは弓矢の心得は無い為特にすることはなかった。そのような膠着が数日続いた日、遂に魔族たちが動いた。

正面突破を狙い、ゴブリンの部隊を動かした。これまでも何度か小競り合いの様なことは起きており、その都度矢を放てば撤退していたが、今回は仲間の死骸を踏み越えて進軍する。


歩兵は簡易な柵の内からゴブリン部隊に攻撃を仕掛ける。ゴブリンはそこまで強い魔族というわけでは無いが、それでも通常の兵卒からすれば脅威である。歩兵の大部分は槍を持って柵に攻撃を仕掛けるゴブリンを突き殺していった。

しかし急拵えの柵は簡易なものであり、そして兵卒の扱う槍も安価なものでしばらく使い続ければ簡単に壊れてしまう。防御柵は10段まであるが突破されるのは時間の問題だった。


バルトルメスは右翼の軍をゴブリン部隊の後方から攻撃、左翼の軍を前線防御に割く様指示を出す。その指示を受けて両翼の一部は動いた。

そして援軍が着いた頃には柵は9段目まで突破され、10段目に配置されていたホルトも防衛のためにゴブリンへの攻撃を行っていた。

ゴブリンは突如挟撃される形になった上、柵の全体を壊さないまま進軍したため彼らは逃げ場を失い、逃げられないまま命を落としていく。


しかし手薄になった右翼の部隊にビリージライダーが突撃を敢行。右翼の隊列が乱れた上、後方の泉への突破を許してしまった。そしてそれを見計らって正面からも魔族の援軍が来る。

ゴブリンたちが明らかに苦戦している、挟撃に動いた軍が見えている筈なのに今まで援軍の1つも寄越さなかったのは正面に注力させて、手薄になった右翼から泉へ攻撃を仕掛ける為だったのだ。

そして右翼が突破できたので再び正面の軍を動かし、泉へ援軍を差し向ける余裕を無くさせた。


「狙いは泉か!ミア殿下、しばし堪えてくだされ。必ずお助けに参ります。」


裏をかかれたバルトルメスは大きく舌を打った。そして泉の方を向いて泉防衛部隊を指揮しているミアに向けて必ず援軍を差し向ける事を誓い、側近たちに自身の馬と剣を持ってくるよう指示を出した。

この戦いで破剣公と呼ばれることになるバルトルメス・フルーレ・ドーラ・グレイティスが動く。

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