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第7話Part.7~偉大な雨魔術をサボりに使うな!~

『1クィロメラー=1キロメートル』

『1スクーレクィロメラー=1平方キロメートル』

王都魔術研究所の所員となってからしばらくは雨魔術【ラ・ヤーグス】の研究に回された。彼女が雨魔術を使えることは分かったが、問題の有無や条件等を調べる必要があったからだ。


まずは術者に対しての影響だが今のところ雨魔術を使用したことがあるのはアーシュレのみ。彼女自身には魔術を使用した事による反動は今のところは見られず、後年もそういった影響は見られなかった。


次に雲を生み出す方法だった。一から雲を生み出して雨を降らせているのなら問題ない。しかし他の場所から雲を持ってきて無理矢理術者周辺で降らせるようなものならば、他の場所から怒りの声が上がりかねない。国を超えてとなればそれが戦争の火種にもなりかねない為慎重に調べられた。

これに関してはすぐに心配はなさそうだということが分かった。何度か雨魔術で雨を降らせたが、その周辺が干上がったということは無く、継続調査は必要にしてもとりあえずは魔術の力で一から雲を作って雨を降らせるものだと結論付けられた。


魔術を使用できる条件は一定量の水が1スクーレクィロメラー以内に存在している必要があるようだ。雲がどうして雨を降らせるのかはまだこの世界では判明していないのだが、雨が降る時は雲が出ているというのは皆が知るところである為、魔術によって水を使用して雲を生み出すのではないかと仮説が立てられた。


この際に活躍したのがアーシュレに仕えているホルトだった。一説には馬と100クィロメラーほど並走していたという逸話が残っているくらいに俊足で体力もある。そして声が大きいので、彼が走って研究者たちの伝令役のような役目を務めていた。

あまりの足の速さに「この研究が終わったら彼の俊足を調べてみたい。」「魔術でも使わなきゃ説明がつかん速さだ。」と学者たちが冗談交じりで言ったという逸話もある。


「アーシュレ様は偉大な魔術を見つけてくれたよね。俺もたまに使ってる。魔術師のモリーンにめちゃくちゃ叱られたけど。サボりに魔術使ったからってそんなに怒られるとは思わなかった。」

「ファンデンくん……。」


俺はアーシュレの研究資料を読んでいた時そう声を漏らす。そう、たまに本当にしんどかったりめんどくさかったりした時、隠れて雨魔術を唱えて雨を降らすことがあった。

しかし最近、俺の魔術の先生であるモリーンにバレてしまいめちゃくちゃ叱られた。いつもは好々爺といった人なのだが、この時は髪の毛が逆立ち目尻も吊り上がっていた。

少なくとも国内屈指の魔術師で戦功をしっかりと上げていたというのは間違いなく本当だろうという凄みがあった。

そんな話をするとアメリアが呆れているような驚いているような何とも言えない微妙な表情を見せる。


「アメリアさんはそんなしょうもないことには使わなさそうだね。」

「そもそも使えないよ……?」

「え?」

「雨魔術ってすっごく難しいんだよ?範囲も広いし、手順も多いから魔術力をたくさん使うの。」


実は雨魔術は結構難しい魔術だったようだ。言われてみればたしかに単純に火の玉を飛ばす火炎系魔術の【ラ・アローヴ】に比べれば発動までの手順が多い。

その分消費される魔術力が多く、魔術力が低い者ならそれを使うだけで魔術力がほとんど枯渇してしまうほどらしい。

モリーンが激怒したのは子どもには消費が激しすぎる魔術の使用は危険だったからのようだ、多分。俺は(それならそう言ってくれればよかったのになあ。)と思いながら「知らなかった……。」と答えるほかなかった。

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