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2章第6話Part.8~シルヴィのリール山の戦い~

開戦後はしばらく膠着状態が続いた。防御側のグレイティス軍の前線は破剣公バルトルメスの指揮の元、魔族たちの軍勢を跳ね除けていた。数で言えばグレイティス軍の方が魔族よりも倍の数居る。しかし純粋な戦闘力で言えば魔族たちの方が強いので、油断はできない情勢。

更にその倍という数もどうにかしてかき集めたものであり、シルヴィもそうだが普段ならまだ従軍させないであろう者も多く、練度にも不安が残るものだった。

後方に居る王とシルヴァンの隊はまずは戦況を見つめ、泉の防衛のシルヴィも同じくだった。


数日間特に大きな動きが無く、両者の消耗も大きくなってきた。指揮官は騎士たちの督戦に走り戦線の維持に努める。

そろそろ侵攻側の魔族が何か動きを見せるかと考え始めたその時、魔族側が中央突破を狙ったのか中央の攻勢を強めた。破剣公バルトルメスが指揮を行い自ら剣を振るい、不死身の兵卒と呼ばれたホルト・ローズが鬼神の働きを見せるが、全員が2人ほど強いわけではない。遂に一時的に数でも劣った中央が崩れるのは時間の問題となる。

中央突破されれば王が布陣する本陣、そしてリール・ア・リーフの街に危機が及ぶ。後詰の部隊を援護に向かわせ、更に両翼の軍を少しずつ引き抜いて中央の防衛に回す。

しかしそれが魔族側の狙いだった。右翼にビリージライダーの部隊を一気に攻め込ませた。


ビリージという魔物は曲がることは苦手だが直進の突破力に優れた生物で、手薄になった右翼の一隊に突撃し騎士たちを蹴散らし、更に混乱した右翼の部隊をゴブリン部隊で攻め、右翼を崩しにかかった。

更にビリージライダーが突破した右翼後方はシルヴィが守る泉がある。魔族たちも人間側が魔術の回復手段を失えば戦闘の継続が難しいと分かっており、右翼から崩して更に泉の奪取を狙ったようだ。


当然後方にも騎士たちの防衛部隊は居るのだが、不意を打たれた上まるで疲れを知らないかのようなビリージの勢いはまるで衰えず、少数の部隊をあっさりと吹き飛ばしていく。

その報告を受けた泉の防衛部隊を率いていた【ミア・グレイティス】は防御魔術で結界を張ることを指示。

ビリージという魔物の特性上、曲がったり急に止まったりすることが苦手だが突破力に優れているため、魔術の壁を張って一度ビリージを止めるという策に出た。


「ラ・ディーバー!!」

「ラ・タンズィーム!」


ラ・ディーバーが結界魔術。そしてラ・タンズィームが複数の者が唱えた魔術を合わせる魔術だ。100人皆で唱えてもしっかり合わせるのが難しいので、数人は調整用の魔術を唱えてしっかりと強固な結界を張ったのだ。


ミアの策は当たり、ビリージは止まり切れずに激突。ほとんどのビリージはその衝撃に耐えきれず息絶え、息のある者でも再度突撃は不可能な状態となった。上に乗っていたゴブリンにも死傷者が出ているようで、そのままミアは弓兵隊に矢を放つように指示。

だが弓を構えてもゴブリンたちはのっそりと動いて、まるで恐れていない。そして一度目の斉射でほとんどのゴブリンと息のあったビリージは矢の餌食となる。

斉射を受けて生き残ったゴブリンは算を乱して逃走。どうやら結界魔術を知らなかったようで、見えないけどなんか壁があるから大丈夫だろうと構えていたようだ。

しかし結界魔術は通したいものは術者によって通せる為、こちら側の矢のみを通して攻撃ができた。

何だか分からないが矢は飛んでくると分かって、ゴブリンは慌てて逃げだしたようだ。


これで一度目の攻撃ははじき返すことができた。しかしここから魔族たちの攻撃が断続的に続くことになる。

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